2025年1月より、大手保険会社4社をはじめ、各社が自動車保険の保険料を値上げをしました。
と疑問に思う人も多いはず。
この記事では、保険料の値上げが開始される時期や理由、対策について、わかりやすく解説していきます。
- 2025年1月1日以降に保険契約が始まる、または更新される契約が値上げの対象
- 主な理由としては「修理費の高騰」や「自然災害の増加」
- 型式別料率クラスの拡大により、軽自動車の保険料はさらに大きく値上がりする可能性がある
- 保険の契約内容を見直したり割引制度を活用したりして対策しよう
自動車保険料はいつからいくら値上がりした?
自動車保険の保険料は、2025年の1月から値上がりしました。車をお持ちの方にとっては、家計にも影響する重要なニュースですね。
一体どのくらい、そしてなぜ値上げされたのか、不安や疑問を感じている方もいるのではないでしょうか?
まずは自動車保険料の値上がりについて全体像を掴むべく、基本的な情報を紐解いていきましょう。
2025年1月に大手損保会社4社をはじめ各社の自動車保険料が値上げ
大手損保4社をはじめ各社による保険料値上がりについて理解する上で、重要なポイントは
値上げの時期と対象範囲
対象となる保険の種類
値上げ幅
の3点です。
まず値上げの時期ですが、各社とも2025年1月からと足並みを揃えています。つまり2025年1月1日以降に保険契約が始まる、または更新される契約が対象です。
次に値上げの対象となる保険の種類についてですが、対象となるのは「自動車保険」全般です。自動車保険にはさまざまな補償が含まれます。しかし例外なく、どの補償を付帯していても保険料が値上がりしてしまいます。
最後に値上げ幅についてです。損害保険料率算出機構が2024年6月28日に算出した「参考純率」を見てみると、平均で5.7%の引き上げになりました。ただし、実際の値上がり幅は保険会社や契約内容によって異なります。
自動車保険が値上がりする理由は?
値上げの時期や金額についてお伝えしましたが、そもそもなぜ保険料が値上がりするのか、気になる人も多いのではないでしょうか?
自動車保険が値上がりする理由として、主に以下の2つが挙げられます。
修理費用が高くなっているから
自然災害が増えているから
保険会社が自社の利益のために値上げをするわけではなく、むしろ「値上げせざるを得ない」理由があると考えられます。それぞれの理由について、ひとつずつ詳しく解説していきます。
自動車の修理費用が高くなっているから
ご自身の車を修理に出したことがある人の中には
と感じた人もいらっしゃるかもしれません。実際、自動車の修理費は以前と比べて高くなっています。これが保険料値上がりの最も大きな理由でしょう。
車を修理するために車両保険を使う場合、保険会社が自動車整備業者と修理内容や費用について協議するケースが多いです。しかし修理にかかる費用が高くなってきており、保険会社も整備業者に支払う工賃を2024年に引き上げました。
企業名 | 24年度 上昇率 | 23年度 |
---|---|---|
東京海上日動 | 3.98% | 4.1%(理論値) |
損保ジャパン | 5.6% | 2.1% |
三井住友海上 | 約5% | 2.2% |
あいおいニッセイ | 5.6% | 2.5% |
日本経済新聞:損保4社、車修理工賃平均5%上げ 整備業の人件費上昇で
修理費が高くなっている理由としては、以下のようなものが考えられます。
値上げ理由 | 内容 |
---|---|
安全装備の高度化 | 自動ブレーキやオートライトなどの安全装備が高度化するにつれ、必要な部品や修理内容も複雑化している |
部品価格の上昇 | 円安や原材料費・エネルギー費の高騰などにより、同じ種類の部品でも以前より価格が高くなっている |
上記のように、さまざまな要因が複合的に絡み合い、部品価格を押し上げ、結果として修理費用全体を高騰させているのです。
豪雨や豪雪自然災害が増えているから
2つ目の理由は、「自然災害が増えていること」です。
近年、日本各地で台風や豪雨、大雪など自然災害が頻発しています。その結果、私たちの生活だけでなく、自動車保険も大きな影響を受けているのです。
自然災害によって自動車が損害を受けると、多くの人が「車両保険」を利用します。自然災害が増加すると、車両保険の利用件数も増加し、保険会社が支払う保険金も増えてしまいます。
増加する保険金支払いに備えるために、保険会社は保険料を値上げしなければなりません。
軽自動車の保険料はさらに大きく値上がりする可能性も
ここまでご紹介してきたような値上げに加え、軽自動車の自動車保険料はさらに高くなる可能性があります。その理由は、型式別料率クラスが拡大するからです。
と考える人も多いはず。軽自動車の保険料がどう変わるのかについて、詳しく解説していきます。
型式別料率クラスとは車の型式ごとに設定される保険料の区分け
まずは型式別料率クラスとはどのようなものかについて、簡単に解説していきます。
