マンションに住むときこうした疑問を抱いたことはありませんか?
たしかに、火災保険と聞くと「持ち家(戸建て)を守るための保険」というイメージが強いですよね。そこで今回は「マンションに火災保険は必要なのか」という疑問に答えていきます。
- マンションの火災保険は家財を守るため、賠償責任に備えるために必要!
- マンションの火災保険選びはどこまで補償されるようにするかがポイント
- マンションの火災保険の保険料の相場は年間2〜3万円程度
マンションに火災保険は必要?分譲と賃貸で違いはある?
火災保険の加入は義務ではなく、任意です。しかし、マンションの火災保険は、必要性の高い保険なので加入することをおすすめします。
まずは「マンションであっても火災保険の必要性が高い理由」についてご紹介します。
【分譲マンションの場合】 住宅ローンを利用する場合は火災保険が必須な事がある
住宅ローンを利用してマンションを購入した場合、住宅ローンを借りる際の条件として、火災保険の加入が必須となる金融機関があります。
金融機関としても、災害や損害があった場合に、居住者の資金状況が悪化して返済が滞るリスクを避ける為です。
ただし、可能であれば、金融機関が提示する保険商品にそのまま加入するのではなく、補償内容や保険金額を自分に適した補償内容で加入するべきでしょう。
https://ins.minkabu.jp/columns/apartment-need-fire-insurance-220908
延焼被害(もらい火)に遭ったときに火元からの補償が受けられないため
自分の部屋で火災が起こらないように気を付けていても、他の住人の部屋が火事になり、延焼被害に遭う可能性があります。
その場合、火元になった住人からの補償を受けることが出来ません。
失火責任法によると、「失火者に対して損害賠償責任を問えない。 ただし、失火者に重大な過失がある場合は除く。」と記載されております。マンションの場合、隣の部屋との距離は近いので、火災保険に加入して万一の場合に対応できるようにするべきです。
隣家からの「もらい火」で自宅が焼失した場合に、隣家へ損害賠償請求はできないのですか。
【分譲・賃貸共通】火災以外にリスクにも水漏れや盗難などにも備えられる
火災保険は、水災以外の自然災害(地震・噴火・津波を除く)や水漏れ、盗難、家財の損壊も補償の対象になります。
マンションは基本的に頑丈な作りなので、安心だと思っているかもしれません。しかし、思わぬところで被害が出てしまい、お金がかかってしまうケースもあります。
例
給水管が破損して水漏れが発生した
子どもが誤って大型テレビを壊してしまった
空き巣に入られて被害が出た
上階から水漏れ被害を受けてしまった
どの被害も、起きる可能性が低いとはいえ、一度起きてしまうと10万円単位の被害が発生してしまいます。
その点、火災保険でしっかりと保険金等を設定しておけば、被害が生じてしまった場合でも、自己負担額を最小限にすることができます。
https://ins.minkabu.jp/columns/water-leak-221018
分譲マンションでも賃貸マンションでも火災保険は必要!
分譲マンション、賃貸マンション問わず、家に住んでいる以上ほぼ同じリスクを抱えることになりますから、どちらとも火災保険は必要といえます。
また、賃貸マンションの場合には「賃貸借契約」によって、火災保険の加入が義務化されている場合があります。
退去する際に原状回復義務が存在しているからです。
原状回復義務とは、賃貸を借りた後に生じた損傷がある場合、返す際には損傷前の状態に戻さなければならない義務の事を言います。
もし、賃貸契約時や賃貸物件情報に「火災保険への加入必須」と書かれている場合は「賃貸契約開始日=補償開始日」になるように、前もって加入手続きを進めておきましょう。
もし、賃貸マンション、分譲マンション問わず「どの火災保険がよいのだろうか?」と悩んでいるのであれば、みんかぶ保険の一括見積もりをご活用ください。
火災保険だけでなく地震保険への加入は必要?
ところで、マンションに住むうえで考えるべきポイントは火災保険の他にもうひとつあります。地震保険です。
実は火災保険だけでは「地震」が原因の損害が補償されません。もし、地震による被害にも備えたい場合には火災保険とともに地震保険に加入する必要があります。
https://ins.minkabu.jp/columns/fire-earthquake-set-220728
火災保険の加入率は全体の何%くらい?
