結婚をきっかけに家計やライフプランが変わると、独身のころに入った保険では保障が足りなくなるケースもあります。
結婚後の保険見直しでは、病気やケガに備える「医療保険」のほか、万一の際に家族の生活を守る「生命保険」など、考えるべきことは多岐にわたります。 なかでも、出産や育児などで支出が増えることを見据え、まずは家計の基本となる「医療保険」の見直しも重要になってきます。
この記事ではその「医療保険」に絞って、見直しのポイントをわかりやすく整理して紹介します。
結婚したら医療保険を見直すべき理由
独身時代と結婚後では「守る範囲」が変わる
独身のときは、自分の医療費や生活費だけを想定していれば十分でした。
しかし結婚すると、配偶者や将来の家族を支えるためのリスク管理が必要になります。
| 独身時代 | 結婚後 | |
|---|---|---|
生活費の責任範囲 | 自分のみ | 夫婦・将来の子どもを含む |
医療費の影響 | 一時的な支出で済む | 家計全体に影響 |
収入減少リスク | 自分の貯蓄が主な備え | 配偶者の生活に直結 |
出産・育児費 | 該当なし | 医療+生活支出が同時発生 |
特に出産や家のローンなど大きな支出が増えるタイミングでは、保障不足になる可能性があります。
医療費負担の現実|見直さないとどうなる?
厚生労働省の調査によると、入院1回あたりの平均自己負担は約20万円前後。
手術を伴う入院では、さらに自己負担額が高額になるケースもあります。
公益財団法人生命保険文化センター「入院費用(自己負担額)はどれくらい?」
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/2022(令和4)年度
たとえば、結婚後の妊娠・出産にも大きな出費が伴います。
近年、出産育児一時金が原則50万円に増額され、正常分娩での平均的な出産費用(約50万円)はカバーされやすくなりました。
しかし、帝王切開での出産や合併症による入院延長など、予期せぬ医療費が発生した場合に備えることは依然として重要です。
このほか、子どもの医療費や家庭の生活費と重なると、貯蓄を取り崩さざるを得ない状況になることもあり得ます。
自分たちの場合、どんな保障が必要で、保険料はいくらになるんだろう?と思ったら、まずは無料の見積もりで今の自分たちに合うプランを確認してみましょう。
結婚したら見直すべき医療保険の6つのポイント
医療保険の内容は一見複雑ですが、見直しのときに注目すべきポイントを順番に紹介していきます。
1.保障内容|入院・手術の範囲を確認
まず保険の土台となる部分です。
「今の医療」に合わせて、短期入院や日帰り手術をきちんとカバーできるかチェックしましょう。
入院保障
「日帰り入院」から保障される?
入院日数にかかわらず一時金がもらえる「入院一時金特約」はある?
手術保障
保障対象が「入院中の手術のみ」に限定されていないか?
「外来手術」や「放射線治療」もカバーできる?
短期入院に手厚い保障内容になっているかが見直しの第一歩です。
2.特約|必要なオプションを選択
特約は、基本保障にプラスして大きなリスクに備える「オプション」です。
特に以下の2つの特約は、少ない保険料で万一の高額負担に備えられます。
先進医療特約
健康保険が使えない治療に備える。
三大疾病特約/がん特約
長期化しやすい重い病気の治療や収入減に備える。
https://ins.minkabu.jp/columns/what-is-advancedmedical-230728
3.女性向け保障|妊娠・出産前に必ず確認
結婚後の大きなライフイベントである妊娠・出産にも備えておくと安心です。
女性疾病特約
子宮筋腫や乳がんなど、女性特有の病気への保障を手厚くします。
帝王切開への備え
妊娠・出産に伴う入院や手術が保障の対象になるかチェックが必須です。
【女性疾病特約の保険料例】
30歳女性が医療保険に追加する場合 ※保険会社毎に特約の詳細は異なります。
(2025.10月現在 みんかぶ保険掲載の保険商品より算出)
女性疾病入院一時金特約
月額 約300~400円プラス
女性疾病入院特約(手術保障つき)
月額 約600~700円プラス
妊娠後は新規加入・特約追加が制限されるため、妊娠前の加入・見直しがポイントです。
https://ins.minkabu.jp/columns/pregnancy-medical-insurance
4.保険期間と保険料|家計とのバランスをチェック
保障内容だけでなく、「いつまで」「いくらで」保障を持つかは非常に重要です。
家計とのバランスを見ながら、自分たちに合った形を選びましょう。
保険期間
一生涯の安心か、一定期間の手厚さか。
終身型
メリット:保障が一生涯続き、保険料は加入時から上がらない。
デメリット:加入時の年齢によって保険料は定期型より割高になるケースもある。
定期型
メリット:加入時の年齢によっては保険料が割安で、保障内容を充実させやすい。
デメリット:更新のたびに保険料が上がり、保障も一定期間で終了する。
このように終身型と定期型にはそれぞれ特徴がありますが、 どちらが良いか迷う場合、
「子育てが終わるまでの20年間は、割安な定期型で保障を手厚くし、その後、終身型に見直す」
といった、ライフステージに合わせた組み合わせも有効です。
「貯蓄+公的医療制度でどこまでカバーできるか」を冷静に考え、将来の収入の変化も見越して、無理のない支払い設計にしましょう。
5.名義・受取人|変更を忘れずに
結婚後は、万一の際の給付金受取人を配偶者に変更するのが一般的です。
いざという時に手続きで困らないよう、契約内容を確認し、必要であれば変更しておきましょう。
6.夫婦での重複保障|無駄はない?
