医療保険を検討する際、保険料を支払う「払込期間」について悩んだことはありませんか?
中には、
という意見を目にした方もいらっしゃるでしょう。しかし、払込期間ごとの特徴をきちんと理解しないと、思わぬデメリットが隠れていることも。
今回は、終身払いと短期払いそれぞれのメリットとデメリットから、終身払いがおすすめな人・おすすめでない人についてご紹介します。最後まで読めば、より自分に合った保険選びができるようになるでしょう。
終身払いの医療保険とは?
終身型医療保険は、一生涯にわたって医療保障を受けられる保険です。また終身型の医療保険においては、保険料を支払う期間を選べます。
その中のひとつ「終身払い」は、契約者が生存している限り、保険料を支払い続ける方法です。
終身払いの医療保険は、保険期間と払込期間が一致しているのが特徴です。ご自身で解約しない限り、被保険者が亡くなるまで保険料を支払い続けることになります。
医療保険の払込期間と保険期間を区別しよう
終身払いにすべきかを考えるためには、他の支払い方法と比較検討する必要があります。その前に、混同しがちな「払込期間」と「保険期間」をあらためて区別しておきましょう。
この2つの期間は似ていますが、意味合いが異なるため、きちんと分けて理解するのが重要。以下で、それぞれの定義について詳しく見ていきます。
保険期間とは保障が受けられる期間のこと
保険期間とは、保障が受けられる期間のことです。
医療保険の保険期間には、大きく分けて終身型と定期型の2種類があります。終身型は、一生涯にわたって保障が継続する医療保険です。一方の定期型は、あらかじめ定められた期間(例えば10年間)のみ保障が受けられる医療保険を指します。
一生涯に渡る保障を確保しておきたい人は終身型保険、ライフステージに合わせて保険に加入したい人は定期型保険というように、それぞれ目的やおすすめな人が異なります。
払込期間とは保険料を支払う期間のこと
一方、払込期間は「保険料を払い込む期間」のことを指します。終身型の医療保険においては、払込期間は主に短期払いと終身払いの2種類があります。
短期払いは「〇〇歳で支払いを終える」といったように一定期間で保険料の支払いを完了させる方法です。一方の終身払いは、契約者が生存する限り保険料を払い続ける方法になります。
医療保険における終身払いと短期払いの違い
保険期間と払込期間を区別できたところで、終身型医療保険における終身払いと短期払いの違いについて、さらに掘り下げていきましょう。
終身払いと短期払いの大きな違いは次の2つです。
- 短期払いは先に保険料の支払いを終えられる
- 毎月の保険料は終身払いの方が割安
短期払いは先に保険料の支払いを終えられる
短期払いの特徴は、保険料の支払いを予定通りに終了できることです。たとえば、60歳で支払いが完了する短期払いプランであれば、60歳までに所定の保険料を払い終え、その後は保険料の支払いが発生しません。
支払期限を超えても保障が切れることはなく、追加の保険料負担も必要ありません。そのため、老後の資金計画が立てやすいでしょう。
毎月の保険料は終身払いの方が割安
短期払いは保険料の支払い期間が限定されている分、毎月の保険料は終身払いと比べて割高になります。
たとえば、30歳で加入し、月額保険料が終身払いで5,000円のプランがあったとします。もし85歳で被保険者が亡くなる場合、支払う保険料の総額は
です。
単純計算にはなりますが、同額の60歳時点で支払いが完了する短期払いで支払う場合、毎月の保険料はどうなるでしょうか?
