上記のような疑問を解決するために、無選択型保険とはどのような保険なのかについて解説します。
また「一般的な医療保険や引受基準緩和型保険との違い」についても、わかりやすくご紹介します。
この記事でわかること
無選択型保険とは健康告知がない保険
持病や既往歴がある人でも加入できる
保険料は割高で、保障内容に制限が設けられている
無選択型保険とは告知義務がない保険
無選択型保険とは、健康状態の告知や医師の診査なしで加入できる医療保険です。そのため、既往歴や持病がある人でも加入しやすくなっています。
持病: 完治しにくく、長期間にわたって継続的に治療が必要な病気のこと
一般的な医療保険に加入する場合、過去の病歴や現在の健康状態について、保険会社へ告知する義務があります。告知項目の例は以下のとおりです。
過去の入院・手術の有無と期間
現在治療中の病気の有無
特定の病気(がん、糖尿病、心臓病など)の既往歴
健康診断の結果
また自己申告だけでなく、医師の診査や健康診断書の提出を求められるケースも多いです。
上記のような情報に基づいて保険会社は審査を行い、加入の可否や保険料を決定します。
しかし無選択型保険は、健康状態に関する告知が不要なため、持病や既往歴がある人でも加入しやすい保険として知られています。健康状態に不安のある方でも病気やケガに備えられるのは嬉しいですね。
なぜ一般的な医療保険では健康状態に関する告知が必要なのか
そのような疑問を持つ方のために、保険会社が審査を行う理由について、もう少し詳しくご説明いたします。
一般的な医療保険で審査が行われるのは、保険の仕組みが「相互扶助」の考え方に基づいているからです。
医療保険は、加入者全員が保険料を出し合い、病気やケガをした人が給付金を受け取ります。そうすることで、加入者同士で協力して病気やケガに備える仕組みです。
しかし、病気やケガのリスクが高い人でも同じ条件で加入できてしまうとどうなるでしょう。
病気・ケガのリスクが高い人は、健康な人よりも給付金を請求する可能性が高くなります。
ここで、もしリスクが高い人も低い人も同じ保険料だとしたらどうでしょうか。
病気やケガのリスクが低い人からすれば「リスクは低いのにリスクが高い人と同じ保険料なのは納得がいかない」と感じるはずです。
そのような不平等を防ぐために、一般的な医療保険では健康状態に関する告知や審査が必要とされています。
https://ins.minkabu.jp/columns/what-insurance-exam-240426
無選択型保険と一般的な医療保険・引受基準緩和型保険との違い
無選択型保険をより深く理解するために、一般的な医療保険および引受基準緩和型保険と比較してみましょう。
他の種類の保険と何が違うかについて理解すれば、保険選びもよりスムーズになるでしょう。
https://ins.minkabu.jp/columns/medical-underwriting-criteria-relaxed-insurance-240802
無選択型保険とその他の保険との違いについて、以下2つの観点から補足でご説明いたします。
無選択型保険の保険料は割高に設定されている
無選択型保険の保障内容には一部制限が設けられている
無選択型保険の保険料は割高に設定されている
無選択型保険は加入ハードルが低い分、保険料が高めに設定されています。
無選択型保険は、病気やケガになりやすい人でも加入できます。そのため、一般的な医療保険より「給付金を請求する可能性が高い」加入者が多くなります。
一般的な保険よりも給付金を請求する可能性が高い人が集まる分、保険会社はより多くのお金を用意しておく必要があります。
その際、仮に一般的な保険も含めた加入者全員の保険料を値上げしてしまうと、一般的な保険に入っている人にとっては不平等となってしまいますよね。
そのため保険会社は、無選択型保険の保険料を割高に設定し、加入者間の平等性を保ちながら資金を確保しています。
無選択型保険の保障内容には一部制限が設けられている
無選択型保険は、保障内容にいくつかの制限が設けられています。
用語 |
説明 |
免責期間 |
加入してから一定期間(例:90日)は給付金が支払われない |
支払削減期間 |
加入後1~2年程度は、給付金の金額が大きく削られる(「支払った保険料と同額」など) |
保障内容の制限 |
一般的な医療保険に比べて、入院日額や手術給付金の上限額が低めに設定されやすい |
加入ハードルが低い分、保険会社は保障内容に対して制限を設けています。その結果、無選択型保険の加入者に給付金が集中し、資金が不足する事態を防げます。
加入前にどのような制限があるかチェックしておきましょう。
無選択型保険のメリット・デメリットを表で比較
無選択型保険は、多くの人が加入できる反面、いくつかデメリットも存在します。自分にとって最適な保険かどうかを判断するためにも、メリットとデメリットどちらも理解し、比較検討しましょう。
まずは、無選択型保険のメリット・デメリットを一覧表でチェックしてみてください。
メリット |
デメリット |
