法人保険に加入してから一回も保障内容や保険料について見直しをしたことがないという経営者の方はいませんか?
定期的な見直しをしないと現在の事業・従業員規模と保障にギャップが生まれている可能性も否定できません。
また、法人保険を解約した場合の解約返戻金をどう使うのが良いのかが曖昧な方もいるのではないでしょうか。
解約返戻金の活用を含む「出口戦略」が不確定だと見込んでいた金額が受け取れないかもしれません。
そこで、今回の記事では法人保険の見直しのタイミングと出口戦略の立て方をご説明します。
この記事でわかること
法人保険の主な見直しタイミングは「解約返戻金のピーク・事業規模の変化・税制改正時の3つ」
法人保険の見直しポイントは「解約返戻金の額・会社規模に合った保障になっているか・保険料は利益を圧迫していないか」の3点がメイン
法人保険の見直しタイミングはいつ?2~3年に1回で十分?
主に、法人保険の見直しタイミングは以下の通りです。
ご加入中の保険の解約返戻金がピークに近づいた時
会社の利益が出た時
新規事業の開始や事業規模が変化した時
為替レートが大きく変化した時
税制改正などが発表された時
2~3年など特定の間隔で確認するのではなく、事業規模や会社の変化が起きたタイミング、税制改正が行われたタイミングで見直すことが重要になります。
それぞれのタイミングで、なぜ法人保険を見直す必要が生じるのか確認していきましょう。
解約返戻金がピークを迎えるとき
法人保険は、解約した時に支払った保険料の一部が戻ってきます。これを解約返戻金と言います。
解約返戻金は支払い期間に応じて山なりに推移をしますが、契約によって解約返戻率の上昇幅や下落幅は異なります。
解約返戻率がピークになったタイミングで保険を解約をすることが払込保険料に対しての戻りが最も大きくなります。
しかし、解約返戻金は法人にとっては益金となるため課税対象になるため取り扱いには注意が必要。
ピーク時に全てを解約すると大きな課税価格になってしまうからです。
ですから、解約返戻金を受け取るタイミング、受取方法に関しては「数年に分けて受け取る」といった対策が必要な場合があります。
新規事業を開始するときや事業規模の拡大・縮小をするとき
新規事業の開始時や、事業規模の変更を行う際には、必要資金に変化があるだけでなく、従業員数も変更となる場合がありますよね。
こうしたタイミングで法人保険を見直しておかないと、解約返戻金を有効に活用できなかったり、事業・会社規模にあっていない保障内容のまま契約を続けてしまうリスクが生じます。
解約返戻金の金額も見直しを
解約返戻金は益金として計上されますが、その使い方は自由です。
例えばオフィスの増設などで資金が必要な場合、保険の一部を解約して得た資金を増設費に充てることも可能です。社長や役員の退職金として使用することも可能です。
法人保険の解約返戻金の使用例
増設費
運転資金
社長・役員の退職金
解約返戻金は簿外資産ですから、財務諸表には解約返戻金は計上されません。したがって企業の財務状況に対して影響を与えず、実質的な資産を積み立てられます。
事業規模が変わる際には簿外資産がどれだけ積み立てられているかの確認をしてみましょう。
もし追加で資金が必要と判断した場合には、今加入している法人保険の解約返戻金をその資金繰りに充てることもできます。
また、法人保険を解約すると保障が受けられない期間が生じてしまいます。
ですから、事業関連での変更に伴い、法人保険を解約する際には、乗り換え先の法人保険も合わせて検討する必要があります。
税制などが改正されたとき
2019年に起きた税制改正(通称:バレンタインショック)は法人保険に多大な影響を与え、税制改正前には駆け込み需要が殺到しました。
バレンタインショックに限らず、税制改正が行われることで既に加入している保険に影響を与える場合もあります。
加入済みの法人保険にも影響があるケースもあるため、税制改正が行われる際には加入中の保険に影響がないのか確認しましょう。
法人保険の見直しポイント
法人保険を見直そうにも、どんなところに注目して見直せばよいか分からない経営者の方も多いと思います。
ここでは、法人保険を見直す際にチェックしておきたいポイントをわかりやすく解説します。
解約返戻金の返戻率は十分か
保険料は継続的に支払可能な金額かどうか
事業や従業員規模に合った保障内容になっているか
解約返戻金の返礼率は十分か
解約返戻金は山なりで推移をするため、受け取れる金額を予測することが重要です。加入を考えている法人保険の解約返戻率はいつ最大何%になるのかは入念にチェックしておきましょう。