マンションのみの数値は発表されていませんが、持ち家世帯の火災保険の加入率は全国で「82%※」あります。
約8割の世帯が火災保険に加入していることからも、火災保険へ加入することの必要性が分かりますね。
マンション向け火災保険の相場はいくら?
マンション向け火災保険の相場は、明確に存在しません。マンションの構造や、築年数、居住地、プランによって保険料が異なる為です。例として、A保険会社の3パターンの見積もりを比較してみましょう。
条件
建物:新築マンション(M構造)
延床面積:70㎡
免震建造物
場所:東京都
建物の保険金額:1,000万円
家財の保険金額:800万円
地震保険付(火災保険の保険金額50%で設定)
支払い方法:5年契約 一括払い
※1.費用保険金は地震火災費用保険金、凍結水道管修理費用保険金、臨時費用保険金で設定
※2.令和7年1月6日時点の保険料
※3.損害保険ジャパン株式会社公式サイトより引用
補償内容の違いによって保険料は変わってきますが、目安として年間2万円~3万円くらいがマンションの火災保険の相場と言えます。
もし損害保険会社からの営業を受けて、この相場よりも異様に高い場合には契約をせず、必ず見積もりをとることを心がけましょう。
マンション向け火災保険の選び方
マンション向けの火災保険を選ぶ際の考え方として、万一のことを想定したシミュレーションに基づいて決定していく方法をおすすめします。
火災保険の補償対象を決める
火災保険の補償内容を決める
セットで地震保険に加入するか
火災保険の特約を付けるか
保険金額を決める
保険期間を決める
火災保険の補償対象を決める
火災保険の補償対象は3つの選択肢があります。
建物のみの補償
家財のみの補償
建物+家財の補償
補償対象の範囲が狭いと、その分保険料は安くなります。一方で、範囲が狭いと万一の事があった際に保険金が受け取れない可能性が高くなるので注意です。
https://ins.minkabu.jp/columns/household-goods-insurance-221019
火災保険の補償内容決める
次は「どういった損害に対して補償を受けられるようにするか」を考える必要があります。
補償内容を少なくすればその分保険料は安くなりますが、補償内容が少なすぎるともしもの時への補償を受けれないため、しっかりとシミュレーションしておくべき項目になります。
セットで地震保険に加入するか
地震大国である日本では、定期的に地震が起こっており、私たちの生活と地震を切り離して考えることはできません。
火災保険のみでは地震の損害に対応できないので、地震保険に加入する必要があります。
地震保険は火災保険とセットで加入ができますが、地震保険単体で入ることはできないので注意が必要です。
火災保険の特約を付けるか
火災保険の代表的な補償とは別に「特約」というオプションを付加した場合、追加の補償を受け取れます。「特約」で代表的であるのは「臨時費用補償特約」や「失火見舞費用特約」です。
マンションオーナーや大家さんの場合には、マンション居住者包括賠償特約というものも存在します。
https://ins.minkabu.jp/columns/recommend-condominium-owner-231122
https://ins.minkabu.jp/columns/fire-fire-insurance-for-rental-landlords-240906
臨時費用補償特約とは
火災保険金の支払いが認められた時に、保険金が上乗せで受け取れるもの。
上乗せ額の上限は異なり、損害保険金の10%~30% or 100万~300万のいずれか低い方など、保険会社によって定められています。
失火見舞費用特約とは
保険の対象となる建物から火災・爆発・破裂が発生し、第三者の所有物に損害が発生した場合に、第三者に支払う損害金の事を指します。
そのほか、特約の種類や内容は保険会社によって異なります。自分に適した保険に加入するためには、各保険会社の特約を確認しておきましょう。
火災保険の保険金額を決める
マンションの専有部分を再築できる金額を設定します。
再築にはどれくらいの金額がかかるのかを算出するため、建物の保険金額を設定する際の計算方法として2つ存在します。
専有面積から算出する
専有部分の代金(一般的に新築時における建物代金の40%前後)から算出する
専有面積から算出する方法 (専有面積 × 居住地域の1㎡あたりの金額)
