火災保険と似た仕組みを持つものに「火災共済」があります。
どちらも火災を含む被害・災害に対して補償(保障)を受けられますが、補償(保障)範囲や仕組み、契約形態には違いがあります。
こうした疑問を抱いている人も多いはず。
この記事では、火災保険と共済の違い、そして共済だけで十分な保障を受けられるのかについて解説します。
- 火災保険は共済よりも補償(保障)範囲が広い
- 共済は火災保険よりも保険料(掛け金)が安いメリットがある
- 共済に加入する場合は保障範囲と支払い金額を入念に確認する必要がある
- 補償(保障)の手厚さや長期契約が可能なことを踏まえると火災保険がおすすめ
- 火災保険と火災共済の違いを比較【補償・掛け金・契約形態】
- 火災共済だけで十分?保障が足りないケースとは
- 所有物件・マイホームを守るためには補償をカスタイマイズできる火災保険がおすすめ
- 火災保険選びを一人でできるか不安な方はみんかぶ保険でプロにご相談を
火災保険と火災共済の違いを比較【補償・掛け金・契約形態】
火災保険と火災共済の主な違いは以下の通りです。
共済とは、組合員同士がお互いに助け合うための制度です。病気やケガをした際などに、組合員が積み立てたお金から必要な費用が支払われます。保険と似た仕組みですが、営利目的ではなく、組合員が主体となって運営されている点が特徴です。
| 火災保険 | 火災共済 | |
|---|---|---|
運営元 | 保険会社 | 非営利団体(都道府県民共済や全労済、JA共済など) |
契約形態 | 保険会社と契約者が1対1で契約 | 1つの契約を加入者全員(組合員)で共有(1対多数) |
保険料(掛け金) | 共済と比較すると割高 | 火災保険と比較すると割安 |
補償(保障)範囲 | 手厚い | 最低限の保障が基本 |
補償(保障)のカスタマイズ性 | 高い | 低い |
加入条件 | 制限なし | 共済の組合員のみ |
火災保険と火災共済の大きな違いは、「契約形態」と「補償(保障)範囲」の2点です。
まず契約形態についてですが、火災保険は保険会社と契約者が1対1での契約を結ぶのに対して、共済は、1つの契約に対して複数の加入者が存在します(1対多契約)。

【共済の契約形態】
共済の契約は、、1つの大きな契約に対して加入者全員がお金を出し合う仕組みです。
また、補償(保障)範囲にも違いがあります。火災保険は、基本補償に加えて追加の保障・特約が充実しており、補償範囲が広い点が特徴です。

一方、火災共済は掛け金が安く抑えられる分、最低限の保障にとどまるケースが多く、オプションで特定の保障を手厚くするといった対応には不向きです。
また、支払い限度額も火災保険よりも低いケースがあるため、共済への加入を検討する際には、保障内容の事前確認をしっかりするようにしましょう。
では、火災保険、火災共済それぞれに加入する「メリットとデメリット」はなにがあるのでしょうか。
まずは、火災保険に加入するメリットとデメリットを確認していきましょう。
火災保険に加入するメリット・デメリット
火災保険と火災共済を比較した場合、火災保険のメリットとデメリットは以下の通りです。
| メリット | ・デメリット |
|---|---|
|
|
それぞれのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。まずは、メリットから説明します。
火災保険のメリット
共済ではなく、火災保険に加入するメリットは以下の3点です。特に、補償内容の手厚さは安心にもつながるので大きなメリットといえます。
補償内容が幅広い
特約や追加補償で自分にぴったりのプランを作ることができる
保険会社のサポート体制が充実している
また、火災保険はさまざまな特約を付帯することで、自分に合ったオリジナルプランを設計できるため「カスタマイズ性」に優れている点も魅力です。
例えば、水災リスクの高い地域にお住まいの方は水災補償を強化したり、家財の損害に備えたい方は家財保険を充実させたりと、ライフスタイルや住環境に合わせて補償内容を選べます。
火災保険のデメリット
火災保険のデメリットは、共済と比較して保険料が割高であること、保険の種類が多いため、自分で選ぶ必要があることの2点です。
しかし、基本的に共済は1年契約であるのに対し、火災保険は「最長5年契約」が可能です。
契約期間が長いほうが総支払保険料は割安になるので、1年あたりの支払い金額ではなく、想定している保険期間の総支払保険料で比較することが重要です。
もし、
という場合には、無料の一括見積もり&保険のプロへの相談がおすすめですよ。
火災共済に加入するメリット・デメリット
続いて、火災共済に加入するメリット・デメリットを確認していきましょう。
| メリット | ・デメリット |
|---|---|
|
|
火災共済のメリット
商品選びの手間がかからない
商品の仕組み(保障内容)がシンプルでわかりやすい
掛け金(保険料)が割安
割戻金が設定されている
火災共済の最大のメリットは、掛け金(保険料)の安さです。非営利団体が運営しているため、「支払う金額を抑えられる」という利点があります。
また、共済は火災保険と異なり、商品数も限られているため「選びやすい」というメリットもあります。
そのほか、集めた掛け金の一部は毎年「割戻金」として加入者に還元されます。割戻金とは、使われなかった掛け金のうち一定割合を加入者に戻す制度のことです。
割戻率は20%〜30%程度のことが多いため、確認しておきましょう。
火災共済のデメリット
火災共済のデメリットは、以下の通りです。
保障範囲が限定されている
オプションがないため、特定の被害に対する保障を手厚くすることが難しい
支払上限額が少ない可能性がある
サポート体制は保険会社と比較して充実していない
掛け金が安く設定されている分、補償内容・サポートの手厚さは火災保険と比べ劣ってしまいます。
また、地域特有のリスクに応じて水災や水漏れの保障を手厚くしたり、特約を付帯したりしにくい点にも注意が必要です。
火災共済は、賃貸住宅や1年契約をしたい場合にはおすすめできますが、長期的にマイホームを守るという目的だと少々心もとないといえます。
加入を検討する際には、必要な保障は揃っているか、長期契約の場合でも火災保険と比較して総支払額(掛け金)が抑えられるかをしっかり確認しましょう。
火災共済だけで十分?保障が足りないケースとは

