車両保険を外すのに適したタイミングはいつ?判断基準とその理由をわかりやすく解説

著者:みんかぶ編集室

監修:

生野 佳澄

1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / トータル・ライフ・コンサルタント / フィナンシャル・エージェンシー所属

事故や盗難などのトラブルによる自身の車の修理・買い替え費用を補償してくれる「車両保険」。

実は、車両保険は契約途中でも外すことができ、保険料を抑えることが可能です。車両保険を付帯している方の8割以上が、契約開始から15年以内に車両保険を外しているというデータもあります。

ですが、外すのに最適なタイミングはいつでしょうか?

外すべきなのかについて、どのように判断すれば良いかも迷ってしまいますよね。

車両保険を外すのが不安な方のために、付帯したまま保険料を抑える方法についても詳しく説明します。車両保険を外すのが不安な方は合わせてチェックしてみてください。

車両保険はそもそも必要なのか?

車両保険ってそもそも必要なの?

まずは、車両保険が必要なケースの特徴について考えてみましょう。

次の項目に当てはまる場合は、車両保険をつけておいたほうが安心だと言われています。

車両保険をつけておいた方が安心な場面

 

  • 新車や高級車を運転する場合

車両価値が高く、補償額が高めに設定されることが多いから

 

  • 運転歴が浅い or 高齢者である場合

統計的に事故リスクが高いから

 

  • ローン残高が多く残っている場合

修理や買い替え費用とローン支払いが重なってしまい、経済的に圧迫されるから

上記のように、車両価値が高く、事故リスクや経済的負荷も大きい場合は、車両保険による恩恵をより多く受けることができます。

車両保険を外すメリット

では、車両保険を外すことでどのようなメリットが得られるのでしょうか。

最も大きなメリットは、支払う保険料が安くなることでしょう。車両保険を外すことで、一般的には年間数万円ほど保険料が安くなります。

5年経つと、加入しないことでお得になるケースもあるため、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

どれだけ保険料がお得になるか、より詳しく知りたい方は以下の章でより詳しく説明しています。

車両保険を外すと保険料はいくら安くなる?の章を先に読む

また、車両保険による等級への影響を抑えることができます。

例えば、車の修理のために車両保険を使って保険金を請求したとしましょう。その場合、等級が下がり、支払う保険料も割高となってしまいます。

車両保険を外すことで、そのような影響をあらかじめ防ぐことができます。

車両保険を外すデメリット

一方で、デメリットも存在します。

車両保険を外してしまう分、車の修理費が自己負担になってしまいます。

  • 相手が任意保険に入っていないため、十分な補償金が支払われない

  • 当て逃げや落書きをされた

  • 自然災害で車が壊れた

上記のように、自分ではどうすることもできないようなケースでも、車両保険に入っていれば修理費が補償されるでしょう。

※自然災害の地震、噴火、津波等は対象外

突発的な外的要因であっても、車両保険を外した場合、修理費はすべて自己負担となってしまいます。

車両保険を外すのにおすすめのタイミングはいつ?

車両保険を外したい おすすめのタイミングはいつ?