終身払いと比較して、短期払いのほうが分割期間が短くなる分、毎月の保険料も高くなるのがわかりますね。
終身払いのデメリットは2つ
支払い方法についてもご紹介したところで、いよいよメイントピックである「終身払いのデメリット」についてご紹介します。
終身払いのデメリットは、主に次の2つが挙げられます。
- 加入期間が長くなるほど支払総額が増える
- 定年後に保険料負担が重くなる可能性がある
加入期間が長くなるほど支払総額が増える
終身払いの場合、加入期間が長くなればなるほど、支払う保険料の総額は増加していきます。
たとえば、30歳で加入し、90歳まで生存したとすると、60年間も保険料を支払い続けることになります。一定の金額で支払いがストップする短期払いと比較して、保険料の総額が大きくなる可能性が高いです。
定年後に保険料負担が重くなる可能性がある
終身払いでは、定年退職後も保険料の支払いが続きます。年金生活に入ると収入が減少するため、保険料によって経済的負担が重くなる可能性があります。
将来的な収入減少を見据えて、保険料を無理なく支払えるかをきちんと考えてから加入する必要があるでしょう。短期払いであれば老後生活が始まる前に保険料の支払いを終えることもでき、老後の負担を減らせそうですね。
終身払いにするメリット
一方で、終身払いにはデメリットだけでなく、メリットもあります。メリットについてもきちんと理解することで、ご自身に合ったベストな選択ができるようになります。
終身払いのメリットは、主に次の2つです。
- 月々の保険料が短期払いよりも割安
- 保険料払込免除特約により支払いが不要になるケースもある
月々の保険料が短期払いよりも割安
終身払いは、短期払いと比較して月々の保険料が割安に設定されています。
先ほど計算したように、短期払いよりも分割回数が多いため、月々の保険料は安くなる傾向があります。毎月の経済的負担を軽くしたい方にとっては、終身払いがおすすめと言えるでしょう。
保険料払込免除特約により支払いが不要になるケースもある
「保険料払込免除特約」を付加することで、所定の条件を満たした場合、それ以降の保険料払込が免除されるケースもあります。
保険料払込免除特約を付帯すれば、所定の高度障害状態になった場合や、不慮の事故で所定の身体障害状態になった場合などに、保険料払込が免除されます。この特約をセットしておけば、大きなリスクに備えつつ、万が一のときの保険料負担を軽減できそうですね。
短期払いのメリットとデメリット
終身払いのデメリットを知り「終身払いはやめておいたほうがいいかも」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、終身払いだけでなく短期払いにもメリットとデメリットがあります。短期払いについても理解しておかないと「もっと考えて決めればよかった……」と後悔してしまうかもしれません。
短期払いのメリットとデメリットについてもしっかり確認しておきましょう。
メリット | デメリット |
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短期払いのメリット
まずは短期払いのメリットからご紹介します。
- 払込期間満了後は保険料がかからない
- 保険期間の長さによっては保険料総額を抑えられる
払込期間満了後は保険料がかからない
短期払いの1つ目のメリットは、払込期間が終了すればそれ以降の保険料支払いが不要になることです。
たとえば、60歳で支払いが完了する医療保険に加入した場合、60歳以降は保険料を支払う必要がありません。年金生活において、保険料の支払いを考えなくていいのは嬉しいですよね。
保険期間の長さによっては保険料総額を抑えられる
保険期間の長さによっては、短期払いの方が終身払いよりも保険料総額を抑えられる場合があります。
終身払いは、保険期間が終了するまで保険料を支払い続けなければなりません。ある時点までは短期払いのほうが保険料の総額が高いものの、一定期間を過ぎると終身払いの方が高くなる可能性があります。
終身型医療保険の場合、何歳まで加入するかはわからない方も多いでしょう。もし若いうちに終身型医療保険に加入するのであれば、保険期間は長くなる可能性が高いです。
短期払いのデメリット
一方で、短期払いにはデメリットもあります。ここからは、短期払いのデメリットについて詳しく解説していきます。
- 月々の保険料は終身払いより割高になる
- 保険の見直しがしにくい
月々の保険料は終身払いより割高になる
ここまで何度かご紹介してきましたが、短期払いは払込期間が限定されている分、月々の保険料は終身払いよりも割高になります。
保険料総額は短期払いのほうが安くなる可能性が高いものの、毎月の保険料が無理なく支払えるかは必ずチェックすべきです。総額が安くなるからといって短期払いを選んでも、毎月の支払いによって家計が苦しくなってしまうのは本末転倒でしょう。
保険の見直しがしにくい
短期払いは、終身払いよりも保険の見直しがしにくいというデメリットもあります。
