サラリーマンや公務員の妻で、働いていない、もしくは夫の扶養範囲内で働いている人は、自分で年金保険料を納める必要はありません。しかし、自分で一定額の年金を納めていない分、「将来年金はいくらもらえるのか?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。ここでは、専業主婦の年金受給額や年金を増やす方法を紹介します。 公的年金制度の仕組み専業主婦が、いくら年金をもらえるのかを知るために、まずは現在の公的年金の仕組みについて確認してみましょう。 国民年金とは日本は「国民皆年金」であるため、日本国内に住所があるすべての人が加入しなければなりません。 公的年金は2種類公的年金には「国民年金」のほかに「厚生年金」があります。厚生年金は第2号被保険者が加入しているもので、国民年金に上乗せするかたちで厚生年金の保険料も支払っているため、将来受け取る年金額が多くなります。かつて公的年金は3種類あり、共済年金という公務員や私立学校の教員が加入するものがありましたが、平成27年から厚生年金制度へ一元化され、現在は同じ仕組みのもとで運用されています。 専業主婦の年金受給額はいくら?ここまで、公的年金の仕組みを解説し専業主婦は国民年金加入者の「第3号被保険者」であることがわかりました。次に、将来受け取れる年金の額について説明していきます。 受給開始は原則65歳日本は、国民全員が年金に加入する仕組みとなっていますので、保険料をきちんと納めていれば原則65歳になると受給できるようになります。第1被保険者・第3被保険者は「老齢基礎年金」を、第2被保険者は「老齢基礎年金+老齢厚生年金」を受け取れます。 国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額国民年金(老齢基礎年金)の受給額は、物価変動率や賃金変動率によって毎年見直されます。厚生労働省が令和2年に発表した資料によると、令和元年度の国民年金の受給額は、満額で月65,008円となっています。満額とは、40年間すべての保険料を納めた場合の金額です。納付していなかった期間や免除されていた期間があった場合は、その期間に応じて受給額が減少します。 専業主婦でも年金を増やす方法とは?第3号被保険者となる専業主婦は国民年金の保険料を自分で納付しなくても老後に年金を受け取れます。しかし、サラリーマンや公務員と違って厚生年金には加入できないため、受給額だけで老後の生活を送っていくのには不安を感じる方も多いでしょう。そこで、専業主婦でも年金受給額を増やす方法を紹介します。 国民年金の任意加入制度を利用65歳からの受給額を増やすために、国は「任意加入制度」を設けています。加入は「日本国内に住所がある60 歳以上65 歳未満」で、「国民年金(老齢基礎年金)の繰上げ支給を受けていない」「20 歳以上 60 歳未満までの保険料の納付月数が 480 月(40 年)未満」「 厚生年金保険に加入していない」が条件となります。これらは万が一の際の障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることができるメリットもあります。 受給開始を繰り下げる通常、国民年金の受給は65歳になったときから始まりますが、繰り下げ請求をして遅らせることもできます。受給開始時期を遅らせることによって、受け取れる金額が増加します。増額率は繰り下げ請求を行う月によって異なり、65歳に達した月から申出前月までの月数に応じて1カ月ごとに0.7%ずつ高くなります。 個人年金保険に加入する国民年金だけでは不安だという場合、民間の生命保険会社の「個人年金保険」に加入するという選択肢があります。個人年金保険は、国民年金と同じように、定められた保険料を納めることで年金または一時金という形で保険金を受け取れる仕組みです。 まとめ専業主婦は「第3被保険者」に該当し、65歳を迎えれば国民年金が受給できることが分かりました。しかし将来のためにより多く備えておきたいと考える方も多いでしょう。そんな方のためにさまざまな年金を増やせる仕組みがありますので自分自身にあった方法を検討してみてください。夫が安心して仕事に専念できるのは、家庭を守ってくれる専業主婦の方々がいてくれるからこそであり逆もまた然りです。そんな配偶者の方々が安心できる保険を一緒に考えてみませんか? 記事内容は執筆時点(2020年07月)のものです。最新の内容をご確認ください。 |