ここまで述べてきたように、車両保険を外すことにはメリットもデメリットも存在します。

しかし、車両保険を外すタイミングによっては、上記のようなデメリットをより抑えることができるかもしれません。

車両保険を外すのにおすすめのタイミングは次の3つです。

車両保険を外すのにおすすめな3つのタイミング

  • 新車購入から10年後

  • 新車購入から13年後

  • 車両保険の保険金額が修理・買い替え費用を大きく下回ったタイミング

新車購入から10年後

車両保険を使った時に支払われる保険金の上限額は、「事故や故障が発生した時点での購入代金」とされています。

新車で購入した時点での車両価格ではないため、注意が必要です。

そして、車の値段は、発売から時間が経つほど価値が減少していきます(=減価償却)。

車両価格は、一般的に1年あたり20%程度下がるため、10年が経過すると十分な保険金が期待できないかもしれません

例えば新車を300万円かけて購入したとしても、10年経って同じ車が約30万円で購入可能な場合、支払われる保険金は約10分の1となってしまいます。

車両保険金額の推移

※表の金額はあくまで目安。実際の減価償却とは多少の乖離が生じますのでご注意ください。

新車購入から13年後

新車を購入してから13年が経過すると、ハイブリッド車以外のガソリン車では、自動車税や軽自動車税、自動車重量税の支払額が上がります。

普通自動車だけでなく、軽自動車においても同様に税金が高くなってしまいます。

つまり、減価償却によって補償額が減るにも関わらず、出費が増えてしまうことになりますね。

保険料や税金といった支払いに対して、受け取ることができる補償額が少なすぎる」と感じやすいタイミングのひとつと言えます。

車両保険の保険金額が修理・買い替え費用を大きく下回ったタイミング

車種や型式、販売数など、さまざまな要因で減価償却のペースは変動します。

自身が所有する車に設定されている保険金額が、実際の修理・買い替え費用を大きく下回った際には、車両保険の本来のメリットがあまり感じられなくなるでしょう。

そのようなケースでは、同じ保険料を支払っているにも関わらず、もしものことがあっても必要な費用のほとんどを自己負担しなければならない可能性が高くなります。

補償金額が数万円程度になったときに車両保険を外すのは、むしろ賢い選択肢かもしれません。

【安くて手厚い保険がわかる】自動車保険 保険料満足度ランキング

車両保険加入者は何年で車両保険を外している?

車両保険加入者は何年で車両保険を外している?

では実際に、車両保険に加入した人は何年で車両保険を外しているのでしょうか。

経過年数ごとの車両保険を付けている人の割合

※集計期間:2015年11月21日~2023年3月14日、集計対象:株式会社フィナンシャル・エージェンシー経由で自動車保険を契約したお客様の契約内容。

実際のデータを見てみると、新車購入から9年目には約7割が外し、13年目に車両保険を契約している人はおよそ5分の1しか残っていないことがわかります。

車齢が経つにつれて補償額が小さくなり、支払う保険料に対して補償額が見合わないと感じる人が増えるのが、要因として挙げられます。

特に13年目は、先述した通り、補償額が下がり続ける一方で税金は高くなる時期です。そのため、出費と補償額のバランスを考慮して、車両保険を見直す人が増えると考えられます。

運転機会が少なく「運転に自信がない人」はずっと車両保険を付帯しておくべき?

運転機会が少なっくて運転に自信がない ずっと社長保険を付帯しておくべき?

一方で、あまり運転に自信がなく、車両保険を外すのが不安な方もいらっしゃるでしょう。

事故リスクが高いと感じてしまう方にとって、車の修理費を補償してくれる車両保険はやはり心強いですよね。

しかし、先ほども述べたように、車両価値が下がるにつれて補償金額は下がり続け、自己負担額がどんどん大きくなっていきます。

加入しているメリットが小さくなってしまうため、補償額が修理や買い替えに必要な費用を大きく下回った場合、外しても大丈夫だと言えそうです。

特に、運転機会が少なく、車以外の交通手段でも不便なく生活できる場合は、修理や買い替えを急ぐ必要性も低いでしょう。したがって、車両保険を外すデメリットはより少なく済むかもしれませんね。

車両保険を外すと保険料はいくら安くなる?

もし車両保険を外した場合、保険料はどれだけ安くなるのでしょうか。

実際に契約している方の保険料をもとに、車両保険を外した際の相場を確認してみましょう。

車両保険ありとなしの場合の保険料の相場

※集計期間:2015年11月21日~2023年3月14日、集計対象:株式会社フィナンシャル・エージェンシー経由で自動車保険を契約したお客様の契約内容。

年齢や等級など、さまざまな条件により保険料は変わりますが、車両保険を外すことで年間およそ2〜6万円ほどお得になります。5年間で10〜30万円の差が出ることになりますね。

このような経済的負担と保険によるメリットが釣り合っているかどうか、定期的に見直してみることで、よりお得に保険を利用することができるでしょう。

車両保険を付帯させたまま保険料を抑える方法はある?