終身型医療保険では、ライフステージや医療技術の進歩に合わせて保障内容を変更したい場合、新たに加入し直す必要があります。しかし短期払いは保険料を前倒しで支払っているため、保険に入り直すとそれまで支払ってきた保険料が無駄になってしまいます。
時代に適した医療保険を利用したい方にとっては、思わぬ落とし穴になりそうですね。
終身払いよりも短期払いがおすすめな人の特徴
ここまでご紹介してきた内容をもとに、終身払いではなく短期払いがおすすめな人について解説していきます。終身払いのデメリットによって大きな影響を受ける人は、短期払いにしておいたほうがお得に保険を利用できます。
以下の特徴を持つ人は、短期払いを検討してみましょう。
- 長生きすることを前提に終身型医療保険に加入したい人
- 余裕を持って毎月の保険料を支払える人
長生きすることを前提に終身型医療保険に加入したい人
若いうちから「これから長生きするうえで病気に備えておきたい」と考えて終身型の医療保険に加入する場合は、短期払いを選ぶのが賢明です。
支払い期間は限られていますが、払込が完了すれば、その後は保険料の負担がなくなります。90歳まで生きるとすれば、30年近くも保険料が不要になります。早めに払込を完了させることで、老後資金をより自由に使えるでしょう。
また保険期間が長いほど、短期払いの方が保険料の総額が低くなります。早めに終身型医療保険で備えておきたいと考えている方は、短期払いにしておくのがトータルでお得です。
余裕を持って毎月の保険料を支払える人
短期払いは月々の保険料が割高になるため、経済的に一定の余裕がある人に向いています。
安定した収入があり、支出状況にも余裕があれば、短期払いを選択肢に入れてもよいかもしれません。ただし、将来的な収入減少のリスクも考慮し、無理のない範囲で保険料を設定することが大切です。
保険料を無理なく支払えるかは、収入やライフステージ、貯蓄状況によって異なります。きちんと見積もりを依頼したうえで、余裕を持って保険料が支払えるかチェックしてみましょう。
終身払いがおすすめな人の特徴
一方で、以下のような特徴を持つ人は、短期払いよりも終身払いを選択するのがおすすめです。
- 毎月の保険料を抑えたい人
- 定期的に医療保険を見直したい人
毎月の保険料を抑えたい人
終身払いは短期払いと比べて、月々の保険料が割安です。ローンの支払いがあったり、教育費がかさんだりと、毎月の出費が大きい人にとっては、終身払いの方が負担が少なく済みます。
保険料総額は増えるかもしれませんが、月々の家計の負担を減らすことで、ゆとりのある生活を送れるでしょう。保険料の総額と毎月の経済的負担、どちらを優先すべきか考えてみてください。
30代男性の終身医療保険料をチェックする
30代女性の終身医療保険料をチェックする
定期的に医療保険を見直したい人
医療技術の進歩によって、保険の保障内容は時代とともに変化していきます。そのため、定期的に医療保険の内容を見直し、必要に応じて保障内容を変更したいと考える人には、終身払いの方がおすすめです。
短期払いは多額の保険料を前倒しで支払うため、保険の見直しをする場合、終身払いよりも保険料が無駄になってしまいます。時代が変化するにつれ必要な保障も変わります。時代に合わせて医療保険をフル活用したいと考えている方は、終身払いがおすすめです。
払込期間の途中変更は可能?
医療保険の払込期間は、契約後は変更できないのが一般的です。そのため、払込期間は慎重に考える必要があります。
ただし保険商品によっては、短期払いの払込期間を前倒しで終了させることも可能です。たとえば、60歳払済の短期払いプランに加入していて、50歳になったタイミングで残りの保険料をまとめて払い込むことで、払込期間を短縮できるケースもあります。
前倒しで支払えるかどうかは保険商品により異なるため、詳しくは医療保険の契約内容をご確認ください。
まとめ
本記事では、医療保険における終身払いのデメリットや、終身払いがおすすめな人/おすすめでない人の特徴について解説してきました。
終身払いは、短期払いと比べて月々の保険料が割安である一方、加入期間が長くなるほど支払総額が増えるデメリットがあります。
また短期払いにすれば、払込期間満了後は保険料がかからず、保険期間の長さによっては保険料総額を抑えられるメリットがある反面、月々の保険料は割高になります。
ご自身のライフプランや収入状況に合わせて、最適な払込期間を選びましょう。
専門家に相談して最適な選択を
とはいえ、なかなかベストな医療保険が決められない方も多いでしょう。保険商品の種類は非常に多く、払込期間以外にも検討すべき項目も多数あるため、どのように絞り込むべきか分かりづらいですよね。
そんな時は、保険のプロに相談してみるのもひとつの手です。自身の年齢や家族構成、収入や支出の状況などを伝えれば、ニーズに合った保険選びのアドバイスが受けられるでしょう。
みんかぶ保険では、無料で保険のプロに何度でも相談できます。保険選びにかかる時間や手間を一気に削れそうですね。
無理な営業もないため、安心してご利用いただけます。保険選びでお悩みの際は、まずは一度相談してみませんか?