【加入が簡単】 健康診断や問診が不要なため、誰でも簡単に加入できる。特に既往症がある人や高齢者でも加入しやすい。
【手続きが早い】 健康状態の確認が不要なため、申し込みから保険の開始までが早い。加入申込書の記入も少ないのでミスが出にくい。
【見直しがしやすい】 定期型のため、一般的な保険や引受基準緩和型への見直しがしやすい。 |
【保険料が高め】 健康状態を問わずに加入できるため、リスクが高いと見なされ、一般的に保険料が高く設定されている。また、定期型が多いため更新時には保険料が上がることも。
【保障内容や給付金額の制限】 保障内容や給付金額に制限がある場合が多く、高額な治療費に対するカバーが不十分な場合がある。
【免責期間の設定】 一定期間が保険適応にならない場合がある。 |
上記のように、無選択型保険の最大のメリットは「加入のしやすさ」です。一方で、保険料の高さや保障内容の制限といったデメリットも理解しておく必要があります。
メリット・デメリットをそれぞれ理解したうえで、加入すべきかどうかを判断することが重要です。
無選択型保険のメリット
まずは無選択型保険のメリットについて、より詳しくご紹介します。
無選択型保険の主なメリットは以下の2点です。
持病があっても加入できる
既往歴があっても加入できるケースが多い
先述したように、無選択型保険では健康状態に関する告知が必要ありません。一般的な医療保険に入れなかった人でも加入しやすいのが、無選択型保険の大きなメリットです。
持病があっても加入できる可能性が高い
無選択型保険なら、持病があっても加入しやすいです。
一般的な医療保険では、持病があると加入を断られる可能性が高いでしょう。しかし、無選択型保険は健康状態の告知が不要なため、以下のような持病があっても加入しやすいです。
持病で治療、投薬中(糖尿病Ⅰ型、てんかん、リウマチなど)
直近入院手術したばかり
がんを患ったことがある
精神疾患を患っている
糖尿病でも保険に入れる?加入しやすい保険の種類や選び方について解説
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脳卒中に備える三大疾病保険とは?脳卒中でも入りやすい保険もあわせて解説
心疾患に備えるための三大疾病保険とは?おすすめな人や発症後でも入れる保険についても解説
既往歴があっても加入できるケースが多い
無選択型保険は、持病だけでなく既往歴があっても加入できるケースが多いこともメリットです。
一般的な医療保険では、既往歴があると加入できなくなる可能性があります。特に、以下のような既往歴があると、加入は難しいでしょう。
過去に入院や手術の経験がある方
がんを患ったことがある方
精神疾患によって入院したことがある方
しかし無選択型保険であれば、上記のような既往歴があっても加入しやすいです。既往歴があっても保障を受けられるのは心強いですね。
無選択型保険のデメリット
無選択型保険には、下記のようなデメリットも存在します。加入前にしっかりと理解しておきましょう。
保険料が高い
給付金額や対象範囲に制限がある
一定期間は保障の対象外、もしくは給付金が減額される
デメリットについてきちんと理解しておかないと、
といった問題に直面してしまう可能性があります。加入前にしっかり理解しておきましょう。
保険料が割高
無選択型保険は、一般的な医療保険と比較して保険料が割高に設定されています。
無選択型保険は健康状態の告知が不要なため、保険会社からすれば「多額の給付金を請求される可能性」が高くなります。そのため保険会社は、一般的な医療保険よりも多めに保険料を集めて、給付金支払いのための資金を準備しなければなりません。
加入前に保険料の金額についてきちんと確認しておかないと、毎月の収支が厳しくなってしまう可能性があります。
給付金の金額や対象範囲に制限がある
「無選択型保険の保障内容には一部制限が設けられている」で述べたように、無選択型保険では給付金額や保障対象範囲に制限がかけられます。
そのため、もし給付金を請求したとしても、受け取れる金額が足りなかったり、全く支払われない可能性があります。
いざという時になっても、十分な保障を受けられないかもしれません。事前に保障内容や、給付金が支払われる条件を確認したうえで、保険に加入すべきか検討しましょう。
無選択型保険がおすすめな人
無選択型保険は、すべての人に最適な保険であるとは言えません。しかし、特定の状況にある人にとっては、頼もしい選択肢となります。
具体的には、以下のような人におすすめです。
持病や既往症があり、一般的な保険に加入できない人
保障内容に制限があっても保険に加入したいと考える人
それぞれの内容について、詳しく解説します。
持病や既往症があり、一般的な保険に加入できない人
先述したように、持病や既往歴がある人は無選択型保険への加入がおすすめです。
例えば、以下のような持病や既往症をお持ちの方は、無選択型保険を検討する価値があるでしょう。
重度の糖尿病
高血圧
脂質異常症
狭心症・心筋梗塞などの心臓病
肝炎・肝硬変などの肝臓病
がん
