生命保険のなかには、支払った保険料よりも多くの返戻金が受けられる商品もあります。これらの保険は、単に保険として利用するだけでなく、資産運用として活用できます。この記事では、保険で資産運用するメリット・デメリット、資産運用におすすめの保険を紹介します。 株のメリット、デメリット株式投資は、都度の売買益や配当金など、多くのリターンが得られるので人気があります。企業によっては自社商品や優待券を株主優待として配布しており、株ならではの楽しみもあります。
保険でも資産運用株式投資でなくとも、安定して資産を増やせるなら、それに越したことはありません。そこで、株に加えて、ぜひ活用したいのが「保険」です。 保険で資産運用するメリット実際に保険で資産運用しても、株ほどの金銭的な利益は得られないのが実情です。しかし株式投資と比較して、資産価値の変動が控えめで安定性には長じていると言えるでしょう。分散投資の観点からも、株式とは違ったジャンルで、安定性に秀でた保険での資産運用は意味があります。 保険で資産運用するデメリット資産運用に活用できるタイプの保険は、一般に保険料が高額になる傾向が見られます。また途中で解約すると、加入期間によっては返戻金が支払った分の保険料に達せず、保険でも元本割れになってしまう可能性があります。株式投資と同じように、事前に情報の精査を行いましょう。
積極運用するなら、この保険保険でもリスクを恐れず、積極的に運用したい方には、次のような保険が適しています。 変額保険・変額個人年金保険国内外の株式・債券などによる「特別勘定」で資産(保険料)を運用し、その実績に基づいて受け取る保険金や年金、解約時の返戻金の金額が決まる保険です。株価や債券価格、為替の影響を受けます。そのため、結果的に支払った保険料より受け取る金額が少なくなってしまう可能性もあります。 外貨建て保険保険料の支払いや保険金の受け取りを、円ではなく、ユーロやドルなどの外貨で行う保険です。こちらも、その時点での為替相場によっては、円に換算すると損失となってしまう可能性があります。また、円換算の際には基本的に手数料もかかります。 そのほかの保険このほかに、「市場価格調整(MVA)」を利用した保険もあります。これは、解約する際に受け取る返戻金の額が市場金利に連動しているタイプのものです。金利が上がると返戻金は減少し、下がると増加します。
安定運用なら、貯蓄性保険先述したように、保険に投資しても株ほどの利益は期待できません。ですがそれは、「ローリスク・ローリターン」と言い換えることもできます。これをメリットと捉え、安定最優先で運用していくなら、次のような「貯蓄性保険」と呼ばれるタイプの保険が適しています。 低解約返戻金型終身保険「低解約返戻金型終身保険」は、当初の一定期間中は解約時の返戻金が低く抑えられ、その期間が経過した後は返戻金が高くなる保険です。この仕組みをうまく使えば保険料より返戻金のほうが多くなるので、貯蓄性保険としてよく活用されています。 養老保険「養老保険」は前出の「低解約返戻金型」と同じタイプの保険で、違いは「満期」が設定されていることです。満期までに亡くなると家族が保険金を受け取り、無事に存命していれば、加入者が満期保険金として通例保険料以上の金額を受け取れます。 学資保険「学資保険」は、基本的には子どもの学費のための保険です。入学や進学などに合わせて受取時期を設定し、保険金を受け取ります。受け取れる保険金は通例保険料よりも高くなるので、子どもがいる場合は貯蓄性保険として活用できます。 個人年金保険「個人年金保険」は、国の制度とは別に個人で加入する年金です。国の制度と同じく、所定の期間保険料を支払うと、一定期間中、一定の保険金を年金の形で受け取れます。 記事内容は執筆時点(2020年07月)のものです。最新の内容をご確認ください。 |