1㎡あたりの金額に専有面積を乗じた金額を保険金額とする方法です。
※各地域の1㎡あたりの金額は保険会社によって異なります。
例
東京都(15万円 / ㎡)
70㎡
新築マンション
保険金額 = 15万円 × 70㎡ = 1,050万円
専有面積を出すには上塗り基準と壁芯基準の2パターンあります。保険会社によって選択する必要があるため、マンションの管理規約等の確認が必要です。
専有部分の代金(一般的に新築時における建物代金の40%前後)から算出する方法
建物代金に40%前後を乗じて専有部分の金額を算出する方法です。
マンションを購入する際には、土地代や共有部分代が含まれた金額の代金を支払っています。
専有部分のみ代金を算出するためには、土地代と共有部分の代金を除く必要があります。
土地代を除く計算としては、マンション購入時の消費税から算出します。消費税は建物部分のみにかかるので、消費税額 ÷ 購入時の消費税 をすることで建物代金が算出できます。
建物代金から専有部分のみの金額を出すには、建物代金 × 40%前後 をすれば算出できます。
例
東京都
70㎡
新築マンション
マンション購入時の消費税額は280万円
マンション購入時の消費税率は10%
建物金額(専有部分+共有部分) = 280万円 ÷ 10% = 2,800万円
保険金額 = 2,800万円 × 40% = 1,120万円
保険金額を設定する際には、低く設定しすぎると万一の時に補償が足りなくなる可能性があり、高く設定しすぎると余分な保険料を支払う可能性があります。
各保険会社の見積もり確認をしつつ、担当者としっかり相談して決めることをおすすめします。
保険期間を決める
転勤などの予定があって長く住み続けられない可能性がある場合は、保険期間の調整は必要になります。
保険料を手軽にしたいのであれば、保険期間は最長に設定することをおすすめします。保険期間が長いほど総保険料は安くなります。
また、火災保険の改定等により、加入できる最長の保険期間が短くなっているので、加入するなら最長の保険期間が節約に繋がり、ベストと言えるでしょう。
また、月払いよりも「一括払い」のほうが総保険料が抑えられる点も覚えておくべきポイントです。
マンション向け火災保険の注意点は?
マンション向け火災保険に加入する際の注意点を記載します。いろんなパターンを想定して見積もりを取ると安心です。
マンションの管理規約で定められた専有部分の範囲を事前に確認する
マンションの管理規約で定められている専有部分の範囲は、各マンションごとの規約によって異なります。
基準は2つあり、上塗基準と壁芯基準があります。
上塗り基準は、壁から内側の室内部分を専有部分とするもので、壁芯基準は界壁・階層の中央部分までを専有部分とします。
上塗基準の方が専有部分の面積が少なくなるので、保険料は安くなります。
地震や噴火、津波で生じた損害は火災保険では補償されない
火災保険は、地震や噴火、津波で生じた損害を補償できません。
地震等の補償を受けるには、火災保険とセットで地震保険に加入する必要があります。
地震保険の世帯加入率は全国平均で「35.1%」となっており、そこまで高くありません。
宮城県や熊本県は、約40%~50%の加入率となっており、過去に大きな地震があった地域での加入率は全国的に高い傾向があります。
地震が多い日本に住んでいるのであれば、いつ起こるか分からない大きな地震に備えて地震保険の加入をおすすめしております。
複数の保険会社で見積りを比較する
火災保険は保険会社によってプランや保険料が異なります。様々なリスクのパターンをシミュレーションし、自分に適した保険をお手軽な保険料で加入する必要があります。
保険選びをする際には、1社で見積もりを取るのではなく、複数の保険会社で相見積もりを取り、比較して加入する保険を決める方法がベストです。
まとめ
マンションであっても、火災保険は「自分の住まいを守るため」に必要です。
ただ、補償の種類も豊富なため、必要な補償といらない補償の判断が難しいと思っている人も多いのではないでしょうか。
みんかぶ保険であれば、複数社の見積もりを一括で見積もることができて、同条件の見積もり結果を受け取れます。ご不明な点や補償内容変更希望があれば、保険のプロに電話で相談することも可能です。
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承認番号:SJ24-13769
承認日:2025/01/17