火災共済だけで補償が十分かどうかは、加入者の状況やニーズによって異なります。
火災共済は、火災保険に比べて掛金が安く、割戻金があるというメリットがある一方、補償範囲が限定的であるというデメリットがあります。
では、火災共済で十分なケース、十分でないケースにはどのようなものが考えられるのでしょうか。
火災共済だけで保障が十分なケース
賃貸住宅の場合:賃貸住宅は契約期間が短いことが多いため、長期契約による割引がなくても火災共済の方が割安になる可能性があります。
最低限の補償で十分な場合: 火災リスクに備えたいが、高額な保険料は負担したく ないという場合、火災共済の基本プランが選択肢となります。
火災共済での補償だけでは安心しきれないケース
自然災害リスクが高い地域の場合
水災や風災などの自然災害に対する保障が手薄になりがちです。
地震リスクが高い地域の場合
地震に対する保障も付帯できますが、保障額は火災保険と同時加入できる地震保険と比べて少ないので注意が必要です。
高額な住宅の場合(持ち家・戸建てなど)
建物評価額にかかわらず加入口数によって最大支払額が決まるため、高額な住宅では全損時に再建築費用を全額カバーできない可能性があります。
火災共済に加入する場合は保険料と補償のバランスを熟慮することが大切
火災共済は、掛金が安く割戻金があるというメリットがありますが、補償範囲が限定的であるというデメリットもあります。
加入前に、ご自身のニーズや予算、そして住宅の立地や構造などを考慮し、火災保険と比較検討することが重要です。
特に共済への加入を考えているのであれば、以下の点には気をつけましょう。
保障(補償)範囲
火災共済は、火災保険と比べて補償範囲が限定的な場合が多いです。加入前に必ず補償内容を確認し、不足している場合はオプションや特約を検討しましょう。
最大支払額
最大支払額が、住宅の再建築費用を下回っていないか確認しましょう。
サポート体制
火災保険と比べて相談窓口やサポート体制が整っていない場合があり、ご自身で保障内容や手続きを理解する必要があります。
所有物件・マイホームを守るためには補償をカスタイマイズできる火災保険がおすすめ

所有物件やマイホームは、人生における大切な資産です。
その大切な資産を守るためには、火災保険への加入が必須といえます。
火災共済という選択肢もありますが、所有物件・マイホームを守るためには、補償内容をカスタマイズできる火災保険の方がおすすめです。
火災保険は火災共済よりも掛金が高くなる傾向がありますが、自分にとって本当に必要な補償を選び、無駄な費用を抑えることで、コストパフォーマンスの高い保険プランを設計できます。
火災保険選びを一人でできるか不安な方はみんかぶ保険でプロにご相談を
火災保険選びは、補償内容や特約など、専門的な知識が必要となるため、一人で進めることに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
火災共済と比較検討する際にも、それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合った最適な保険を選ぶことが重要になります。
もし火災保険選びに不安を感じている場合は、無理に一人で進めず、みんかぶ保険を活用して保険のプロに無料で相談してみることをおすすめします。