保険を選ぶ際、自分に必要な保険について迷う方も多いでしょう。
そのような疑問を抱えている方向けに、この記事では収入保障保険はやめたほうがいいと言われる理由について解説していきます。
また収入保障保険のデメリットだけでなく「収入保障保険の必要性が高い人」についても併せてご紹介します。
この記事でわかること
・収入保障保険はやめたほうがいいと言われている理由・デメリット
・収入保障保険に加入するメリット
・収入保障保険の必要性が高い人の特徴
収入保障保険はやめたほうがいいと言われる理由は?
それでは早速、なぜ「収入保障保険はやめたほうがいい」と言われるのか、その理由について解説していきます。
収入保障保険はやめたほうがいいと言われる理由は次の2つです。
解約返戻金や満期保険金がなく貯蓄性がないから
保険期間の経過に伴い保険金が減ってしまうから
収入保障保険は他の保険と比べて、もらえるお金の総額が少なくなってしまう可能性が高いです。そのため、収入保障保険よりも他の保険にしたほうがいいと言われることも。
それぞれの理由について、ひとつずつ詳しく解説していきます。
解約返戻金や満期保険金がなく貯蓄性がないから
一般的な収入保障保険は、貯蓄性がありません。そのためたくさんの保険金を受け取らない限り、支払った保険料の多くは戻ってきません。
そもそも保険の「貯蓄性」とはどういう意味でしょうか?貯蓄型の保険では、保険金とは別に「解約返戻金」と「満期保険金」がもらえます。
解約返戻金や満期保険金は、支払ってきた保険料の総額よりも多くもらえるケースもあります。保険料を実質「貯蓄」として活用できますね。
しかし収入保障保険の多くは「掛け捨て型」の保険です。解約返戻金や満期保険金はもらえません。
保険期間の経過に伴い保険金が減ってしまうから
収入保障保険は、保険期間が経過するにつれて、受け取れる保険金の総額が減少する仕組みとなっています。
収入保障保険は毎月一定のお金をもらえる保険です。そのため受取可能な期間が短いと、その分もらえる保険金の総額は小さくなってしまいます。
具体例として、以下の収入保障保険を想定し、保険金の総額をシミュレーションしてみましょう。
保険期間:55歳まで
毎月の受取金額:10万円
受取開始タイミング |
保険金の総額 |
30歳 |
10万円×12か月×25年間=3,000万円 |
45歳 |
10万円×12か月×10年間=1,200万円 |
上記のように、保険期間満了間際に死亡した場合、もらえる保険金が少なくなってしまいます。そのため「死亡したり高度障害となったりした際に、ある程度大きな金額を確実に残しておきたい」という人は注意が必要です。
収入保障保険に加入するメリット
ここまで「収入保障保険はやめたほうがいい」と言われる理由について解説してきました。しかしデメリットだけでなく、収入保障保険にはメリットもいくつかあります。
収入保障保険のメリットは次の2つです。
保険料を安く抑えられる
保険金を「毎月一定額」受け取ることができる
収入保障保険では、まとまったお金を一気に受け取ることはできません。しかし、人によってはそれがむしろメリットになることがあります。
2つのメリットについて、さらに詳しくご紹介します。
保険料を安く抑えられる
収入保障保険は、生命保険よりも保険料が低めに設定されています。保険料が比較的安い理由は、主に次の2つです。
掛け捨て型の保険であり、積み立てるための保険料が不要であるから
もらえる保険金の総額が少しずつ減っていくから
前の章でお伝えした「貯蓄性がない」「保険金額が少なくなる」といったデメリットがある分、保険料は低めに設定されています。なるべく保険料を抑えたい人にとっては、メリットの方が大きいかもしれませんね。
保険金を「毎月一定額」受け取ることができる
収入保障保険なら、「給料」や「年金」と同じ感覚で保険金を受け取れます。そのため一括で保険金を受け取るよりも、保険金をもらう人は生活資金として活用しやすいです。
一般的な死亡保険だと一括で多額の保険金がもらえます。
確実に多額のお金を残せるのは大きなメリットではあるものの、受け取った保険金をいつどのように使うか悩んでしまう可能性もあります。
そのため、一括で受け取る方がよいか、毎月コツコツ受け取る方がよいかは「保険金の使い道」によって決めるのがおすすめです。
もし、大きな金額の支払いを控えているのであれば「一括でもらえる死亡保険」、毎月の支出の充てに使いたいのであれば「毎月一定額をもらえる収入保障保険」を選ぶのがおすすめです。
収入保障保険の保険金にかかる税金は?
