持病や既往歴があっても生命保険に入れる?病気別の選び方を解説

著者:みんかぶ編集室

監修:

松井 翔子

3級ファイナンシャル・プランニング技能士 / フィナンシャル・エージェンシー所属

\ 保険えらび、チャットでAIに相談! /
持病があって通院してるけど、やっぱり生命保険に加入するのは難しいのかな
告知で正直に話したら、断られてしまわないかが不安…

持病や既往歴がある方の保険選びでは、疑問や不安がつきものですよね。

健康状態に不安がある方でも検討しやすい保険も出てきており、なかでも「引受基準緩和型」など、持病を抱える方でも加入を検討できる保険もあります。

この記事では、持病のある方が保険を検討する際に参考となる保険の種類やそれぞれの特徴、選ぶときの考え方の一例、そして告知に関する一般的なポイントについてご紹介します。

なぜ持病があると生命保険に入りにくいの?「告知義務」とは

「持病がある」「薬を飲んでいる」といった理由で、生命保険への申し込みに迷う方もいるかもしれません。

そもそも、なぜ健康状態によって保険の検討しやすさが変わるのでしょうか?

その理由は、保険が「相互扶助(そうごふじょ)」という、加入者がお金を出し合って万が一の際に備える仕組みだからです。

もし、健康状態が良い人と持病がある人が全く同じ条件で加入できてしまうと、すぐに保険金を受け取る可能性が高い人の割合が増え、保険料を負担する人との間で不公平が生まれてしまいます。

この公平性を保つために、加入希望者が自身の健康状態を保険会社へ正しく伝える義務のことを「告知義務」と言います。

特に、高額な死亡保険金が支払われる生命保険では、この公平性を保つための審査が非常に重要視されるのです。

保険会社がチェックするポイント

告知義務に基づき、保険会社は加入希望者の「将来、死亡保険金の支払いが発生するリスク」を判断します。

具体的なチェックポイント


現在の健康状態

病気やケガの治療状況、処方されている薬、健康診断での異常の指摘(検査数値など)


過去の病歴(既往歴)

過去にかかった病気やケガ、入院・手術の時期や内容、その後の経過(完治、寛解、再発など)


身体の障がい状態

視力、聴力、言語、身体の機能に障がいがあるかどうか


職業

危険を伴う職業に従事していないかどうか

これらの情報から、保険会社は「将来の死亡リスクが、他の加入者と比べて著しく高くないか」を総合的に判断しているのです。

もし告知義務に違反したらどうなる?

正直に話して断られたら嫌だし、少しぐらいなら誤魔化しても大丈夫かな…

このような安易な考えで告知義務に違反してしまうと、いざという時に取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

もし告知義務違反が発覚した場合、保険会社は「告知義務違反による契約解除」を行うことができます。

具体的には、以下のような厳しいペナルティが課せられます。

  • 保険契約が一方的に解除される

  • 万が一のことがあっても、死亡保険金が一切支払われない

  • それまでに支払った保険料も、原則として戻ってこない

大切なご家族へ、数百万、数千万円の保険金を確実に残すためにも、告知は絶対に偽ってはいけません。

持病があっても検討しやすい生命保険は主に3種類

近年、持病や過去の病歴(既往歴)がある方でも検討しやすい生命保険が登場しています。

ここでは主な3つの選択肢について、それぞれの特徴を解説します。

持病があっても検討しやすい生命保険は主に3種類

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険は、保険会社が設定した3〜5つ程度の告知項目に、すべて「いいえ」と答えられれば申し込みを検討できる生命保険です。

持病がある方にとって申し込みしやすい選択肢と言えるでしょう。

3つの告知項目例

告知項目は保険会社によって異なりますが、一般的には以下のような内容になっています。

  • 最近3ヶ月以内に、医師から入院や手術、または検査をすすめられたことがありますか?
  • 過去2年以内に入院をしたことや、手術をうけたことがありますか?
  • 過去5年以内に、がん(悪性新生物)または上皮内新生物、肝硬変、統合失調症、認知症、アルコール依存症で、医師の診察・治療・投薬をうけたことがありますか?
※上記はあくまで一例です。実際の告知内容は必ず各保険会社の資料でご確認ください。

