火災保険

火災保険の上手な選び方|自分のニーズに合った火災保険を選ぶコツを解説

著者:高柳 侑己

生活の安心を保つために必要な「火災保険」。万が一のことを考えてできるだけ手厚くしたいと考えている人も多いはず。

住まいは「衣食住」のうちの一つで、生活に欠かせないものですからね。

とはいえ、補償を手厚くしすぎると「毎月の火災保険が高すぎる」、補償が十分でないと、自然災害に巻き込まれてしまったら「大損失」になる恐れがあります。

では、必要十分な補償内容で「自分に合った火災保険」はどのように選べばよいのでしょうか。この記事では「火災保険の上手な選び方」をわかりやすく解説します。

火災保険の選び方

火災保険を選ぶ6つのステップとポイント

火災保険を選ぶ手順は、以下6ステップです。

  • 補償対象を決める(建物・家財)
  • 構造級別(建物の造り)を確認する
  • 補償範囲を決める
  • 【重要】建物の保険金額を決める
  • 【重要】家財の保険金額を決める
  • 保険の契約期間を決める

各手順で抑えておくべきポイントを例を用いて分かりやすく説明します。

補償対象を決める(建物・家財)

火災保険の補償対象は建物と家財の2つが基本となります。

加入する際に補償の対象をどれにするのかを3パターンから選択します。

  1. 建物のみ
  2. 家財のみ
  3. 建物と家財

構造や保険金額等が同条件の場合は③の保険料が一番高くなります。補償の対象が広いほど保険料が高くなるので注意が必要です。

火災保険で選べる補償対象

「自分にとってその補償は必要か?それとも不要か?」を考えながら見ていきましょう。

建物と家財の分け方について、代表的なものを以下に記載するので参考にしてください。

建物と家財の分け方

※保険会社によって補償対象が異なるので確認が必要です

構造級別(建物の造り)を確認する

火災保険は建物の造り(柱等)によって構造級別という区分を用いて分類されます。

火災が起きた時に燃えにくい造りの場合は保険料が安くなり、燃えやすい造りの場合は保険料が高くなります。

火災のリスクに比例して保険料が高くなってくるため、お住まいの構造把握は必須と言えます。

それぞれの構造級別について建物の例を記載します。

構造別級について

構造級別を判断する際に役立つ書類を記載します。

【構造級別を確認するのに役立つ書類】

建物の種類

  • 建物登記簿謄本(抄本)

建物の所有権や概要等が記載されている書類であり、法務局のHPからオンラインで取得可能

  • 宅地建物取引業法に基づく重要事項説明書

宅地建物取引士が建物の取引内容を説明する際の書類

  • 不動産取引の書類

宅地建物取引業者から交付される書類(不動産売買契約書等)

耐火性能

  • 施工会社や住宅メーカー等の業者からの証明書

施工業者、住宅メーカーに依頼をすることで受け取れる書類

  • 独立行政法人住宅金融支援機構の特約火災保険の保険証券

保険会社や共済等から送付される書類

(耐火構造や構造級別等が記載されている)

その他

  • 建築確認申請書

建造物が、法律や条例等に適合しているのかを確認するための書類

  • 仕様書(図面)

建物の構造、材料、設備等を表す書類

  • お住まいのパンフレット

購入する際のパンフレット等

書類が見つからない場合や記載が見つからない場合は、施工業者やハウスメーカーに確認するとよいでしょう。

補償範囲を決める

補償範囲を決める

補償内容には「基本補償」と「オプション補償(特約)」の2つあります。(以下表参考)

手順としては、「基本補償」でカバーできる範囲を確認した上で「オプション補償(特約)」を選択する流れがベストとなります。

同じような補償を重複して付帯してしまうと保険料が大きくなってしまうので注意が必要です。

補償範囲を決めるコツとして「マンションなのか戸建てなのか」「河川の近くか、山の近くか、雪害が多い地域か」など、住む建物や地域においてリスク度合が異なります。

リスクが高い自然災害の補償に手厚く加入するようにしましょう。

基本補償 内容
代表的な「基本補償」
火災、落雷、破裂、爆発 貰い火、放火、落雷、ガス漏れによる爆発等の損害を補償
風災、雹(ひょう)災、雪災 台風や豪雪等による損害を補償
水災 洪水等による損害を補償
落下、飛来、衝突 外部からの飛来物等による損害を補償
騒擾(じょう)、集団行動等に伴う暴力行為 騒擾(じょう)や暴力行為等による損害を補償
水漏れ 給水管等の破裂等による損害を補償
盗難 空き巣や盗難等による損害を補償
破損、汚損 偶発的に発生した損害を補償
特約等 内容
代表的な「オプション補償(特約)」
臨時費用保険金 火災保険金の支払いが認められた時に、保険金が上乗せで受け取れる補償
地震火災費用保険金 地震などによる火災で損害が一定割合になった場合、保険金が受け取れる補償
個人賠償責任特約 偶然な事故により法律上の損害賠償責任を負担することにより被った損害を補償
類焼損害特約 近隣の住宅や家財に延焼してしまった際の補償
残存物片付け費用保険金 損害を受けた保険の対象の残存物の片付け費用を補償
失火見舞費用保険金 保険の対象となる建物から火災・爆発・破裂が発生し、第三者の所有物に損害が発生した場合に、第三者に支払う損害金

