生命保険で資産運用?変額保険(貯蓄型)を活用した資産運用のメリットとデメリットを解説!

著者:みんかぶ編集室

監修:

松井 翔子

3級ファイナンシャル・プランニング技能士 / フィナンシャル・エージェンシー所属

保険といえば、万が一死亡した時や、入院した時、ケガをした時などリスクに備える金融商品というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

実は保険を活用した資産運用の方法があります。今回は保険を活用した資産運用方法のご紹介とメリット・デメリットを分かりやすく解説していきます。

変額保険(貯蓄型)に向いている人

変額保険(貯蓄型)に向いている人

死亡保障などの保障も資産形成もどちらから始めれば良いのか悩んでいた方、仕事などが忙しく株や投資信託のチェックの煩わしさ等から、ついつい後手に回ってしまう方は、保険会社が運営する規模の大きなファンドに運用を任せてみるのも1つの方法かもしれません。

少額から初めて運用成果に驚き、増額を検討している方も非常に多いです。めんどくさがりの方には保険と資産運用の2つの働きが1つで完結する、一石二鳥の「変額保険」がおすすめです。

投資の三原則について

投資を考える方なら、どなたでも「長期投資」「積立投資」「分散投資」という「投資の三原則」を一度は聞いたことがあると思います。まず初めにこの三原則原則について記載していきます。

長期投資

市場の変動やリスクに左右されずに、長期的に着実な成長を目指すためには時間が非常に重要な要素です。

短期的な利益を求める人もいますが、長期的な視野を持つことが投資成功の鍵と言われています。時間をかけて投資を積み重ねることで、複利効果を最大限に活用することができます。投資収益が元本に加えて増え、その増加した収益もさらに投資されることで、成長が加速します。

積立投資

一度に多額の金額を投資につぎ込むことは、同時に大きなリスクを伴います。市場の一時的な変動や不確定要因によって損失が発生する可能性があるためです。

そのためリスクを分散し毎月・毎年、リスク許容度に合わせて投資を行うことが重要です。積立投資を行うことで、市場の平均的な利回りを享受しやすくなります。

分散投資

異なる投資先に資金を分散させることでポートフォリオ全体の安定性を高めることが出来ます。

分散投資を行うことで、特定のリスクに対する被害を最小限に抑えることができます。

これらの三原則は投資における基本的な考え方であり、投資家に安定したリターンをもたらす役割を果たします。

長期的な視野を持ち、定期的な積立投資と分散投資を行うことでポートフォリオの安定性と成長性を確保することができます。

投資の三原則と保険の親和性

ここでは、投資の三原則における保険との親和性について記載します。

長期投資と保険

保険は、将来のリスクや不測の事態に備えるための金融商品です。

保険の中には一生涯保障が続くタイプの保険もあり、支払い期間は10年、20年、30年と長期に渡る契約も多いです。一度加入をすればその後は手続きも必要なく保険を継続することができます。そのため保険は長期で運用をする志向のある金融商品であると言えます。

積立投資と保険

保険は、月払い・半年払い・年払いと支払いのタイプが選択できます。

また、先述した通り長期間に渡って保険料の支払いが継続します。保険料を積み立てるという観点から見ると、支払いは定期的に行われる投資として捉えることが出来ます。

分散投資と保険

生命保険や医療保険だと分散を感じる時はほぼ無いかと思いますが、変額保険という保険では分散投資として捉えることができます

投資を調べたことがある方は「外国株式」「日本株式」「新興国株」「バランス型」などの特別勘定の種類を見聞きしたことがあると思います。変額保険では、これと同様に保険会社の運用実績を確認しながら分散のバランスをご自身で設定できます。ご自身の運用成果は保険会社からのレポートで確認が出来て、ポートフォリオの変更も可能です。

変額保険(貯蓄型)と周辺知識について

ここでは、資産性商品として存在する変額保険について記載していきます。

変額保険とは

そもそも変額保険とは、保険料の一部を保険会社が契約者に代わって投資に充当することで保険金額を増やすことを目的とした保険です。

投資信託と同じイメージで契約者が何%を分配するかを決め、それに従って保険会社が資産を運用します。かつ、保険として万が一お亡くなりになった場合の死亡保障もあるため、長期的な資産形成と万が一のリスクの両方をカバーできる唯一の金融商品として注目を集めています。

変額保険の市場

生命保険文化センターの調べによると、変額保険の契約高は2018年には2.3兆円でしたが、2022年には7.2兆円まで規模が拡大しています。

一方、CMでもよく目にする医療保険の契約高は6.5兆円です。実は医療保険よりも変額保険の方が契約高は大きな市場となっており、急角度で成長をしています。

保険会社のファンド規模

「変額保険 運用レポート」と検索をすると各保険会社の運用実績を誰でも見ることが出来ます。中には1つのファンドで1兆円,2兆円を超える規模のファンドを取り扱う保険会社もあります。