メリットとデメリット

メリットデメリット
  • 告知項目が少なく、持病があっても申し込みを検討しやすい

  • 加入後に持病が悪化して死亡した場合でも、死亡保険金が支払われる


  • 通常の生命保険に比べて保険料が割高になることも

  • 加入後1年間など、一定期間内に死亡した場合に受け取れる保険金が減額される「削減期間」が設けられている場合がある

引受基準緩和型の保険料例

【保険料の目安例】

50歳男性、死亡保険金300万円の場合


通常の保険:月額6,500円〜8,500円位

引受基準緩和型:月額9,600円〜12,000円位(約1.5〜2倍)


※みんかぶ掲載の保険会社で試算(保険期間・保険料払込期間:終身)

※上記は一例です。実際の保険料は保険会社や商品によって異なります。

無選択型保険

「無選択型保険」とは、引受基準緩和型よりもさらに条件が緩く、原則として医師による診査や健康状態の告知が不要な生命保険です。

この保険は、健康状態にかかわらず誰でも加入しやすいというメリットがあります。

しかしその一方で、保険料が割高になるなどの注意点も存在します。

そのため無選択型生命保険は、他の保険への加入が難しい場合の『最終的な選択肢』と位置づけられていることを理解しておきましょう。

まずは引受基準緩和型の加入可否を確認し、それでも難しい場合に検討する流れが一般的です。

メリットとデメリット

メリットデメリット
  • 健康状態にかかわらず申し込みできる


  • 引受基準緩和型よりもさらに保険料が割高になることも

  • 加入できる死亡保険金の金額に上限が設定されている場合がある(例:300万円まで など)

  • 加入後2~3年以内に病気で亡くなった場合、死亡保険金は支払われず、それまで支払った保険料と同じ金額だけが返ってくることがある(免責期間)

※不慮の事故など「災害」による死亡の場合は、免責期間中でも保険金が支払われるケースが一般的です。詳細は各商品の契約概要・注意喚起情報をご確認ください。

【条件付き加入】通常の生命保険

持病があると、通常の生命保険には絶対に入れないんだよね?

実は、必ずしもそうではありません。

持病の種類や治療後の経過が安定している場合、保険会社が定めた基準を満たせば「特別な条件」付きで通常の生命保険に加入できることがあります。

これを「条件付き加入」と呼びます。

条件付き加入の例

保険料の割増

標準的な保険料に一定割合を上乗せして加入できることがある


保険金の削減

加入後一定期間内の死亡保険金を減額されることがある


特定疾病不担保

特定の病気による死亡は保障対象外となることがある

これらの条件は健康状態や保険会社の基準によって異なる場合があります。状況によっては、条件がつかずに加入できるケースも。

保険料が割高な緩和型や無選択型に申し込みする前に、条件付きでも通常の保険に加入できる可能性もあるため、専門家に相談して確認することが有益です。

持病がある方の生命保険選びで押さえるべき3つのポイント

検討しやすい保険の種類が分かったら、次は「自分に合った保険の選び方」です。

納得できる保険を選ぶために、特に重要な3つのポイントを解説します。

ポイント1:保障の目的をはっきりさせる(葬儀代?生活費?)

