高級車やスポーツカーを購入し、自動車保険に入ろうとしたら車両保険に入れず困った。そんな経験はありませんか?
そんな方に、高級車の車両保険の課題と解決策をご紹介します。
高級車の車両保険への加入が難しい3つのケース
高級車やスポーツカーの車両保険への加入が難しいケースは主に3つです。
1.車両保険金額が1000万円を超えている
高級車はその価値が高いため、修理費や部品の交換費用がどうしても高くなります。特に輸入車(外車)や限定モデルの場合、特殊なパーツや技術が必要になり、費用がさらにかさむことがよくあります。
また、盗難リスクも保険料に影響します。最近では防犯システムの進化により、全体的な高級車の盗難リスクは低くなっていますが、レクサスやランドクルーザー(ランクル)などの国産高級車は海外での需要が高いため、盗難されやすい傾向があります。
https://ins.minkabu.jp/columns/car-theft-insurance-230515
その結果、高級車の保険金額は高くなりやすく、特に1,000万円を超える保険金額になると、保険会社もリスクが大きすぎると判断して加入を断るケースがあるようです。
2.初年度登録から15~20年を超えている
初年度登録からおよそ15~20年を超えると、部品の調達が難しくなるなど修理費用が不確定になる要素が増えます。こうしたリスクから、保険会社は古い車両に対して慎重になり、特に18年以上経過した車は新規加入を断られるケースが多くなります。
3.型式別料率クラスが高い
型式別料率クラスは、車種ごとの事故率や修理費に基づいて決定されます。高級車やスポーツカーはユーザー層や性能、修理コストの高さから、高ランクに分類されることが多く、保険料が高額になります。保険会社によっては、型式別料率クラスが上限の17に近い車種の場合、リスクを避けるため車両保険への加入を断ることがあります。
型式別料率クラスとは?車両保険との関係性
「型式別料率クラス」とは、車種ごとの事故頻度や被害規模に基づいて、保険リスクを数値化した指標です。損害保険料率算出機構によって毎年決定され、保険会社はこの指標を用いて車両保険の保険料を算出します。
型式別料率クラスは1から17まであり、数字が大きいほど事故リスクが高いとされ、保険料も高くなります。普通乗用車と小型乗用車は1から17、軽自動車は1から3のクラスに分類されます(貨物車は対象外)。
事故の発生頻度や被害の大きさは、車の形状、構造、安全装備、さらにはユーザー層によって異なる傾向があります。
高級車やスポーツカーは、型式別料率クラス15以上に分類されることが多く、保険料が高額になる傾向にあります。
各クラス間の保険料率の差は約1.1倍で、最も安いクラスと最も高いクラスの間では約4.3倍の保険料差があります。
https://ins.minkabu.jp/columns/vehicle-insurance-221210
※2024年9月20日現在
車両保険に加入しにくい車種の特徴
車両保険に加入できない、または加入が難しい車種には、以下のような共通点があります。
外車(ベンツ、ポルシェ、BMW、アウディなどの上位モデル)
スポーツカー(GR86、GT-R、フェアレディZ、ロードスターなど)
初年度登録から18年以上経過した旧車や希少車
並行輸入車の一部
改造車
これらの車種は、型式別料率クラスが高いだけでなく、修理可能な技術者の不足や部品調達の難しさといった理由から、保険会社にとってリスクが高くなります。そのため、ダイレクト型自動車保険では加入が断られるケースが多く見られます。
車両保険に加入しにくい車種一例
こちらは、ダイレクト型の自動車保険で車両保険に加入しにくい車種の一例です。
メーカー |
車種 |
型式 |
料率クラス |
メルセデス・ベンツ |
メルセデス・ベンツ Sクラス |
C7 |
17 |
レクサス |
レクサス LS |
LS500h |
15 |
ポルシェ |
ポルシェ 911 |
4V1 |
17 |
アウディ |
アウディ R8 |
X152 |
15 |
ジャガー |
ジャガー Fタイプ |
L663 |
17 |
※2024年9月20日時点の情報です。
※代理店型での加入を保証するものではありません。また、ダイレクト型でも保険会社によって加入できる場合があります。
※損害保険料率算出機構サイトをもとに、当社が独自に調査・分析した結果です。
代理店型自動車保険なら車両保険に加入可能できるケースがある
高級車やスポーツカー、改造車など、ダイレクト型自動車保険では車両保険の加入が難しい車種でも、代理店型自動車保険であれば加入できる可能性があります。代理店型保険は、個別のリスクに応じて柔軟な条件で引き受けることができるため、ダイレクト型よりも対応の幅が広いのが特徴です。
例えば、高級車や希少車であっても、修理やメンテナンス体制が整っている場合や、普段から車両を丁寧に管理していることが証明できれば、代理店型保険での加入が可能になることがあります。
代理店型の大きなメリットは、保険の専門家に直接相談できる点です。契約内容の調整やカスタマイズがしやすく、ダイレクト型で断られても、代理店型でなら加入が認められることもあります。
代理店型自動車保険とは?ダイレクト型との違いと利点
代理店型自動車保険は、保険代理店を通して契約する保険です。ダイレクト型との主な違いは以下の通りです。
自動車保険の代理店型とダイレクト型の違い
特徴 |
代理店型 |
ダイレクト型 |
契約方法 |
保険代理店を通じてメール等活用して契約 |
インターネットや電話で直接契約 |
保険料 |
比較的高い |
比較的安い |
補償内容の選択 |
代理店のアドバイスを受けられる |
自分で選ぶ必要がある |
事故対応 |
代理店を通じた対応も可能 |
電話やウェブでの対応が中心 |
高級車の車両保険 |
比較的 対象車種が多い 個別審査をしてくれる場合も |
対象車種が少ない |
https://ins.minkabu.jp/columns/what-internet-autoins-240311
高級車オーナーが車両保険に入るべき理由
高級車オーナーにとって、車両保険はとても大切です。以下の理由から、保険料を払う価値があります。
1.高額な修理費用をカバー
高級車は部品の品質や修理の技術が一般車よりも高く、修理費が予想以上にかかることがあります。車両保険に加入することで、こうした急な出費にも備えることが可能です。
修理が発生するケースとして多いのが、駐車場や狭い道路での接触事故や、飛び石によるガラスの損傷です。以下のような修理が該当します。
フロントガラス交換
フロントバンパーの交換
ドアの修理や交換
ヘッドライトの交換
エンジン修理
https://ins.minkabu.jp/columns/carinsurance_breakdown_coverage-230608
2. カスタム部品や特殊装備のカバー
保険会社によっては、高価なカスタムパーツや特殊な装備も補償範囲に含めることができ、修理や交換の際の追加費用を軽減します。
3. ブランド価値の維持
高級車ブランドの多くは、認定修理店での修理を推奨しています。車両保険があれば、ブランド指定の高品質な修理を受けやすくなり、車の価値と性能を長期的に維持できます。
まとめ:高級車の車両保険加入の重要性と選び方のポイント
高級車は車両保険をつけられないケースもありますが、保険会社によっては加入できることもあります。
1.代理店型の自動車保険も検討する
ダイレクト型より、代理店型の方が柔軟な対応が可能です。
2.複数の保険会社で見積もりを取る
保険会社によって条件が異なるので、一括見積もりがおすすめです。
この記事を参考に、あなたの愛車に最適な車両保険を見つけてください。