慢性腎臓病
リウマチ
ぜんそくなどの呼吸器疾患
アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患
精神疾患の既往歴
上記のような持病や既往症があると、一般的な医療保険では加入を断られてしまうでしょう。また加入できても、保険料が割増されたり、特定の病気に関する保障が除外される可能性が高いです。
無選択型保険なら健康状態の告知が不要なため、一般的な医療保険に断られた人でも加入できます。
と考える人には特におすすめです。
保障内容に制限があっても保険に加入したいと考える人
無選択型保険のデメリットとして、保障内容に制限がある点が挙げられます。それでも保険に加入し、入院や手術に備えたいと考える人は、無選択型保険に加入しておくのがおすすめです。
用語 | 説明 |
---|---|
免責期間 | 加入後一定期間(例:90日)は、病気での入院や手術による給付金が支払われない |
支払削減期間 |
加入後1~2年程度は、入院給付金といった給付金の金額が大きく削られる(「支払った保険料と同額」など) |
保障内容の制限 |
一般的な医療保険に比べて、入院日額や手術給付金の上限額が低めに設定されやすい |
すでにお伝えしましたが、無選択型保険の保障内容は一般的な医療保険よりも限定的です。
それでも、無選択型保険に加入すれば多額の入院費や手術費に備えられます。
重要なのは、自身の状況やニーズに合わせて、保険を選ぶことです。保障内容に制限があることを理解した上で、それでも無選択型保険による安心感が欲しいと思うのであれば、積極的に検討してみましょう。
という人は、専門知識を持つスタッフにまずは相談するのがおすすめです。
無選択型保険がおすすめできない人
無選択型保険、すべての人におすすめできる保険ではありません。中でも以下のような人は、無選択型保険ではなく、他の保険を検討する方が良いでしょう。
健康状態に問題がなく、一般的な保険に加入できる人
入院や手術になったとしても経済的な不安がないと考える人
特に「持病や既往歴がなく、一般的な医療保険に加入できる人」は、無選択型保険を選ぶメリットはほとんどありません。一般的な医療保険の方が保険料は安く、保障内容も充実しています。
無選択型保険は、「一般的な保険には加入できないが、病気やケガによる経済的リスクにも備えたい」という人にとって、最後の切り札と言える保険です。
また貯蓄や収入が多く、入院や手術が必要になっても経済的に困窮することがないと考えているのであれば、そもそも保険に加入する必要性は低いでしょう。
無選択型保険の選び方
無選択型保険を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
ポイント | 説明 |
---|---|
加入条件をチェックする | 健康状態の告知は不要でも、保険会社や商品によっては年齢や職業によって加入条件が定められていることがある |
持病に対する保障内容をチェックする |
持病に関して保障の対象外になる場合、給付金が削減される期間がある ※一定の条件を満たすと、持病も対象になる場合がある |
保険料と保障のバランスを考える |
予算と必要な保障内容を考慮して、バランスの良いプランを選ぶ |
特に重要なのは、保険料と保障のバランスです。無選択型保険は、保険料が高めに設定されています。無理なく支払える金額をオーバーしないよう、保障内容は慎重に選びましょう。
家計に無理のない保険料であり、かつ必要な保障を確保できるのが理想ですね。
また余裕があれば、無選択型保険に加入する前に一般的な保険にも加入申し込みをしてみるのがおすすめです。もし一般的な保険に加入できるのであれば、それに越したことはありません。
無選択型保険の注意点
無選択型保険への加入を検討する際には、以下の3つの点に注意しましょう。
保険料は問題なく支払えるか
保障内容に制限が設けられていても問題ないか
先述した通り、無選択型保険には保険料が高く、保障が限定的というデメリットがあります。そのようなデメリットがあっても、無選択型保険に入るメリットが上回るのか、事前にきちんと検討してから加入しましょう。
具体的な手続きや対応については保険会社によって異なります。そのため加入手続きをする前に、加入条件や保障内容にどのような制限が設けられているか必ず確認しましょう。
まとめ
無選択型保険は、持病や既往歴がある人でも加入しやすい保険です。
保険料が高い、保障内容が限定的であるなどいくつか制限はあります。それでも一般的な保険に加入すらできない人たちにとっては、入院や手術に備えるための心強い選択肢となるはず。
もし加入すべきか迷っていしまっているのであれば、専門知識を持つプロに相談してみましょう。あなたの不安の強さやライフステージなどを考慮したうえで、ベストな保険選びをサポートしてくれます。
保険会社ごとの見積もりも一括で依頼できるため、保険選びの負担も大きく減らせます。
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