「保険金に税金ってかかるの?」と気になる方に向けて、収入保障保険の保険金にかかる税金についてもわかりやすくご紹介します。
収入保障保険で保険金を受け取る際、税金がかかるケースとかからないケースがあります。
被保険者が死亡ではなく高度障害状態となったことで保険金を受け取る場合、保険金に税金はかかりません。
問題は、被保険者が死亡することで保険金を受け取るケースです。収入保障保険の保険金にかかる税金は「被保険者が死亡したタイミング」と「被保険者が死亡した翌年から」の2つのタイミングで発生します。
まずは「被保険者が死亡したタイミング」についてです。被保険者が死亡し保険金の支払いが確定したら、以下のように税金がかかります。
また「被保険者が死亡した翌年から」は、毎月受け取る保険金に対し所得税(雑所得)や住民税がかかります。
まずは「被保険者が死亡したタイミング」についてです。被保険者が死亡し保険金の支払いが確定したら、以下のように税金がかかります。
また「被保険者が死亡した翌年から」は、毎月受け取る保険金に対し所得税(雑所得)や住民税がかかります。
ただし被保険者の死亡時に相続税や贈与税を支払った場合、その課税対象となった部分は所得税・住民税の対象とはなりません。
収入保障保険と生命保険はどちらに加入すべき?
ここまでご紹介してきた収入保障保険のメリットとデメリットをご紹介してきました。それらを踏まえ、以降のパートでは「収入保障保険と生命保険のどちらを選ぶべきか」について解説していきます。
比較しやすいように、収入保障保険と生命保険のメリット・デメリットを表でまとめました。
簡単にまとめると「保険料をなるべく抑えたい」「保険金は毎月受け取るタイプのほうがいい」と考える方は収入保障保険がおすすめです。
一方で「保障を手厚くしたい」「貯蓄性がある保険を選びたい」と考える方は、収入保障保険よりも生命保険を選ぶのがベストでしょう。
収入保障保険の必要性が高い人について、さらに具体的にご紹介していきます。
収入保障保険の必要性が高い人の特徴
次の4つに当てはまる人は、収入保障保険の必要性が高いでしょう。
保険料を抑えつつ死亡保険に入りたい人
子どもがいて養育期間がまだ長い人
シングルマザー・ファザーの人
フリーランス・個人事業主の人
上記に当てはまる人は、収入保障保険のメリットが特に大きいと考えられます。それぞれの特徴について、さらに詳しくみていきましょう。
保険料を抑えつつ死亡保険に入りたい人
収入保障保険の保険料は、一般的な死亡保険と比較して割安に設定されています。そのため「保険料による経済的負担をなるべく小さくしたい」と感じる人は、死亡保険だけでなく収入保障保険もチェックしてみましょう。
保険会社に見積もりを依頼し、保険料を比較するのがおすすめです。みんかぶ保険では、各保険会社の見積もりを一括で依頼できます。
子どもがいて養育期間がまだ長い人
小さな子どもがいる人も、養育費や生活費として計画的に保険金を使える収入保障保険がおすすめです。
死亡保険のように、一気に多額の保険金を受け取っても計画的に使うのは難しいでしょう。また受け取るお金が大きい分、支払う税金も多額になってしまう可能性があります。
特に被保険者が主な収入源である場合、毎月定額が受け取れる保険の方が適している可能性が高いです。被保険者が死亡したり高度障害状態となったりする前と同様に、毎月一定のお金がもらえます。
支払う税金も少なく済むため、税制面的にも嬉しいですね。
シングルマザー・ファザーの人
