上記のように、高血圧の人でも加入できる保険があるのか気になる人も多いでしょう。
高血圧であっても、いくつかのポイントに気をつければ保険に加入できる可能性は高くなります。
この記事では、高血圧でも入れる保険はあるのか、加入できる保険がある場合、どういう点に気をつければ良いのかを解説します。
この記事でわかること
高血圧の人が一般的な医療保険や生命保険に加入しづらい
高血圧の人でも入れる可能性が高い保険は引受基準緩和型保険/無選択型保険の2つ
高血圧の人は一般的な医療保険や生命保険に加入しづらい
高血圧の人は、一般的な医療保険や生命保険に加入しようとしても断られてしまう可能性が高いです。
ただし、高血圧であるすべての人が加入を断られるわけではありません。年齢や血圧の数値などによっては加入できる可能性もあります。
また以下のように高血圧である人でも加入しやすいタイプの保険も存在します。先にそのような保険について知りたい人は、以下の章からお読みください。
ここからは「なぜ高血圧の人は一般的な保険に入りづらいのか」について解説します。
高血圧とはどのような状態のこと?
まずは、高血圧とはどのような状態なのかを把握しておきましょう。
日本高血圧学会によると、高血圧と診断される基準は以下のとおりです。
診察室血圧 |
家庭血圧 |
|
最高血圧 |
140mmHg以上 |
135mmHg以上 |
最低血圧 |
90mmHg以上 |
85mmHg以上 |
※ 診察室血圧の数値基準です
上記の数値はあくまで診断の基準であり「保険に加入できる基準」であるわけではありません。そのため、上記の数値を超えていても加入できる場合もあります。逆に下回っていても加入できない可能性はゼロではありません。
とは言え、上記の基準を上回り、高血圧であると診断された人は、一般的な保険に加入できる可能性が下がってしまうのは事実でしょう。
一般的な保険に加入する際は健康状態に関する告知が義務づけられている
一般的な医療保険や生命保険に加入する際は、健康状態に関する告知が必要です。具体的な項目の例は以下のとおりです。
最近3か月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがあるか
過去1年以内に、病気やケガで入院をしたこと、または手術を受けたことがあるか
5年以内に、保険会社の指定する病気以外の疾病で、通算7日以上に渡る入院や手術、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるか
過去2年以内の健康診断・人間ドックにおいて、保険会社が指定する項目で異常を指摘されたことがあるか
高血圧の人が一般的な保険に入りづらい理由は病気リスクが高いから
では、なぜ高血圧だと保険への加入が難しくなるのでしょうか。その理由は「大きな病気を発症するリスクが高い人だとみなされるから」です。
高血圧とは、心臓病や脳卒中などの重大な疾患のリスクが高まっている状態。言い換えれば「大きな病気を発症し給付金を請求する可能性が高い状態」です。
そのため一般的に、生命保険や医療保険において高血圧は「持病」として扱われます。
病気になるリスクが高い人が加入しづらいのは公平性を保つため
ではなぜ、持病がある人や病気になるリスクが高い人は一般的な保険に入りづらいのでしょうか?それは、保険に加入している人の公平性を担保するためです。
もし病気リスクが高い人を保険に多く加入させる場合、保険会社にとっては多額の保険金や給付金を請求される可能性が高くなります。そのため保険会社は、保険加入者の保険料を上げることで、資金を準備する必要があります。
しかし保険に加入している健康的な人にとっては、病気リスクが高いほかの加入者のために保険料を多く支払わなければなりません。一部の人のために多くの人が経済的な負担を強いられるため、公平性が崩れてしまいます。
そのような事態を防ぐため、保険会社は病気になるリスクが高い人の加入を断る場合があります。
高血圧の人でも入りやすい保険はある
高血圧が原因で一般的な保険に加入できない人でも、以下のように加入しやすいタイプの保険が存在します。
保険の名称 |
特徴 |
注意点 |
引受基準緩和型保険 |
一般的な保険よりも告知項目が少ない |
一般的な保険よりも保険料が割高 保障内容に一部制限が設けられていることもある |
無選択型保険 |
健康状態に関する告知が不要 |
引受基準緩和型保険よりも保険料がさらに割高 保障内容に制限が設けられている |
がん保険 |
告知内容はがんに関連する項目のみ |
保障内容はがんに限定される |
上記3種類の保険であれば、高血圧が理由で一般的な医療保険や生命保険に加入できなかった人でも入りやすいです。
それぞれどのような保険であるか、簡単にわかりやすく解説します。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険とは、健康状態に関する告知項目が一般的な保険よりも少なく設定されているタイプの保険です。
