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賞与の使い道って何が正解か?“今”の消費か“将来”への貯蓄か

公開日:2020-03-04 (更新日:2020-09-30)

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<写真=photo-ac.com>

 

普段の給与とは別に支給される賞与をどのように使うべきか考えたことがあるでしょうか。一生懸命働いて得た報酬なので好きなことに使うのが大前提ですが、将来のことを考えるとお金を残しておきたい気持ちもありますよね。
 

本記事では調査をもとに、他の人がどんなことに賞与を使っているのかを紹介するとともに、将来のためにいくら準備しておくとよいかを、お金の専門家である筆者があらゆる視点からわかりやすく解説します。

1. 賞与が入ったらどうする?

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株式会社ロイヤリティ マーケティングが、2019年にPontaリサーチで実施した第37回 Ponta消費意識調査によると、賞与の使い道で最も多かったのが「貯金・預金40.5%)」でした。

 

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※「ポンタリサーチ」より引用

 

筆者としては、自分へのご褒美として賞与を使っている人が多いイメージがあっただけに、意外と堅実な人が多くて驚きました。また、賞与は毎月の給与とは別に支給されることもあり、元々なかったものとして考えている人が多いのではと推測します。

2位・3位には、「旅行宿泊を伴うもの、11.3%)」「外食食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店、5.6%)」が続き、モノの消費よりもサービスにお金を使う人が増えている印象です。
 

2. 将来に向けてのどのような備えをすべきか

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賞与の使い道では「貯金・預金」が1位でしたが、貯蓄をする際には使い道を明確にすることが大切です。貯蓄をする目的がないといつまで経っても貯蓄を終えることができず、お金を使うことが億劫になってしまうからです。なんのために貯蓄をしているのかを明確にしておくことは、自分がお金を気持ちよく使うために必要な思考です。
 

もしあなたが将来に備えて資金を準備したいと考えているなら、人生三大資金を意識することをおすすめします。人生三大資金とは、教育資金・住宅取得資金・老後資金のこと。ライフイベントのなかでも、特に多額の資金が必要となる3つのイベントにかかる費用です。
 

将来に向けて貯蓄を行うのであれば、人生三大資金のデータをもとに資金を準備するとよいでしょう。ただし平均的な費用とこれから本当に必要となる費用とでは異なる場合があるので、平均的なデータはあくまで目安として活用することをおすすめします。
 

2-1. 教育資金はいくら必要?

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※文部科学省『平成28年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)』・『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』の標準額に基づく額を設定し、筆者作成

 

まずは教育資金です。一般的には幼稚園から大学卒業までに1000万円ほどの資金が必要だといわれていますが、全て公立の学校に通う場合と全て私立の学校に通う場合では大きく費用が異なります。
 

高校までの学費でみてみると、全て公立の学校に通った場合は約540万円ですが、全て私立の学校に通った場合には約1770万円が必要になります。さらに大学まで進学する場合は、(文系と理系のどちらの学部を選ぶかによりますが)約240~520万円ほどの資金が必要です。夫婦や子供と進路のはなしをしながら、教育資金に必要な金額を準備していくとよいでしょう。
 

2-2. 住宅取得資金はいくら必要?

住宅取得資金については、どんな住宅を購入するかによって必要な資金が異なります。住宅金融支援機構が2017年に公表したフラット35利用者調査をもとにした平均的な予算から、自分たちが理想とする住宅の購入資金を準備しておくとよいでしょう。
 

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2-3. 老後資金はいくら必要?

老後資金を準備する際には、夫婦で2000万円を“目安”として準備するとよいでしょう。総務省が2017年に実施した家計調査報告家計収支編)」によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の消費支出は、26.5万円という調査結果が得られました。
 

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また、ずっと同じ生活水準を保つことを想定(なお死亡年齢は平均余命年齢を想定して、夫は84歳で死去すると仮定)して生活費を計算すると、年金の支給額よりも生活費のほうが2400万円多く必要になります。
 

これからのために少しずつでも貯蓄・投資していくことが、人生三大資金を準備する堅実な方法ですので、そのために意識したい方法をこれからお伝えしますね。どれも運用が上手くいけば、貯蓄だけで資金を準備するより利率が良いものばかりですので、これから始めてみてはいかがでしょうか。
 

3. 目的に応じて変わる将来への備え

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将来の資金を準備する場合は、貯蓄だけではなく投資と併用することをおすすめします。長い時間をかけて資金を準備するので、時間をかけてお金を運用する「投資」と相性がいいからです。投資に慣れていない人は、貯蓄50%:投資50%または貯蓄75%:投資25%のように自分が納得できる割合で投資を始めてみるとよいでしょう。
 

今回は誰でもお金をが運用できる方法を3つご紹介します。なお、投資はリスクとリターンが前提ですので、景気の状況によっては損をしてしまう可能性があることをご留意ください。
 

3-1. 養老保険

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まずは生命保険である養老保険からご紹介します。養老保険は、保険料の一部を資産として別勘定にして貯蓄を行う特徴があり、死亡したときには死亡保険金が、満期まで生存していれば満期保険金を受け取ることができる保険です。
 

保険を中途解約した場合でも、今までの保険料積立てた解約返戻金が受け取れることも養老保険の特徴です。ただし、途中解約する時期があまりにも早いと、支払った保険料よりも解約返戻金が安くなり、損をしてしまう場合があるので注意が必要です。生命保険のなかでは保険料が割高なので、収入と支出のバランスを意識しておきたいところです。
 

3-2. 変額保険

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続いては変額保険です。こちらも生命保険ですが、自分が死亡したときや、満期を迎えたときに受け取れる保険金が決まっていない特殊な保険商品です。自分で選んだ運用方法に応じて保険金が運用され、解約返戻金死亡保険金・満期保険金が変動するのが特徴です。保険会社によっては、死亡保険金についての最低保証がされているタイプもあります。
 

3-3. 投資信託

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最後に、投資のプロにお金を預けて代わりに投資をしてもらう投資信託を紹介します。定額もしくはまとまった金額を投資して、そのお金をプロが代わりに運用する仕組みです。
 

投資信託では、あらかじめ決められた投資スタイルの中から自分に合った商品を選ぶことができます。投資商品については、国債や株式など、それぞれ異なる特色を持った商品が用意されています。商品ごとに手数料や運用手法が異なるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
 

4. 賞与なんだから自分の好きなことに使うのがいいのだが。。。

ここまで多額の資金が必要なライフイベントのことや、資金を準備する方法についてお伝えしてきましたが、自分で稼いだお金なら好きなことに使えばいいというのが正直な感想です。特に賞与は、決まった時期にしか支給されない特別な報酬ですから。
 

とはいえ、いまのことだけを考えてお金を使っていると、これからお金が必要な場面で苦労するかもしれません。そうならないためにも、毎月少しずつでいいので将来のために資金を準備しておきたいところです。
 

給与のなかから計画的に資金を準備するクセをつけて、賞与は好きなことに使える余裕があるといいですよね。貯蓄なんてださい、と厭わないでください。資金をきちんと準備できる人は堅実でスマートだと思います。

 

記事内容は執筆時点(2020年03月)のものです。最新の内容をご確認ください。

 

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執筆者情報

中西 雅也

中西 雅也
酒井FP綜合事務所 ファイナンシャル・プランナー 1994年生まれ。「明日から使える知識をお届けすること」をモットーに、手帳を使った人生設計の方法や、初心者向けのお金勉強会を開催している。
<保有資格>
2級FP技能士、AFP(日本FP協会認定)