型式別料率クラスとは、車の「型式」ごとに、事故のリスクを評価し、保険料を区分けするための仕組みです。「型式」とは、車の設計や構造などの基本的な情報を示すもので、車検証やカタログなどに記載されています。
型式別料率クラスは、
対人賠償保険
対物賠償保険
人身傷害保険
車両保険
の4つの項目ごとに、数字でクラス分けされています。事故のリスクが高いほど数字も大きくなり、保険料が割高に設定されるという仕組みです。
型式別料率クラスは、1年に1回見直されます。過去の事故データに基づいて、事故が多い型式はクラスが上がり、保険料も割高に変更されます。逆に事故が少ない型式はクラスが下がり、保険料も安くなるのが一般的です。
軽自動車の型式別料率クラスが3段階から7段階に拡大
2025年の1月より、軽自動車の型式別料率クラスが3段階から7段階に拡大されました。そのため車の型式によっては、これまで以上に保険料が割高に設定されてしまう可能性があります。
すべての車が値上がりするわけではありませんが、これまで1.2倍だった保険料の差は1.7倍に広がってしまいます。
ご自身の車がどのクラスに該当するか、気になる人は「損害保険料率算出機構」のサイトで検索してみましょう。
自動車保険の値上げで損をしない為の対策
自動車保険の値上げは避けられなくても、家計へのダメージを少しでも減らせないか気になるところですよね。契約内容や工夫次第では、保険料の負担を軽減できるかもしれません。
この章では、自動車保険の値上げで損をしないための具体的な対策として、以下の4つを詳しく解説していきます。
運転者限定や年齢条件を見直す
車両保険の免責金額を引き上げる
割引制度を活用する
保険会社を乗り換える
上記の対策を実践することで、事故や損害にしっかり備えつつ、保険料を抑えられます。それぞれより具体的に見ていきましょう。
運転者限定や年齢条件を見直す
まずは「運転者限定」や「年齢条件」を見直してみましょう。
「運転者限定」とは、その名の通り、補償の対象となる運転者を限定する仕組みです。例えば「運転するのは自分だけ」「夫婦のみ」といったように適用範囲を狭めるほど、保険料が割安になります。
一方「年齢条件」は、運転者の年齢に制限を設けるものです。「26歳以上補償」「35歳以上補償」のように、補償される運転者の最低年齢を高く設定するほど、保険料は安くなります。
契約内容によっては、上記のように運転者や年齢を設定するだけで保険料が抑えられるでしょう。
ただし設定を誤ると、万が一の際に補償が受けられなくなるリスクもあります。運転者の範囲や年齢条件をクリアしていない人が事故を起こしてしまっても、保険金やその他サービスは一切受けられません。
ご自身の車の利用状況に合わせて、適切な範囲を決めましょう。
https://ins.minkabu.jp/columns/insurance-age-rules
車両保険の免責金額を引き上げる
自動車保険の中でも「車両保険」は、保険料に占める割合が大きいです。そのため「免責金額」を設定し、車両保険の保険料を抑えるのも有効な手段のひとつです。
免責金額とは、簡単に言うと「自己負担額」のこと。車両保険を使って車の修理をする際に、契約者自身が負担しなければならない金額を指します。
免責金額を高く設定すればするほど、月々の保険料は安くなります。そのため、免責金額を設定していないのであれば、改めて見直してみるのがおすすめです。
ただし、
とすぐに決めてしまうのはおすすめしません。
つまり、免責金額の設定は「保険料の負担」と「事故時の自己負担額」とのバランスをどう取るか、というトレードオフの関係にあるのです。
そのような免責金額の仕組みを理解した上で、ご自身の経済状況やリスクに対する考え方に応じて適切に設定しましょう。
https://ins.minkabu.jp/columns/unnecessary-vehicle-insurance-230303
割引制度を活用する
多くの保険会社では、事故リスクが低いと判断される契約者や、特定の条件を満たす契約者に対して、保険料の割引制度を用意しています。
「自分には関係ないだろう」と思わずに、どのような割引があるのかを知っておくのが大切です。意外な割引制度が適用され、保険料がグッと安くなる可能性もあります。
では、どのような割引制度が利用できるのでしょうか?あくまで例にはなりますが、以下のようなものが挙げられます。
割引制度の名称 | 概要・適用条件(例) |
---|---|
安全運転割引 | 過去の契約期間中に事故を起こさず、等級が上がると適用される。 |
ゴールド免許割引 | 運転免許証の色がゴールド(優良運転者)の場合に適用される。 |
走行距離割引 | 年間の予想走行距離が、保険会社の定める基準より短い場合に適用される。 |
エコカー割引 | 電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)など、環境性能に優れた車に適用される。 |
新車割引 | 新車(初度登録年月から一定期間内)の場合に適用される。 |