車両保険を付帯させたまま保険料を抑える方法は?

ここまで読んでくださった方の中には、まだ車両保険を外すことに対して不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。

とはいえ、やはり保険料はなるべく抑えたいですよね。

ここからは、車両保険を外さずに保険料を抑える方法についても解説していきます。

エコノミー型で契約する

多くの保険会社では、「一般型」と「エコノミー型」の2種類の車両保険が用意されています。

エコノミー型とは、一般型よりも補償範囲を狭くする分、保険料がより安く設定されている車両保険のことです。

保険会社によって細かい補償範囲は異なりますが、補償範囲の例を以下の表にまとめました。

事例と一般形とエコノミー型の補償表

当て逃げされて相手がわからない場合や単独事故、自転車との接触事故など、エコノミー型にすることで補償されないケースが増えてしまうので、補償範囲はきちんと確認しましょう。

免責金額を高くする

車両保険では、「免責金額」を設定することができます。

免責金額とは、車両保険を使う際の自己負担額のことです。例えば、免責金額を10万円と設定し、40万円の修理費が必要になった時、10万円は自分で支払い残りの30万円を保険金でカバーすることができます。

自己負担額=免責金額

受け取る補償額を抑える分、支払う保険料も割安に設定されています。一方で減価償却によって補償額はどんどん下がってしまうため、定期的に保険料と補償額のバランスを確認するようにしましょう。

支払い方法を工夫する

多くの保険会社では、月払いよりも一括払い(年払い)」の方が保険料が割安になります。

また、支払い方法をポイント還元のあるクレジットカードに設定することで、よりお得に支払うことができます。

支払い方法を工夫するだけでも、経済的な負担を軽減できるかもしれません。

各種割引制度を使う

各保険会社では、それぞれ多くの割引制度が用意されています。

契約している保険によっては、まだ利用可能な割引制度が残っている可能性があります。

<割引制度の一例>

  • ノンフリート多数割引

  • ドラレコ継続割引

  • 1DAYマイレージ割引(24時間自動車保険無事故割引)

  • ゴールド免許割引

  • 新車割引

  • ASV割引

  • ECOカー割引

  • セカンドカー割引

補償内容を限定することなく、保険料を抑えることができるため、より安心な方法と言えますね。

より保険料が安い保険会社に乗り換える

同様の補償内容であっても、保険会社ごとに保険料は異なります。

そのため、保険会社を変えるだけで、補償内容を変えることなく保険料を抑えることができるかもしれません。

代理店型よりもダイレクト型の方が保険料は低めに設定されることが多く、保険会社によって割引制度の種類や内容が異なる場合もあります。

しかし、数多くの保険会社において実際の保険料を算出し、比較することは骨の折れる作業でしょう。一括見積もりを利用することで、最適な補償内容でよりお得な自動車保険をすぐに見つけることができます。

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【まとめ】車両保険を外すかどうかの判断基準・項目一覧

今回は、車両保険を外すのにおすすめなタイミングについて解説しました。

外すのにおすすめなタイミングを見極めるための判断基準として

  • 車齢が大きくなり、支払う保険料と受け取り可能な補償額のバランスが崩れたと感じるか?

  • 新車購入から13年が経過し支払いが増え、経済的な負担を感じているか?

  • 車両保険による補償額が実際の修理・買い替え費用を大きく下回ったか?

上記のような観点から、自身の保険を見直してみることをおすすめします。

また、保険料を抑えるためのさまざまな方法もあります。より賢い選択をするために、専門知識を持つ担当者に相談してみるのも良いかもしれませんね。

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みんかぶ編集室

資産形成メディア「みんかぶ」を中心に、金融商品の記事の執筆を行っています。資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。

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