あらかじめ保険料を支払い、もしもの時に備える生命保険。生命保険といっても、実はさまざまな種類があります。
家族からすすめられたり友人が加入しているのを知ったりして、生命保険への加入を検討する方も多いでしょう。しかし、種類がたくさんあるため
そうやって迷ってしまいますよね。
そこで、今回は生命保険の種類や選び方についてわかりやすく解説していきます。それぞれの保険ごとの選び方についても解説しているので、保険について迷っている方はぜひチェックしてみてください。
生命保険の種類は?
それでは早速、生命保険にはどんな種類があるのかについて解説していきます。
生命保険は、もともと死亡保険を指す言葉として使われていました。しかし、医療保険や介護保険などさまざまな保険が登場してきているため、今では死亡保険以外のものも含めた総称として使われることも多いです。
そのため、ひとくちに生命保険といってもその内容はさまざま。主に次の4つに分類できます。
- 死亡保険
- 医療保険
- 介護保険
- 生存保険
遺族の経済面をカバーする死亡保険
死亡保険とは、被保険者が亡くなった、もしくは所定の高度障害になった際に保険金が支払われるタイプの保険です。遺族の生活費用や葬儀費用、残された子供の教育費用をカバーできます。
収入の柱となる人が亡くなってしまった場合、家族の経済的負担が大きくなってしまいます。そのようなリスクに備えるための保険が死亡保険です。
死亡保険はさらに、保障の対象となる期間によって次の3つに分類されます。
- 終身保険
- 定期保険
- 養老保険
終身保険
終身保険とは、被保険者が亡くなるまで保障がずっと続くタイプの保険です。期間があらかじめ定められていないため、一生涯にわたって保障の対象となります。
保険料を支払い終えるタイミングは、保障の対象期間(保険期間)とは別に決められるものが一般的です。もし保険料の支払期間を早めに設定しても、亡くなるまで保障を受けられます。
必ず保険金を受け取れるため、残された家族にお金を確実に残すことができます。また、途中で解約しても保険料の一部を「解約払戻金」としてもらえる保険商品もあります。
定期保険
定期保険は、保険期間があらかじめ定められている保険です。必要な期間だけピンポイントで備えておきたい人におすすめです。
保険期間内に亡くなったり重度の障害になったりしなければ、保険金はもらえません。そのため、終身保険のように貯蓄として活用するのは難しいでしょう。しかしその分、終身保険よりも保険料が割安なケースが多いです。
養老保険
定期保険と似たものとして「養老保険」というものもあります。
養老保険も保険期間をあらかじめ決める必要がありますが、満期時に保険金と同様の金額を受け取れます。
「◯年後までに〇〇円貯めよう」といった計画に合わせて活用しやすく、貯蓄性が高い保険です。契約年数やタイミングによっては老後資金の準備としても利用できるため、預貯金が苦手な人にもおすすめです。
入院や手術の費用を保障する医療保険
医療保険は、病気やケガの治療に必要な費用を保障する保険です。
医療保険の主な保障対象は、入院と手術。1日あたりの保険金額を契約時に決め、入院日数分受け取る「入院給付金」や、手術時に一定のまとまった金額がもらえる「手術給付金」などが一般的です。
個室入院に必要な「差額ベッド代」や、「先進医療」に必要な技術料など、公的医療保険の対象外となる治療や費用もカバーできます。
さらに、医療保険の中にも以下のような種類があります。
- 終身医療保険
- 定期医療保険
- がん保険
- 所得補償保険・就業不能保険
終身医療保険
終身医療保険は、保険期間が一生涯続くタイプの医療保険です。長生きしても保障が途切れることなく安心して続けられます。
高齢になると、入院や手術が必要となる可能性が高まります。亡くなるまで費用面の不安を軽減できるのは、終身医療保険ならではのメリットですね。
定期医療保険
定期医療保険は、あらかじめ保障の対象期間が定められているタイプの医療保険を指します。
一定期間を過ぎると、保障が受けられる期間や保険料の支払期間が自動的に終了、もしくは更新されます。「出産に備えて加入しておこう」「預貯金が貯まるまでは契約しておきたい」など、ライフプランや預貯金状況に合わせて柔軟に保険を活用できそうですね。
がん保険
医療保険はさまざまな病気やケガに対応していますが、がんの治療に限定して保障されるタイプの保険を「がん保険」といいます。
がん保険の中でも終身タイプと定期タイプそれぞれ用意されていることが多いです。また保険金の金額についても、医療保険と同様に自分で選べるタイプが一般的です。
所得補償保険・就業不能保険
もともと働いている人が入院や手術で一定期間働けなくなると、その分収入も減少してしまいます。そのような本来得られるはずの収入をカバーする保険が「所得補償保険・就業不能保険」です。
働いていることが加入条件にはなりますが、入院中における経済的な不安をさらに払拭できるでしょう。
介護に必要な費用をサポートする介護保険
民間の介護保険に加入すれば、被保険者に介護が必要となった際に給付金を受け取れます。
40歳以上になると、強制的に公的介護保険に加入することになります。ただし、もらえる金額には制限が設けられており、家事代行サービスの費用や交通費など自己負担も少なくありません。
民間の介護保険に加入することで、さらに手厚く介護に備えられます。支給条件は保険商品により異なりますが、受け取ったお金の使い方は自由です。
貯蓄に活用できる生存保険
生存保険とは、保険期間の満了時に被保険者が生きている場合にお金がもらえる保険です。
病気やケガなどによる大きな費用が必要にならなくても、保険期間が終わるまで生存していればお金がもらえます。そのため、貯蓄や資産運用として活用できるでしょう。
例として、「学資保険」や「個人年金保険」などが生存保険として利用することができます。
学資保険
学資保険は、子供の教育費を準備するための保険です。
「子供が15歳(18歳)になったとき」のように、設定したタイミングで「進学準備金」「満期学資金」を受け取れます。子供の教育費用を強制的に積み立てられるのは嬉しいポイントですね。
中には、保険料の支払い期間中に親が亡くなった場合、保険料の支払いが免除される保険商品もあります。
個人年金保険
公的年金制度に上乗せして、将来の年金を自分で積み立てるための保険が「個人年金保険」です。受け取れる金額が確定している「定額型」と、積み立てたお金で投資信託などを運用した利益を受け取る「変額型」があります。
また年金を受け取る期間についても、あらかじめ期間が決められている「確定型」と、亡くなるまでもらえる「終身型」の2種類です。
生命保険の種類はどう選ぶ?