※補償の種類や定義については、保険会社によって異なります

【重要】建物の保険金額(限度額)を決める

建物の保険金額

保険金額とは、損害が発生した際に補償される限度額の事です。適切な評価額を設定しないと、補償が足りなかったり保険料を多く支払うことにも繋がるので重要なポイントです。

建物の保険金額を決める際には、「新価(再調達価額)」と「時価(現在の評価額)」のうちどちらかを基準にして保険金額を決定します。

※保険会社によっては「新価」のみで保険金額を決定する場合もあります


意味・特徴
新価 同じの建物を取得する際に必要な金額
時価 新価から、経過年数による消耗分を差し引いた金額

建物が全損等の万が一の事があった時、自己資金を使わずに同じ建物を取得できるように「新価」を基準に保険金額を算出する事をおすすめします。

以下にそれぞれの計算方法例を紹介します。

◆新価に基づいた保険金額の例

計算式としては「購入建物の消費税 ÷ 当時の消費税率」となります。

消費税は建物代金にかかり、土地代にはかかりません。

  • 購入した建物の消費税が250万円
  • 当時の消費税率が10%

建物の保険金額(新価) = 250万円 ÷ 10% = 2,500万円

※マンションの場合はこの金額から専有部分のみの金額を算出します。

◆時価に基づいた保険金額の例

計算式としては「新価で算出した保険金額 ー 経過年数分の消耗」となります。

  • 新価で算出した保険金額は2,500万円
  • 築5年
  • 5年で10%(250万円分)が消耗した

建物の保険金額(時価) = 2,500万円 - 250万円 = 2,250万円

所有している建物の評価額を調べるのがポイント

保険金額を算出する際の目安として、不動産価格を確認することをおすすめします。

不動産価格を調べるには、固定資産税の納税通知書にある「課税明細書」を確認してください。”価格(評価額)”の欄に記載されている金額が不動産価格になるので参考になります。

【重要】家財の保険金額を決める

家財の保険金額

補償の対象に家財を含める場合には、家財の保険金額を設定しなくてはなりません。

※家財とは、家具や家電製品などの生活用の動産の事を言います。

火災保険というと、建物の補償をイメージしやすいですが、家財の合計額は意外と高いので家財の補償は必要と言えます。

家財の代表例を記載します。

  • 家電(洗濯機、冷蔵庫、テレビ等)
  • 家具(ソファー、ベッド、テーブル等)
  • キッチン回り(食器、棚、調理器具等)
  • 子ども用品(勉強机、椅子、本等)
  • 自転車
  • その他生活用品等

家財の合計金額例を記載します

家族構成:3名(大人2人子供1人 世帯主は30後半)

  • 家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、PC、掃除機、空気清浄機 等) :210万円
  • 家具(ベッド、寝具、ソファー、絨毯、タンス、テーブル、机、椅子 等):200万円
  • 衣類(スーツ、コート、制服、普段着、婦人和服 等):160万円
  • 身の周り品(靴、バッグ、腕時計、アクセサリー 等):220万円
  • 趣味、娯楽(レジャー用品、スポーツ用品、楽器、ゲーム機、DVD 等):150万円

計 940万円

※あくまで目安となります

家財を1つを買い替えるだけでは、そこまで大きな金額はかかりませんが、今ある家財を全て買い替えるとなると合計金額は高くなってしまいます。

思っている以上に家財の金額は高額になってしまうので注意が必要です。

家財評価表を目安にすると便利

保険会社によってはHP上に家財の目安一覧が載っていたり、シミュレーションができたりします。

家財の保険金額を決定する際の目安となるのでオススメです。

家族構成別家財

※保険会社によって異なります

価額が30万円以上のものは保険証券に明記しよう

家財補償を付ける際に、あらかじめ申込書に明記しておかなければ補償の対象外になるものを明記物件と言います。

明記物件は1個または1組の金額が30万円以上の貴金属、宝石、書画等の事を指しますが、保険会社によって定義が異なるので、明記物件と思われるものは申込時に保険会社へ確認が必要です。

保険の契約期間を決める

保険の契約期間は1年〜最長10年になります。契約期間が長いほど保険料は安くなり、一括払いの方がさらに安くなります。

しかし、2022年10月から保険期間の最長が5年に短縮されてしまうので注意が必要です。

関連記事:火災保険の10年契約がなくなる!長期一括払いでお得(割安)に契約する方法を紹介

火災保険の平均相場はいくらくらい?