シングルマザーやファザーの人が亡くなってしまったら、残された子どもの生活費を稼ぐ人がいなくなってしまいます。また多額の保険金を一括で手渡しても、子どもや残された家族がきちんと管理できるとは限りません。
そのためシングルマザー・ファザーの人は、毎月定額の保険金を受け取れる収入保障保険がおすすめです。保険料が比較的低いため、共働きができず保険料を抑えたい人にも向いています。
フリーランス・個人事業主の人
フリーランスや個人事業主の人は「遺族基礎年金」しかもらえません。会社員や公務員よりも制度が手薄であるため、収入保障保険の必要性がより高いでしょう。
フリーランス・個人事業主の人と異なり、会社員や公務員は「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」が受け取れます。
遺族厚生年金:会社員や公務員が加入する「厚生年金」の被保険者が死亡した際に遺族に支給される年金
フリーランスや個人事業主の人は、死亡した際に支給されるお金が会社員よりも少ないです。保険選びの際は、利用できる公的制度の違いも重要なポイントですね。
収入保障保険へ加入する前に知っておきたい「賢い選び方」
ここまでお読みになっている方の中には「収入保障保険に加入しておきたい」と考えているかたもいらっしゃるでしょう。
その場合、やはり「保険の賢い選び方」についても知っておきたいですよね。
自分に合った収入保障保険を選ぶためには、次の3つのポイントを意識しましょう。
保険金がいくら必要か試算をしっかり行う
保険期間はいつまでにするのがベストか「やめどき」を考える
収入保障保険だけでカバーできない範囲は他の保険で補う
どんな収入保障保険がぴったりなのかは人によって異なります。自分にはどんな保障が必要なのか、しっかり見極めましょう。
それぞれのポイントについて、さらに詳しく解説していきます。
保険金がいくら必要か試算をしっかり行う
もし被保険者が死亡もしくは高度障害状態となってしまった場合に、毎月どれだけのお金を残すのがベストか事前に計算しておきましょう。
せっかく保険に入るなら「もらえるお金が少なすぎる」はやはり避けたいですよね。でも保険金額が高すぎても、保険料を過剰に多く支払うことになってしまいます。
毎月の支出額やライフプラン、子どもの養育費など、どれぐらいのお金が必要になりそうかしっかりシミュレーションしましょう。計算するのが苦手な方でも、保険のプロに依頼すれば最適な保険金額を一緒に考えてもらえます。
保険期間はいつまでにするのがベストか「やめどき」を考える
残された家族の状態によっては、収入保障保険の必要性は小さくなります。
もしまだ子どもが小さいのであれば、多額の養育費が必要であるため収入保障保険の必要性も高いでしょう。一方で子どもが独立し、自分でお金を稼げるようになれば、収入保障保険の必要性も低くなりそうですね。
必要性がなくなったのに収入保障保険に加入し続けていたら、保険料が無駄になってしまいます。いつまで収入保障保険が必要そうなのか、きちんと考えた上で保険期間を設定しましょう。
収入保障保険だけでカバーできない範囲は他の保険で補う
保険で備えるべきなのは死亡リスクだけではありません。例えばケガや病気になって働けなくなった場合、収入が減少するだけでなく多額の医療費が必要になるかもしれませんね。
収入保障だけでは高額になる医療費には対応しきれません。しかし医療保険に加入することで、病気やケガにも備えられます。
死亡リスクだけでなく、これからの人生においてどのようなリスクに備えるべきか、視野を広くして考えましょう。必要に応じて、他の保険であらかじめ備えてしておくのが安心です。