保険選びの第一歩は、「何のためにお金を残したいか」という目的を決めることです。

目的によって、必要な保障額は変わることがあります。

【主な目的の例】


ご自身の葬儀費用

200〜300万円程度の保障を想定するケース


残されたご家族の生活費

家族構成などに応じた保障額が必要となる場合

まず「誰に、いくら残すか」を考えることが、自分に合った保険を見つける近道です。

【保険料の具体例:葬儀費用を備える場合】


60歳男性が引受基準緩和型で死亡保険金200万円に加入する場合

月額保険料:約9,000円台~10,000円台


60歳女性が引受基準緩和型で死亡保険金200万円に加入する場合

月額保険料:約7,000円台~8,000円台


※みんかぶ掲載の保険会社で試算(保険期間:終身、払込期間:終身)

※上記は一例です。実際の保険料は健康状態や保険会社によって異なります。

特に60歳以上の方で葬儀費用の準備を考えている場合は、月々数千円から始められる少額の生命保険もあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。

ポイント2:複数の保険を比較検討する

目的が決まったら、複数の保険を比較することが大切です。

持病がある方の保険選びでは、特にこの比較が役立つ場合があります。

【比較するべき主なポイント】


保険料

無理なく支払えるかどうかを確認


保障額

目的に合った金額になっているかを確認


告知項目

自身の健康状態で加入できるかどうかを確認


削減期間

保険金が減額される期間の有無や長さを確認

複数の保険を比べることで、ご自身の状況に最適な保険が見つけやすくなります。

ポイント3:告知は正確に、不安なら専門家を頼る

保険加入時の告知は非常に重要ですが、「これは告知すべき?」と判断に迷うことも少なくありません。

そんな時は、決して自己判断しないでください。

保険のプロである専門家は、告知の的確なアドバイスや、数ある保険の中から状況に合った保険を探す手伝いをしてくれます。 後悔しない保険選びのために、専門家の力をうまく活用しましょう。

【病気・症状別】生命保険の申し込みに関する一般的な目安

ここでは、代表的な病気について、生命保険の申し込みに関する一般的な目安を解説します。

あくまで一般的な目安です。実際の判断は、症状や治療の状況、各保険会社の方針によって異なる場合があります。最終的には、専門家へご相談の上でご確認ください。

高血圧の方が生命保険に入れる目安

高血圧の場合、血圧の数値だけでなく、合併症の有無も重要なポイントになります。

【主なチェックポイント】

  • 投薬などにより、血圧の数値が安定しているか

  • 心臓や腎臓などの合併症がないか

投薬治療で血圧が安定しており、合併症がなければ、通常の保険に「条件付き(保険料割増など)」で申し込みできる場合があります。

数値が高い場合や合併症がある場合は、引受基準緩和型での申し込みとなる場合があります。

なお、生命保険とは別に、高血圧による入院や手術の費用が心配な方は、医療保険も検討する価値があります。

https://ins.minkabu.jp/columns/highblood-pressure-insurance

糖尿病の方が生命保険に入れる目安

糖尿病の場合、血糖値のコントロール状況と、合併症の有無が加入の目安として重視されます。

【主なチェックポイント】

  • 血糖値やHbA1cの数値が安定しているか

  • 合併症(網膜症、腎症、神経障害など)がないか

  • 現在の治療内容(食事療法、投薬、インスリン注射など)

軽度で血糖値が安定していれば、通常の保険に「条件付き」で申し込みできるケースがあります。

インスリン治療中の方や合併症がある場合は、引受基準緩和型での申し込みとなる場合があります。

また、糖尿病の治療費や合併症による入院に備えたい方は、医療保険も併せて検討されることを選択肢の一つとして考えることができます。

https://ins.minkabu.jp/columns/medical-diabetes-insurance-240621

脂質異常症(高コレステロール血症)の方が生命保険に入れる目安

他の生活習慣病に比べ、比較的通常の保険に加入しやすい傾向があります。

【主なチェックポイント】

  • コレステロール値や中性脂肪の数値が安定しているか

  • 投薬治療で数値がコントロールされているか

  • 他の病気(高血圧、糖尿病など)を併発していないか

投薬治療で数値が安定していれば、通常の保険にそのまま加入できる場合もあります。

ただし他の病気を併発している場合は、その状況も踏まえて総合的に判断されることがあります。

心疾患・脳血管疾患の方が生命保険に入れる目安

心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの既往歴がある場合、審査は慎重に行われる傾向があります。