また、米ドルなど外貨建てで保険を契約している場合は、注意深く確認する必要があります。
例えば、解約返戻金が10000ドルで設定してされていた場合、加入時1ドル=120円であれば円貨での解約返戻金は120万、1ドル=150円であれば150万となるため円で受け取る解約返戻金が為替レートに応じて変動します。
仮に加入時は1ドル120円で、解約時1ドル150だった場合は、加入時の想定よりも1.25倍の解約返戻金を受け取れます。
外貨建ての保険に入っている場合、解約返戻金が十分にたまっているかどうかは為替レートの影響を受けるので注意が必要です。
加入時よりも円高に動いていれば想定以上の解約返戻金が受け取れることになりますから確認がお勧めです。
保険料は継続的に支払可能な金額かどうか
会社が右肩上がりで成長し利益が増えている状況下では利益に応じて課税価格も大きくなります。
必要に応じて法人保険に追加加入をすることで、保険料の一部または全部を損金として参入することが可能です。
一方で利益が出ていない場合や、事業規模を縮小する場合は支払っている保険料を減額することも可能です。
保険の種類によっては一部分のみを解約することが可能で、解約した割合に合わせて解約返戻金を得ることで運転資金調達が可能です。
また保険料負担が軽減されるため会社のコスト削減にも繋がります。
保険料を見直して事業規模に合わせた保障を準備することが事業の継続性を高めるためには重要です。
事業や従業員規模に合った保障内容になっているか
法人の資産は事業規模や将来の会社のビジョンと連動して動くべきものです。
経営者に万が一のことが起きた場合、負債の弁済や、運転資金、社長の治療費、ご家族への保障など、さまざまな資金準備が必要になります。
社長が健在な時には銀行の借り入れもスムーズに出来るかもしれませんが、社長が不在の会社に銀行が融資を渋る可能性も十分考えられます。
中小企業では会社の借金の連帯保証人を社長個人に設定している場合も少なくありません。
ですから、事業希望に合わせた保障を準備しておくことが法人としても、個人としても社長の周りの方を守ることにつながります。
加入を検討している法人保険は、適切な保障額になっているのかの確認は忘れずに行いましょう。
法人保険を乗り換える際、解約返戻金はどうすればよい?
解約返戻金を受け取ると益金が発生するため、利益が出ている会社では支払う法人税が増えることになります。
法人税はなるべく減らしたいというのが本音ですよね。
では、どうすれば積み立てられている解約返戻金の対処が可能となるのか、合理的な出口対策となるのか説明します。
https://ins.minkabu.jp/columns/life-corporate-insurance-241129
事前に出口戦略を立てておくことが重要
1000万の解約返戻金がある場合3~5年に分けて少しずつ保障を取り崩していくことがお勧めです。
1000万の解約返戻金を5年に分けることで法人が受け取る益金を減らすことができます。
そして、その解約返戻金を原資に新たな保険に加入することで保険料支払い部分に損金が発生するため、事実上、解約返戻金で得る益金を保険料支払いでの損金で相殺して法人税の課税を抑えることになります。
しかし税制改正が行われた現在、この方法を繰り返しているだけでは税の繰り延べに過ぎません。解約と新規契約を循環させるだけでは法人の資産は目減りしていきます。
保険の中には保険料を運用して運用益で解約返戻金の増加が期待できる保険も販売されています。
一定の損金算入をしながら運用の成果に応じて解約返戻金が右肩上がりで上がっていけば、解約と新契約を繰り返す必要もありませんし、簿外資産も増加します。
運用を伴う保険には特別な資格があり、また取り扱っている保険会社も限られます。
税制改正が実施され従来の節税効果を見込めなくなった今、簿外資産をいかに増やすかということに着目して保険を考えることが会社の将来にとって非常に重要となっていきます。
法人保険選びに困ったらみんかぶ保険に相談を
会社の中で誰よりも忙しい経営者の方が、加入中の保険の取崩し方法や、運用性を備えた保険の機能を調べる時間を確保することは至難の業です。
右肩上がりで解約返戻金が増える可能性がある運用性の商品を取り扱える担当者と出会うことも大変です。
今の保険の解約返戻金を原資に、会社からの追加の手出費用は必要無く、保険を移行することも可能です。
税制改正前に加入した保険の解約時期が訪れる保険も多々あります。プロの力を借りることで簡単に将来収益が確認できます。
見積りに費用は一切かからないので、将来の会社の利益を増やすためにも一度話を聞いてみるのがお勧めです。