ここまで、さまざまな種類の生命保険をご紹介してきました。しかし種類が豊富なため、どうやって保険を選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。
ここからは、加入する生命保険をどのように選ぶべきかについて解説していきます。生命保険の種類ごとにご紹介していくので、ひとつずつ整理しながら考えてみましょう。
死亡保険は目的に合わせて選ぶ
死亡保険は、目的のお金を残したいかによって必要な保険タイプが変化します。
遺族にお金を残したい
自身が亡くなってしまった場合に、残された家族や配偶者のためにお金を残したいと考えている方は、死亡保険に加入するのがおすすめです。ただし、遺族に必要な教育資金や生活資金の総額は、子供の有無だけでなく子供の年齢によっても変わります。
死亡保険で残すべきお金が最も高額になるタイミングは、子供がまだ生まれて間もない頃です。そこから子供が成長していくにつれ、残すべきお金の総額は減っていきます。
そのため、期間を絞って定期保険に加入すれば、支払う保険料を抑えつつ効果的に備えられるでしょう。
もちろん終身保険や養老保険でも、保険金の額を高くするほど安心です。ただしその場合、定期保険よりも保険料が割高になってしまうケースが多いです。
将来のための資金を準備したい
死亡保険に加入することで、遺族へのお金だけでなく自身の老後資金も準備可能です。
終身保険や養老保険は、定期保険よりも貯蓄性に優れています。終身保険であれば必要なタイミングで解約することにより「解約返戻金」がもらえます。養老保険であれば満期保険金がもらえるので、老後の資金として使えるでしょう。
保険商品によっては貯蓄性を高めるために独自の制度やルールを設けているものもあります。気になる方は要チェックですね。
医療保険は早めに検討を
一方、医療保険は家族の有無や年齢に関係なく早めに検討するのがおすすめです。
自分がいつ病気やケガで大掛かりな治療が必要になるかは、誰にもわかりません。病気になってからでは加入できない場合があるため、事前に備えておく必要があります。
定期医療保険であれば、終身医療保険よりも保険料が安い商品が多いです。そのため、十分な預貯金が出来るまでの期間や、出産・入学のような多額の出費が必要になる時期に合わせて加入するのも良いでしょう。
自身の年齢や預貯金額によっては介護保険も候補に
40代になり公的介護保険に加入するタイミングで、民間の介護保険についても検討してみましょう。
公的介護保険があるから大丈夫だ、と考える方も多いでしょう。ただし、公的介護保険の対象となるのは介護サービス費用のみです。そのため、介護施設までの交通費や家での生活にかかる費用については自己負担となります。
足腰が弱くなれば、公共交通機関ではなくタクシーを利用するようになるかもしれません。場合によっては、家に手すりを設置したり、家事代行サービスを利用したりする必要もあるでしょう。
介護してくれる家族がいるかどうかによっても変わりますが、介護費用は想像以上に高額かもしれません。預貯金額に不安を感じる方は、民間の介護保険に入っておくと安心ですね。
終身保険(生命保険)保険料比較シミュレーション (40歳・男性)
終身保険(生命保険)保険料比較シミュレーション (40歳・女性)
生存保険はライフプランや預貯金額に応じて活用
生存保険は、ライフプランと預貯金額によって必要性が変わります。
十分な預貯金があれば、生存保険に加入しなくても問題ありません。一方で「預貯金をするのが苦手、でもあらかじめ子供の教育資金や住宅のための費用などを準備しておきたい」と考えているのであれば、学資保険や養老保険がおすすめです。
生命保険の種類と保障内容を一覧表でチェック
最後に、これまで紹介してきた保険の保障内容やおすすめな人について、一覧表にまとめました。
ご自身が気になる内容をチェックしてみてください。
まとめ
生命保険の種類や選び方について解説してきました。
これからの人生、どんな事が起こるかは誰にもわかりません。しかし適切に備えておけば、もしものときの負担を大きく軽減できます。
とはいえ、個々まで読んでも保険を選ぶのは大変だと感じる方も多いでしょう。みんかぶ保険では、無料で保険のプロに相談できます。回数に制限はなく、しつこい営業もないため、気になる方はぜひ活用してみてください。