ほけんのホントフリーランスでも国民年金って払わないとダメですか?

公開日:2020-07-16

会社勤めをしている時には、会社が年金関係の手続きを代行してくれます。しかしフリーランスになると、そうはいきません。そこで気になるのが、国民年金の支払い。「フリーランスも払わなければいけないの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。そこでこの記事では、年金問題について、フリーランスの目線で解説します。

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「国民年金」はどんな人が加入するの?

日本の年金制度は、2階建ての構造をしています。そのうち1階部分にあたるのが、日本国内に居住している20歳以上、60歳未満の全ての人に加入が義務付けられている「国民年金(基礎年金)」です。
自営業者や農業・漁業の従事者、学生、無職の人など、企業に所属していない人は国民年金の保険料を自分で支払わなければならず、フリーランスの人もこれに該当します。なお国民年金の保険料を自ら納めている人のことを第1号被保険者と呼びます。
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令和2年度(2020年度)の国民年金の保険料は、一ヵ月あたり16,540円
※1です
。受給の開始年齢は原則として65歳以上で、受給に必要な資格期間は、平成29年(2017年)8月までは25年以上とされていましたが、現在は10年以上に短縮されました※2

※1 日本年金機構 国民年金保険料

※2 日本年金機構 必要な資格期間

「厚生年金」や「企業年金」って何?

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一方、2階部分に相当するのが「厚生年金」です。厚生年金は国民年金に上乗せされる公的年金で、会社員や公務員などが加入します。保険料の徴収と納付は、会社員であれば会社が、公務員であれば国や自治体が行います。保険料は給料から天引きされるため、被保険者には納付の手間がかかりません。
厚生年金の保険料は、給与や賞与の金額をもとに算出します。基本的にはその年の4月~6月の報酬月額をもとに計算され、毎年9月に決定されます。この決定後に給与の額が大きく変わった場合、保険料は随時改定されますが、基本的にはその年の9月~翌年8月までは同一の保険料が適用されます。納付額は、給与額に保険料率の18.3%
※3をかけて算出されます。また、厚生年金の負担は労使の折半で、被保険者と事業主が半分ずつ負担しているのも特徴です。

※3 日本年金機構 厚生年金保険の保険料


ちなみに平成27年(2015年)10月まで、公務員は共済年金という別枠の年金制度に属していましたが、現在は厚生年金に一元化されています。

厚生年金に加入している人は、国民年金の第2号被保険者と呼ばれます。第2号被保険者の国民年金保険料は厚生年金の保険料に含まれているため、自分で支払う必要がありません。
また、専業主婦など第2号被保険者に扶養されている配偶者は第3号被保険者と呼ばれます。第3号被保険者も自ら国民年金の保険料を払う必要がありませんが、これは第2号被保険者の加入する厚生年金でまとめて保険料を負担しているためです。
一方の「企業年金」とは、国民年金や厚生年金などの公的年金に上積みされる私的年金です。2階建ての公的年金に3階部分を建て増すイメージをすると分かりやすいかもしれません。企業年金は、一般的に財政に余裕のある企業が、退職者の豊かな老後を支援する目的で運営するものです。
企業年金を設立するかどうかはそれぞれの企業の判断に委ねられており、会社員全員が加入しているわけではありません。掛け金は企業が負担するタイプと従業員が拠出するタイプとがあり、両者のどちらが運用を行うのかや、運用の方法は企業によってさまざまです。企業の業績が悪化したり資金運用が予定通りにいかなかったりすると、給付金が減額されたり制度自体が終了したりする可能性もあります。

フリーランスの老後の不安を解消!年金を上乗せする方法とは?

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私的年金に加入していない限り、フリーランスの人は基本的に国民年金しか受け取ることができません。国民年金だけを40年間納めたとした場合、もらえる年金は月額約6万5000円。単純計算をすれば夫婦2人で約13万円です。一方、会社員の夫が平均的な収入(賞与を含めた収入が月額換算で43.9万円)で40年間働き、妻が専業主婦だった場合、支給される年金は一ヵ月あたり夫婦で約22万円※4です。

※4 日本年金機構 令和2年4月分からの年金額等について

 

このように、フリーランスと会社員とでは、受け取れる年金の額に大きな差があることがわかります。それでは、老後に手にすることのできる年金を少しでも増やすには、どのような方法があるのでしょうか。

付加年金

「付加年金」とは、毎月支払う国民年金の保険料に400円をプラスすることで、将来の年金の受給額を増やせる制度のことです。付加年金に加入すると、「200円×納付月数」がその年の支給額に上乗せされます。例えば40年間(480月)、付加年金の保険料を納めたとすると、計算式は「200円×480=96,000」で、毎年9万6000円分多く年金をもらえることになります。支払総額は「400円×480=192,000」、つまり19万2000円ですので、給付開始から2年が過ぎれば元を取れる計算※5です。

※5 日本年金機構 付加保険料の納付のご案内

 

国民年金基金

国民年金基金は、厚生年金を受け取れる人との年金格差を解消するために設立された制度です。加入できるのは国民年金の第1号被保険者や、国民年金に加入している60歳以上65歳未満の人などで、これに加入することで厚生年金の加入者と同様、公的年金を2階建て構造にすることができます。掛け金の金額は最初に自分で決定し、都合に応じて後から増減することも可能です。将来もらえる年金の額は、加入前にあらかじめシミュレーションすることができます。また、掛け金の全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税などの税金が軽減されるのも特徴です。
 

個人型確定拠出年金

「iDeCo(イデコ)」の愛称で知られる私的年金の一種です。20歳以上、60歳未満の全ての人が加入でき、掛け金の設定から拠出、運用までを加入者が自ら行います。掛け金の運用方法は定期預金や保険、投資信託などから選ぶことができ、積み立てた掛け金とその運用によって得られた収益の合計が給付として受け取ることのできる金額です。ただし60歳までは原則、掛け金も運用の利益も引き出すことができません。
 

個人年金保険

「個人年金保険」は、民間の保険会社が販売している保険商品で、老後資金が不足するリスクに備え、任意で加入する私的年金です。年金としての目的に加え、資産の運用や死亡時の保障といった機能を合わせ持っているのが大きな特徴で、年金の受け取り方には、被保険者が死亡しても年金を受け取れる「確定年金」、被保険者が死亡してから一定期間までは年金の受け取りが可能な「終身年金」、被保険者が死亡すると年金が受け取れなくなる「有期年金」など、いくつかの種類があります。また、将来に受け取れる金額が確定しているタイプと、運用実績に基づいて年金の額が変動するタイプの2種類があります。iDeCoと異なり途中解約も可能ですが、その場合は積み立てた保険料の総額よりも受け取れる金額が少なくなる可能性があるため注意が必要です。


会社員よりももらえる年金が少ないフリーランスにとって、老後資金の準備は悩ましい問題です。平均寿命が延びる中、国民年金だけでは生活に十分とは言い難いのが実情。長生きのリスクに備えるためには、貯蓄だけでなく、国民年金基金やiDeCoなどの私的年金を上手く活用していく必要があります。将来の不安を少しでも解消できるよう、できることから少しずつ備えてみましょう。

 

執筆者情報
みんかぶ保険クルーS

みんかぶ保険クルーS
  老後がそろそろ気になるアラフィフです。明るい老後に向けて気になることをまとめていきます。


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