変わりゆく自動車保険から見るニーズの変化

著者:和 秀哉

監修:

生野 佳澄

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / トータル・ライフ・コンサルタント / フィナンシャル・エージェンシー所属

現在の自動車保険

普段自動車事故についてなかなか考えることもないと思いますが、何気なくテレビを見ていると、「自動車事故の時にはすぐに連絡を。いつでも駆けつけます。」「お相手の方との交渉もお任せください。」「無事故なら保険料も安くなります。」等というようなCMを誰もが一度は耳にしたことがあると思います。しかし、自身の自動車保険について補償内容をじっくり見る機会は少ないのではないでしょうか?

自動車保険には大きく分けて2つの補償があるので、簡単にご紹介します。

自動車保険は万が一の事故の時に、当事者であるドライバーの金銭的負担を軽くし、また被害を受けた側も迅速にお金を受け取れるようにするという重要な役割を担っているのです。しかし近年、人間の代わりにシステムが車を動かす「自動運転」の技術が開発され、自動車保険の仕組みも変わろうとしています。自動運転はどのように自動車保険に変化をもたらすのでしょうか?

自動運転と今後の自動車保険

日本では、自動運転の程度に応じてレベル0(運転支援・自動化なし)~ レベル5(完全運転自動化)の6段階に分類されます。

現在、レベル5の実現はまだまだですが、アクセルを踏まなくても一定の速度を保ったり、自動ブレーキによって衝突を防いだりするなど、レベル1(運転支援)~ 2(部分運転自動化)のシステムが既に導入され始めています。政府の見立てでは今後2025年を目途に、高速道路などの限定的な領域の下でシステムが運転を行うレベル4(高度運転自動化)の実用化が期待されています。

このような技術の普及によって、人間がシステムに運転を委ねる割合が増えることで、私たちの生活はより便利なものになります。世界的な調査結果では交通事故の9割は人が原因ともいわれていることから事故率も下がることになるでしょう。

しかしながら、事故が全くなくなるわけではありません。自動車事故が発生した場合、事故の原因となった車のドライバーがその責任を負います。ではシステムによる完全な自動運転が実現した車が、何らかのトラブルで事故を起こしてしまった場合、本来ドライバーが負うはずの責任は誰が負うことになるのでしょうか?

この責任問題は、自動車保険の仕組みを根本から覆すことになります。

今後自動運転が当たり前になれば、自動車保険は個人向けのものからシステムを開発した自動車メーカー向けへと変わることが予測されています。既にアメリカのミシガン州では、運転システムに過失がある場合、自動車メーカーに責任を負わせる法律が2016年11月に成立しており、その他の国でも、同様の法律を検討する動きが見られます。

時代と共に変化する保険

自動車保険に限らず、保険は医療の進歩や医療制度の改正に合わせて変化していきます。

もちろん弊社でも、時代の流れに合わせて取り扱い商品が変わっています。ここまでお話させていただきましたが、時代の流れと共に、個人が掛ける自動車保険の保険料は小さくなっていくかもしれません。それは自動車保険に限らず、すべての保険種類に言えることです。「今持っている保険」は、「今のあなた」のニーズに最適で、保険料に見合った保障内容で準備ができているでしょうか?

今の医療事情に合わせた保障にすれば無駄がなく、保険料も下げられるかもしれません。昔加入したまま放置していたり、どのような保障内容だったか覚えていないということがあれば、今一度ご相談してみてはいかかでしょうか?

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和 秀哉

3級ファイナンシャル・プランニング技能士
保険業界で8年以上の経験を持ち、深い専門知識と豊富な実務経験を活かして、お客様のニーズに合わせたライフプランの策定と提案を行っています。さらに、管理職としての経験もあり、チームの人材育成に注力。お客様一人ひとりに最適な解決策を提供できるよう、プロフェッショナルなライフプランナーを育成してきました。

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