特に、治療後すぐの加入は難しくなる可能性があるため注意しましょう。

【主なチェックポイント】

  • 病名(心筋梗塞、脳卒中など)

  • 治療が終わってからの経過期間

  • 後遺症の有無や程度

発症から一定期間(例:5年以上)が経過し、後遺症もなく安定していれば、引受基準緩和型に加入できる可能性があります。

また、再発時の入院や手術の費用が心配な場合は、医療保険も選択肢の一つとして考えられます。

https://ins.minkabu.jp/columns/medical-heart-disease-insurance-241126

うつ病などの精神疾患の方が生命保険に入れる目安

うつ病や統合失調症などの精神疾患は、現在の治療状況が加入の目安として重視されます。

【主なチェックポイント】

  • 診断名

  • 治療が終わってからの経過期間

  • 現在の通院や投薬の状況

治療が終了し、服薬もなくなってから一定期間(例:5年以上)が経過していれば、通常の保険に加入できる可能性があります。

持病がある方の生命保険に関するよくある質問(Q&A)

持病がある方の生命保険に関するよくある質問(Q&A)

Q. 複数の持病がありますが入れる保険はありますか?

複数の持病があっても、申し込みできる可能性はあります。

保険の審査では、複数持病があったとしても「それぞれの症状がどの程度コントロールされているか」という全体的な健康状態が考慮されます。

例えば、高血圧と脂質異常症の両方で治療中でも、どちらも投薬で数値が安定していれば、通常の保険にそのまま加入できる可能性もあります。まずは諦めずに、ご自身の状況で入れる保険があるか確認してみることをおすすめします。

Q. 薬を飲んでいますが、告知は必要ですか?

はい、告知は必要です。

医師から処方されている薬は正確に告知する義務があります。

「この薬は関係ないだろう」と自己判断で告知しないでいると、後で「告知義務違反」と判断される可能性がありますのでご注意ください。

Q. 医療保険と生命保険、どちらを優先すべきですか?

どちらを優先すべきかは、ご自身の「何が一番不安か」によって決まります。

入院や手術など、ご自身の治療費の負担が不安な場合
医療保険の優先度が高まります。

ご自身が万が一の際に、残されたご家族の生活費や葬儀代が不安な場合
生命保険の優先度が高まります。

ご自身の年齢や家族構成、経済状況などを考慮し、どちらの備えから始めるべきか、じっくり検討することが大切です。

https://ins.minkabu.jp/columns/choosing-life-medical-240122

Q. 持病を隠して申し込みしてもバレませんか?

隠して申し込むことは非常にリスクが高いです。

保険会社は、保険金の支払いが発生した際などに、契約者に許可を得て、提出された診断書以外の情報を調査することがあります。(調査に応じない場合、基本的に保険金支払いの対象外となります)

その際に告知内容との相違が判明すれば、契約は解除され、保険金は一切支払われないこともあります。

ご家族に保険金を確実に残すためにも、隠したり、事実と異なる告知をしたりすることは絶対に避けましょう。

まとめ:自分だけで判断せず、まずは保険のプロに相談を

持病があっても加入を検討できる生命保険には、主に「引受基準緩和型」と「無選択型」があります。

ご自身の病状や、保険に入る目的(葬儀費用なのか、家族のためなのか)によって最適な保険は異なります。

まずはこの記事を参考に、複数の保険を比較しながら、最終的には専門家に相談の上で、正確な告知をして申し込みを進めることが重要です。

告知の判断に迷ったり、どの保険が自分に合うか分からない場合は、保険のプロに相談するのが最も確実です。

1人のFPがまとめて見積もりを作成するので、複数の保険会社から大量のメールが届く心配はありません。気軽にご利用いただけます。

この記事に関連するタグ

みんかぶ編集室

資産形成メディア「みんかぶ」を中心に、金融商品の記事の執筆を行っています。資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。

本コンテンツは 株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド が独自に制作しています。詳しくは コンテンツポリシー をご覧ください。