特に共働き夫婦の場合、お互いの会社の健康保険組合や福利厚生で、手厚い保障が用意されていることがあります。
民間の保険で備える前に、まずは公的な保障や会社の制度を確認し、保障の重複による保険料の払い過ぎを防ぎましょう。
【ケース別】ライフスタイルに合わせた見直し例
共働き・子どもなし夫婦(DINKS)
お互いに安定した収入があり、家計に余裕があるのがこのケース。
短期的な入院による収入減には比較的強いですが、その分、将来の高額な出費に対する備えが手薄になっている可能性もあります。
見直しのポイント
医療費が高額になる可能性のある治療への備え
長期入院はもちろん、保険適用外の費用もかさむ可能性がある不妊治療などを検討している場合は、給付金や一時金で備えられるかを確認しておくと安心です。
片働き・将来子どもを考える夫婦
世帯の収入をどちらか一方が支えているため、大黒柱の方が入院などで働けなくなると、家計への影響が非常に大きくなります。
また、妊娠・出産というライフイベントを控えているため、夫婦それぞれの視点での備えが重要です。
さらに、将来の子育てにはまとまった教育費も必要になります。
文部科学省の調査によると、幼稚園から高校まで公立に通う場合でも約680万円かかるとされています。
このように、教育費・生活費・医療費が同時期に重なりやすいライフステージだからこそ、家計を守るための保険見直しが欠かせません。
見直しのポイント
大黒柱の収入減リスクに備える
病気やケガで長期間働けなくなる事態に備えて、毎月お給料のように給付金が受け取れる「就業不能保険」の検討も有効です。
妻の保障は「妊娠前」に
帝王切開や切迫早産といった妊娠・出産に伴うリスクをカバーできる「女性疾病特約」などは、必ず妊娠前に検討・追加しておきましょう。
帝王切開で出産する割合は年々増加しており、近年では約4~5人に1人となっています。
厚生労働省「令和2(2020)年 医療施設(静態・動態)調査(確定数)・病院報告の概況 」
住宅購入を予定している夫婦
住宅ローンという長期の固定費を抱えるため、これまで以上に計画的な家計管理が求められます。
生命保険文化センターによると、住宅購入にかかる平均費用は、土地付注文住宅で約4,900万円、マンションで約5,200万円とされています。
公益財団法人 生命保険文化センター「住宅の平均購入価格と住宅ローン返済額はいくらくらい?」
多くの家庭で「ローン返済」は家計の大部分を占める支出となっていることがわかります。
そのため、「ローン返済」と「医療費」という大きな支出が同時に発生するリスクをしっかりコントロールすることが重要です。
見直しのポイント
住宅ローンの保険(団信)との連携
住宅ローンに付帯する「団体信用生命保険(団信)」で、どこまでの病気がカバーされるかを確認しましょう。
がんと診断されただけでローン残高がゼロになる団信もあります。
その内容を踏まえ、不足する部分を民間の医療保険で補うのが効率的です。
保険料が変わらない「終身型」を検討
今後、子どもの教育費などで支出が増えることを見越して、保険料が途中で上がらない「終身型」の医療保険を選ぶと、将来の家計が見通しやすくなります。
よくある質問(FAQ)

結婚後の医療保険見直し、最適なタイミングはいつ?
結婚直後は、家計や保障の見直しに最適なタイミングです。配偶者の加入状況や家計負担を確認し、必要な保障額を再設定しましょう。
また、出産や住宅購入前、転職時なども見直しのタイミング。
ライフイベントごとに保障のズレが生じるため、節目ごとの確認が大切です。
夫婦の医療保険は同じものに入るべき?
医療保険は、それぞれの年齢・健康状態・職業によって最適なプランが異なります。
たとえば、夫はがん特約を重視、妻は出産リスクに備えるなど、目的別に検討しましょう。
夫婦で同じ保険にする必要はなく、「どちらにどんな保障が必要か」を個別に検討することが大切です。
今の保険を解約せずに見直す方法はないの?
追加で別の保険を補う方法も可能です。
ただし重複保障になっていないか、FPなどに確認してから手続きをするとより安心です。
妊娠中でも加入・見直しはできる?
妊娠中は加入できない、または一部特約が制限される保険もあります。
妊娠前の見直しが理想ですが、出産後に再度加入を検討することもできます。
https://ins.minkabu.jp/columns/pregnancy-medical-insurance
共働きの場合も医療保険を見直す必要はある?
共働きでも、入院や手術でどちらかの収入が減ると生活への影響はあります。
お互いの健康保険の内容や貯蓄状況を確認し、医療費の自己負担に備える形で保障を見直しておくと安心です。
まとめ|結婚は保険見直しのベストタイミング
結婚を機に見直す保険は「家族を守る第一歩」です。
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