インターネット割引 | インターネット経由で保険契約を申し込んだ場合に適用される。 |
証券不発行割引 | 保険証券を紙で受け取らず、Webサイト上で確認する場合に適用される。 |
複数台割引 | 2台以上の車を同じ保険会社で契約する場合に適用される。 |
早期契約割引 | 保険の満期日より一定期間早く契約手続きを完了した場合に適用される。 |
ASV割引 | 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)など、先進安全技術を搭載した車に適用される。 |
具体的な割引制度の種類や内容は保険会社により異なりますが、さまざまな種類がありますね。まずは契約中の保険会社にて、どんな割引制度が使えるかチェックしてみましょう。
保険会社を乗り換える
思い切って保険会社を乗り換えてみるのも、場合によってはおすすめです。
保険会社を乗り換えたからと言って、保険料が必ずしも安くなるわけではありません。ただし同様の補償内容でも、保険料がより安い保険会社が見つかる可能性もあります。
自動車保険の保険料やサービス内容は、保険会社によって異なります。特にチェックすべきなのが、代理店を介さずにインターネットや電話で直接契約できる「ネット型」の自動車保険。
ネット型の自動車保険なら、人件費や店舗運営コストを抑えられる分、代理店型の保険会社に比べて保険料が割安になる傾向があります。
ネット型自動車保険 | 代理店型自動車保険 | |
---|---|---|
契約方法 | オンライン完結 | 書面にて契約 |
保険料 | 割安 | 割高 |
補償内容 | 大きな違いなし | |
保険料事故 サポート体制 | 対面でのサポートは不可 ※事故対応やロードサービスは商品によって異なる | 対面でのサポートも可 ※事故対応やロードサービスは商品によって異なる |
手続きの簡便性保険料 | 簡単 | 書面に記入する手間がかかる |
またネット型かどうかに関わらず、保険料は保険会社により異なります。割引制度も、保険会社ごとにさまざま。各保険会社の情報を細かくチェックしていけば、よりベストな保険会社が見つかるかもしれません。
https://ins.minkabu.jp/columns/car-insurance-change-221014
ベストな保険会社を探すなら保険のプロに無料で相談しよう
とはいえ、保険会社は数も多いですし、補償の手厚さや対象範囲などを決めるのも難しいですよね。面倒に感じるあまり、つい後回しにしてしまいがち。
だからこそ、保険を探す際は「保険のプロ」に頼るのがおすすめです。みんかぶ保険では、保険の知識を豊富に持つ専門スタッフに、無料で何度も相談できます。
どうやって補償を決めればいいかわからない人でも、保険のプロから丁寧なアドバイスを受けられます。保険料を比較したい場合も、各社の見積もりを一括で取得可能!すぐに保険料を比べられるため、かかる手間や時間も大きく減らせるでしょう。
そのような心配も一切必要ありません。お好きなタイミングで、保険について自由に相談できます。
自動車保険を乗り換える場合は空白期間を作らないよう気をつけよう
自動車保険を乗り換える際は、気をつけるべきポイントがあります。
ただし最も注意すべきポイントは、保険期間に空白を作らないこと。
空白期間を作ってしまうと、その間は補償の対象外です。もし事故を起こしてしまうと、自賠責保険でカバーしきれない分の費用(修理費や損害賠償費など)はすべて自己負担となってしまいます。
また忘れてはならないのが、ご自身の「等級」。1年間無事故であれば翌年の等級がひとつ上がり、数字が大きいほど保険料が安くなるという仕組みです。
保険会社を変えても、等級は原則として引き継がれます。しかし、前の保険を解約してから8日以上が経過してしまうと、等級はリセットされてしまう可能性があります。6等級からの再スタートとなり、保険料が大幅に上がってしまう恐れがあるのです。
乗り換え時には、空白期間ができないよう計画的に手続きを進めましょう。
と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時に頼りになるのが「中断証明書」です。保険解約時の等級が7等級以上あるなど一定の条件を満たせば、保険会社に申請することで発行してもらえます。
中断証明書があれば、等級をスムーズに引き継ぎ可能です。
https://ins.minkabu.jp/columns/car-insurance-change-221014
まとめ
この記事では、自動車保険の値上がりに関する情報や対策方法についてご紹介してきました。
今回、複数の保険会社が値上げを発表したため、その影響を避けられない人もいらっしゃいますよね。契約内容を見直したり、割引制度を活用したりして、少しでも保険料を抑えるための対策を検討してみましょう。
という人は、まずは保険のプロに相談してみるのがおすすめ。無料で何度でも相談できるため、好きなタイミングで気軽にご利用いただけます。