ただし加入ハードルが低い分、保険料は一般的な医療保険よりも割高に設定されています。また加入してから一定期間は、保険金や給付金が減額されるケースも多いです。
それでも、一般的な保険のように幅広い病気に備えられるのは嬉しいですね。
https://ins.minkabu.jp/columns/medical-underwriting-criteria-relaxed-insurance-240802
無選択型保険
無選択型保険は、健康状態に関する告知自体が必要ない保険です。
健康状態に関わらず加入できるため、保険料は引受基準緩和型保険よりも高めに設定されています。また保障内容にも、以下のような制限が設けられているケースが多いです。
用語 |
説明 |
免責期間 |
加入してから一定期間(例:90日)は給付金が支払われない |
支払削減期間 |
加入後1~2年年程度は、給付金の金額が削減される(「支払った保険料と同額」など) |
保障内容の制限 |
一般的な医療保険に比べて、入院日額や手術給付金の上限額が低めに設定されやすい |
引受基準緩和型保険の方が、保険料や保障内容におけるデメリットが小さいです。まずは引受基準緩和型保険の加入手続きを試みて、入れなかったら無選択型保険を選ぶのがおすすめです。
もし無選択型保険に加入するのであれば、具体的に保障内容にどんな制限がかけられているか確認しましょう。
という事態はなるべく避けたいですね。
デメリットはあるものの、持病や既往歴、病気のリスクがある人でも備えられるのはやはり大きなメリットです。
がん保険
実はがん保険も、高血圧の人が加入しやすい保険のひとつです。
しかしがん保険は「がんに特化した保険」であり、引受基準緩和型保険や無選択型保険よりも保障範囲は狭いです。それでも、がん保険に加入しておけば、がんと診断された場合の治療費や入院費、手術費などに備えられます。
高血圧だけでなく、がんも発症リスクの高い病気です。必要に応じてがん保険も活用し、効果的に備えましょう。
高血圧の人でも一般的な保険に入れる可能性はある
ここまで、高血圧の人でも加入しやすい保険について解説してきました。しかし高血圧だからといって、一般的な保険に絶対入れないわけではありません。
高血圧の人でも、通常の医療保険や生命保険に加入できる可能性はあります。そのため、まずは通常の保険を選んで加入手続きを開始してみるのがおすすめです。
血圧が高い人であっても、保険会社独自の基準をもとに行われる審査をクリアすれば一般的な保険に加入できます。
ただし一般的な保険に入れたとしても、保険料が高くなったり、保障内容に一部制限がかけられる可能性があります。もし審査をクリアできたとしても、契約内容を入念に確認しましょう。
高血圧によって保険への加入が難しくなるケース
高血圧の人が一般的な保険に加入できるケースもあるとお伝えしましたが、そのためには保険会社による審査をクリアしなければなりません。
審査基準は保険会社により異なるため、審査をクリアするための方法を紹介するのは難しいです。逆に「どのような人が審査に引っかかりやすいか」は共通しています。
一般的な医療保険・生命保険に入った方が、引受基準緩和型保険や無選択型保険よりもメリットが大きいです。そのため、少しでも一般的な保険に加入できる可能性は上げておきたいところ。
以下に当てはまる人は、一般的な保険への加入が難しくなってしまうと考えられます。
高血圧の適切な治療を受けていない
他の病気や合併症がある
治療期間や薬を服用している期間が短い
高血圧の基準値を大きく上回っている
それぞれのNG項目について、詳しくみていきましょう。上記のようなNG項目を回避すれば、高血圧の人でも一般的な保険に加入できる可能性が高くなるでしょう。
高血圧の適切な治療を受けていない
高血圧と診断されたにもかかわらず、適切な治療を続けていない場合は、保険への加入が難しいです。
医師から指示された治療を続けないと、適切に治療している人よりも病気になるリスクが高いと保険会社に判断されます。高血圧の人が一般的な保険に加入するためには、医師の指示に従い「血圧を下げる努力をしているか否か」が非常に重要です。
他の病気や合併症がある
高血圧に加えて、糖尿病や高脂血症、心臓病、脳血管疾患のように、既にほかの病気や合併症を発症している場合は、保険に加入できる可能性がさらに低くなります。
加入手続き時点で大きな病気が完治していない人は、医療保険や生命保険に加入できないことが多いです。そのため、保険で病気に備えたいのであれば、病気になる前から保険に入っておく必要があります。
治療期間や薬の服用している期間が短い
高血圧の診断を受けてからまだ日が浅く、治療期間や薬の服用期間が短い場合も、保険会社から加入を断られてしまいやすいです。
短期間の治療だけでは血圧が安定しにくく、病気になるリスクを保険会社が正しく評価できないためです。