※2/21現在、2兆円を超える希望の投資信託は現在日本に3つしかありません。

保険会社は日本にある投資信託のファンドの中でも非常に大きな規模で運用しています。

変額保険(貯蓄型)のメリットデメリット

変額保険は資産性商品ですので、もちろんメリットだけではなく、デメリットも存在します。

変額保険(貯蓄型)のメリット

変額保険のメリット

メリット

  • 申込みの手続きがカンタン
  • 病気になった時に保険会社が契約者に代わって保険料を支払ってくれる
  • 死亡保障が準備出来る
  • 受取人の設定が出来る

申込みの手続きがカンタン

変額保険は元本の保障がされない部分など注意をしなければならない点もあるため、オンラインか対面での申込みが必須です。一見手間がかかるように見えますが、書類の手続きを保険販売員の方のフォローを受けながら進められます。

必要なのはご自身のお名前や住所を記載したり、健康状態について「はい」「いいえ」で答えるような書類で分かりやすい内容です。また書類が不備で何度も郵送でやり取りをしたり、携帯やアプリで入力箇所を自分で訂正するような手間が省けます。当然気になることや注意すべき点をその場で解決できます。

病気になった時に保険会社が契約者に代わって保険料を支払ってくれる

他の金融商品には無い、保険唯一の特徴が、保険料の払い込み免除制度があることです。

例えば悪性新生物(ガン)と診断された場合には、その後の保険料払込みが全て免除されます。本来支払うはずだった保険料は、保険会社が契約者に代わって支払っているものとみなして積立金額が増加していきます。

このような制度は、株や投資信託では存在しないものです。

例えば、ガンに罹患して働けなくなったり収入が減った場合には、資産形成を継続することが難しくなる場合があります。いつ病気やケガをしてしまうのかは誰にも分かりません。保険は元々、将来のリスクを回避または低減するための金融商品ですから、保険料の払込免除制度が資産形成の継続を支援し、他の金融商品に類を見ない働きをしてくれます。

死亡保障が準備出来る

保険ですので、本来の働きである保障についても、しっかりと準備することが出来ます。年齢や性別、保険商品等によって保障額は異なりますが、30歳男性の方が2万円前後の資産形成型の保険に加入した場合、死亡保険金額は1000万程度が準備できるプランもあります。死亡保険金額は、たとえ1ヶ月しか支払いをしてなかった場合でも、1000万円が保障の対象になります。ご自身の万が一の場合に備えながら、資産形成ができるのが保険のメリットです。

受取人の設定が出来る

株や投資信託で資産形成をしている方が亡くなった場合、相続人は証券会社や金融機関に相続人を証明する書類を提出し口座名義人の変更手続きを行います。相続人が複数人居る場合には、遺産分割協議書や相続人全員の同意書が必要な場合など、多くの手順を踏まないと相続手続きが完了しないケースもあります。

一方、保険は加入時に死亡保険金の受取人を設定するため、受取人の方から保険会社に申し出て手続きをすることで保険金を受け取ることができます。

変額保険(貯蓄型)のデメリット

変額保険のデメリット

デメリット

  • 元本の保証がない
  • 短期間での解約の場合、解約控除(解約ペナルティ)が発生する

元本の保証がない

変額保険は運用実績に応じて積立金や保険金額が変動する保険のため、積立金が払込保険料を下回る、いわゆる「元本割れ」のリスクのある商品です。

「保険」というと「元本保証」されているようなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、資産形成型の保険の場合は最低保証がありませんので注意が必要です。

短期間での解約の場合、解約控除が発生する

保険料の一部には保険会社の経費に充てられている金額があります。保険は長期で加入することが一般的ですから、保険会社は経費回収を5〜10年単位で想定しています。

しかし短期解約の場合、保険会社が回収を見込んでいた金額を十分に集められないことになるため解約返戻金に一定の利率をかけて解約返戻金を減額します。これを解約控除と呼びます。解約控除を回避するためには、保険料の支払いを中止して保障を縮小し、解約返戻金を必要としない「払済」の状態で保険を継続する方法があります。これにより、解約控除を回避しつつ、保険を継続することが可能です。ただし、継続的な支払いが難しい場合や、保険の必要性がなくなった場合に限られますので、慎重な判断が必要です。

まとめ

「変額保険は良いけど、どの商品にしたらいいんだろう」

「自分にぴったりの変額保険はどれだろう?」

といったように、変額保険を探す上で不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。

そのような方におすすめしたいのが「保険の知識を豊富に持つプロに相談すること」です。

みんかぶ保険では、保険のプロに無料で相談できます。回数に制限はなく、営業メールが来たり特定の商品を強制されたりすることもありません。どなたでも安心してご利用いただけます。

変額保険について不安な方、自力で進めるのが億劫だと感じる方は、プロの力を借りつつ最短ルートでベストな資産性保険を決めましょう。

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みんかぶ編集室

資産形成メディア「みんかぶ」を中心に、金融商品の記事の執筆を行っています。資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。

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