火災保険の相場は地域、構造、保険金額等によって異なるため、明確な平均相場というのはありません。

1年契約の保険料の目安として以下表を参考にしてください。

建物種類別保険料

※当社調べによる

火災保険選びのコツ・注意点

火災保険選びのコツ

納得のいく火災保険選びをするには3つのコツがあります。

◆起きやすい災害・起きづらい災害を確認する

◆契約期間が終了する / 引越しするタイミングで保険内容を見直す

◆不要な補償をつけないよう注意する

それぞれ注意点があるので合わせて記載します。

起きやすい災害・起きづらい災害を確認する

住所の名称に「川」という漢字が入っていると水害のリスクが高いという話を一度は聞いたことがあるかもしれません。

お住まいの地域や建物によって自然災害のリスクが増減するため、地域の特性を加味して補償内容を選ぶ方法をおすすめします。

  • マンションであれば水害などのリスクが少なくなる
  • 持ち家であれば自然災害に対しても手厚くしておいた方が安心

といった考え方は必須です。

また、お住まいの地域の水害、地盤沈下、地震のリスク度合いについてはハザードマップを確認すると把握できるので確認が必要です。

国土交通省:ハザードマップポータルサイト (https://disaportal.gsi.go.jp/)

契約期間が終了する/引越しするタイミングで保険内容を見直す

昨今、スマート家電やスマートロック(鍵)等の設備が増えていると思いますが、サイバー攻撃に備えた補償が付けられる商品もあります。

火災保険も時代のニーズにあった新商品が出てくるので、入っている保険の期間が終わった、また引っ越すタイミングでは保険の見直しを推奨します。

昔の保険のままだと、カバーされていると思っていたが補償されなかったというケースもあります。

時代に合わせた保険に加入して、万一の時でも安心して補償を受けられる状態にしておくことをおすすめします。

不要な補償をつけないよう注意する

補償は手厚ければ手厚い方が良いというわけではありません。リスクの少ない補償を多く付けても保険料が大きくなってしまいます。

補償内容の取捨選択をすることで自分にぴったりの保険に加入することができます。

また、個人賠償責任補償等の特約は自動車保険や傷害保険で既に持っているというケースもあるので、加入する際は自身の持っている保険で加入しているかどうかの確認も必要となります。

地震保険には入らなくてもいい?

万が一に備えた保険

日本は地震大国でもあり、日本全土で2021年の震度1以上の地震の回数は2,424回も発生しています。(1日当り約6.6回)

気象庁:震度データベース(https://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.html)

地震が多い日本に住んでいるのであれば、万が一の事態が起こった際にも金銭面と精神面での安心を得る為に、地震保険の加入をしておくのが良いでしょう。

また、地震保険は単体で入ることができず、火災保険とセットで加入しなくてはなりませんので注意が必要です。(主の契約は火災保険であり、+αの部分で地震保険が存在)

保険料控除の対象にもなる

地震保険は「保険料控除」の対象になるので節税効果があります。

控除額は最大で50,000円と上限が決まっております。保険料が50,000円未満の場合はの全額が控除額になります。(平成19年以降に加入した地震保険の場合)

  • 年間支払い保険料が40,000円の場合 → 控除額 = 40,000円
  • 年間支払い保険料が60,000円の場合 → 控除額 = 50,000円

※平成18年以前に加入した火災保険がある場合は異なります

保険料控除を受ける際の申請方法については、年末調整と確定申告によって手順が異なるのでポイントを記載します。

年末調整の手順

  • 必要書類を取り揃える
  • 給与所得者の保険料控除申告書の「地震保険料控除」の欄を埋める
  • 給与所得者の保険料控除申請書兼配偶者特別控除申請書を記入する
  • 記入した2つの書類を勤務先へ提出する

確定申告の手順

  • 確定申告書 第一表と第二表を用意する
  • 1年間の地震保険料、地震保険料控除など必要項目を記入
  • 地震保険料控除証明書と一緒に提出する

確定申告は「e-Tax」というWEBで行える方法も存在しております。分かりやすい説明付きなので、不備の心配がある方におすすめです。

国税庁:e-Tax 国税電子申告・納税システム(https://www.e-tax.nta.go.jp/index.html)

関連記事:火災保険と地震保険はセットで必要?気になる答えと理由をわかりやすく解説

火災保険選びは「一括見積もり」が便利

今回は、火災保険の上手な選び方について解説してきました。記載したポイントを抑えお住まいの自然災害のリスクを把握し、必要な補償を選択すると自分のニーズにあった火災保険に加入できるでしょう。

火災保険の商品は保険会社によって特色が異なります。ニーズにあった保険を探す際には各社の見積もりを比較する必要があります。

みんかぶ保険では、火災保険の一括見積もり機能を用意しているため、面倒な手間を抑えて、適切な火災保険を効率的に見つけることができます。

住まいの安心を確保するために必要な火災保険は、自分にピッタリの保険を選びましょう。

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高柳 侑己

ファイナンシャル・プランニング技能士 / 高等学校教諭一種免許状 / ライフ・コンサルタント 生損保の営業、生保アナリストを経て、現在はマーケティング職に従事。自身の営業経験と数字を用いて、お金に関する知識や情報を発信しております。中立的な立場で、アドバイスすることをモットーにしております。

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