治療期間に関しても、血圧値の場合と同様に「保険の加入可否に影響する明確な基準」はありません。ただし、血圧の数値が十分に安定するまでは、保険の加入は難しいと考えるのが良いでしょう。
高血圧の基準値を大きく上回っている
保険に加入できるかを判断するための「血圧値の基準」は、保険会社によって異なるとお伝えしました。それでも、高血圧の診断基準を大きく上回っているのであれば、保険への加入は難しいです。
以下の表における「II度高血圧」「III度高血圧」に当てはまる方は、保険に加入できる可能性が低いと考えられます。
収縮期血圧 |
拡張期血圧 |
|
I度高血圧 |
140-159mmHg |
90-99mmHg |
II度高血圧 |
160-179mmHg |
100-109mmHg |
III度高血圧 |
180mmHg以上 |
110mmHg以上 |
※ 診察室血圧の数値基準です
高血圧の診断基準値を大きく上回る場合、まずは医師による指導や適切な治療を受けるのが重要です。血圧が改善されれば、保険に加入できる可能性も高くなります。
まとめ
高血圧の人は、一般的な医療保険や生命保険には加入できない可能性があります。しかし治療状況や年齢、実際の血圧の数値など、さまざまな要素によって一般的な保険に入れるかどうかは変わります。
そのため、まずは一般的な医療保険や生命保険への加入手続きをしてみましょう。そのうえで、もし加入を断られたら、引受基準緩和型保険や無選択型保険、がん保険といった高血圧の人でも入りやすい保険を選ぶのがおすすめです。
またどのタイプの保険を選ぶべきか、自信を持って決められない人もいらっしゃるでしょう。みんかぶ保険の無料相談では、保険の専門知識を豊富に持つスタッフに無料で相談できます。
何度でも無料で相談でき、特定の保険商品を強制的に選ばされることもありません。安心してご利用いただけます。
なるべく後悔のない保険選びをしたい人は、ぜひ活用してみてください。
高血圧の人でも入りやすい保険についてよくある質問
告知内容で嘘をつく告知義務違反をしてもバレない?
結論、告知義務違反はバレてしまう可能性が非常に高いです。
「嘘の告知をしてもバレないのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。実際、虚偽の告知をしても、保険への加入自体はできるかもしれません。
しかし、問題は「給付金の請求時」です。被保険者が給付金を請求すると、保険会社は詳細な調査を開始します。
国民健康保険や健康保険に残されている医療機関の利用履歴
医療機関に保存されているカルテ
健康診断の結果
上記のように「本当に給付金や保険金の支払が妥当であるか」について、保険会社は詳細な調査を実施します。そのため、告知内容を誤魔化しても結局バレてしまうでしょう。
もし嘘が発覚した場合、保険料を支払っていたとしても給付金は受け取れません。場合によっては強制的に契約を解除されてしまったり、給付金の不正請求とみなされ法的責任を問われたりする恐れもあります。
そのため、保険の加入手続きをする際には、高血圧であることや治療状況について正直に告知しましょう。
https://ins.minkabu.jp/columns/needs-results-medicalcheckup-240321
共済に加入する際も高血圧について告知する義務はある?
共済においても一般的に、加入時には健康状態に関する告知義務があります。そのため高血圧である場合、そのことも組合に伝えなければなりません。
共済の告知内容としては、以下のようなものがあります。
現在、病気やケガの治療中である。または検査や治療が必要と指摘されている(健康診断や人間ドックなどで、検査や治療が必要と指摘された場合を含む)、もしくは検査中である
慢性疾患の診断を受けている、もしくは医師から治療をすすめられている。または慢性疾患が治ってから5年以内である
慢性疾患や中毒のため薬を常用している
過去1年以内に、病気やケガで連続14日以上の入院か、同じ病気やケガなどで20回以上の通院治療を受けたか、または過去3ヵ月以内に心身に異常を感じる症状や変調があった
手術を受け、治ってからまだ1年以内である
身体に残る障害や先天性の病気により、日常生活において他人の手助けを必要とする状態である
高血圧であっても、共済に加入できる可能性はあります。ただし一般的な保険と同様に、高血圧の人は健康な人よりも加入を断られやすいです。
また加入できたとしても、一部の保障が制限される可能性があります。
高血圧になったら医療保険はおりる?
高血圧の治療のために入院や手術が必要になった場合、入院給付金や手術給付金を受け取れます。
また「生活習慣病特約」を付帯すれば、高血圧により入院が必要になった際に、追加でさらに給付金が受け取れます。実際の保障範囲や給付金額は保険会社によって異なるため、気になる人は保険商品の保障内容をチェックしてみましょう。