医療保険を契約する際には、保障内容だけでなく保険料の払込期間についても決める必要があります。
いつまでに保険料を払い終えるのかは契約者が決められますが、払込期間の決め方をきちんと理解していないと、思わぬデメリットを被ってしまうかも。
「毎月の保険料が高くて家計が圧迫される……」
「老後も保険料への備えが必要だったなんて知らなかった……」
そんな事態を回避するためには、払込期間の種類やそれぞれのメリット・デメリットについて知っておくことが重要です。
この記事では、医療保険の払込方法の種類や特徴、決め方のポイントまでわかりやすく解説していきます。
払込期間とは?
医療保険の払込期間とは、契約者が保険料を支払い続ける期間のことを指します。ですが払込期間が完了したからといって、保障が受けられなくなるわけではありません。
払込期間は、保障が受けられる期間である「保険期間」と混同されがち。まずは両者の違いについてきちんと理解しておきましょう。
保険期間との違い
払込期間と保険期間においては、次のような違いがあります。
払込期間
契約した人が保険会社に保険料を支払う期間
保険期間
保険会社から保障が受けられる期間
つまり払込期間が終了していても、保険期間内であれば保険会社から給付金を受け取ることができます。
払込期間と保険期間は異なるケースが多く、それぞれの期間は契約時に決められます。
払込期間の種類は「終身払い」と「短期払い」
医療保険の払込期間には、以下の2種類があります。
- 終身払い:一生涯にわたって保険料を払い続ける払い方
- 短期払い:10年や20年、〇歳までなど一定の期間で保険料を払い終える払い方
まずはそれぞれの意味や特徴について理解しましょう。
終身払い:一生涯にわたって保険料を払い続ける
終身払いとは、一生涯にわたって保険料を支払い続ける支払い方法です。契約してから生涯を終えるまで、一定の保険料を支払うことになります。
短期払い:一定期間で保険料を払い終える
一方で短期払いは、あらかじめ決められた期間で保険料を払い終える方法です。保険期間が払込期間よりも長く設定されている場合は、保険料の支払いが終わっても給付金は受け取れます。
払込期間ごとのメリット・デメリット
それぞれの払込期間の内容についてご理解いただけたところで、それぞれのメリットやデメリットについて解説していきます。
払込期間ごとのメリットとデメリットを比較しながら、最適な払込期間について考えてみましょう。
終身払いのメリット
終身払いには、次の3つのメリットがあります。
- 毎月の保険料が短期払いよりも安い
- 保険の乗り換えがしやすい
- 「保険料払込免除特約」を手軽な保険料でつけられる
毎月の保険料が短期払いよりも安い
終身払いの場合、保険会社に支払う保険料をより長い期間にわたって分割するため、短期払いよりも1ヶ月あたりの保険料が安く設定されています。
また保険料の金額が変わることもないため、支出の見通しも立てやすくなりますね。
保険の乗り換えがしやすい
終身払いの保険は、契約者本人が死亡するまで保険料の支払いが必要になります。そのため、短期払いよりも保険の乗り換えがしやすいというメリットがあります。
短期払いの場合、保険料を支払いきったあとに保険を乗り換えようとしても、支払った保険料が全額戻ってくるわけではありませんので、保険の乗り換えに大きな抵抗を感じる方も多いです。
終身払いでは、保険の乗り換えに対する心理的ハードルを下げることができます。時代にマッチした医療保険へと気軽に契約し直せるのは、人によっては大きなメリットですね。
「保険料払込免除特約」を手軽な保険料でつけられる
終身払いの保険には、「保険料払込免除特約」を手軽な保険料でつけることができます。
保険料払込免除特約とは、被保険者が所定の要件を満たした場合、それ以降の保険料の払込みが免除される特約です。条件は保険商品によって異なりますが、
- 歩行不能、言語障害、視覚障害といった「高度障害状態」
- がん、心疾患、脳血管疾患などの「特定疾病」
上記のいずれかに該当する場合に保険料の支払いが免除される、といった内容のものが一般的です。
短期払いにも付帯させることはできますが、契約時の年齢によっては保険料が想定以上に高くなり、経済的に大きな負担になることも。特約によって加算される保険料は、一般的には終身払いのほうが手軽です。
終身払いの保険に保険料払込免除特約をつければ、老後の病気にも備えられますね。
終身払いのデメリット
終身払いのデメリットとしては、以下のものが挙げられます。
- 老後も保険料の支払いが必要
- 短期払いより支払う保険料の総額が高くなる
老後も保険料の支払いが必要
終身払いは、一生涯にわたって保険料を払い続ける必要があるため、退職したあとも保険料を支払うことになります。
老後になると収入は減ることが多いため、保険料による経済的負担が大きくなる可能性があります。年金だけでは心細いと感じる方は、一定の備えが必要になりそうですね。
短期払いより支払う保険料の総額が高くなる
終身払いでは、短期払いよりも、払う保険料の総額が大きくなってしまうことも。
ある時点までは、短期払いのほうが保険料の合計金額は高いです。しかし支払う期間が長くなると、短期払いの支払総額を追い抜いてしまいます。
そのため、場合によっては保険料の負担が短期払いより大きくなってしまうかもしれません。
短期払いのメリット
次に、短期払いについても詳しく解説していきます。短期払いにすることで、以下のようなメリットが得られます。
- ライフプランにあわせて保険料の支払い時期を決められる
- 老後の心配をせずにすむ
ライフプランにあわせて保険料の支払い時期を決められる
短期払いは10年や20年、〇歳までなど一定の期間で保険料を払い終えられるため、ライフプランにあわせて保険料の支払い時期を決めることができます。
例えば住宅ローンの返済や教育費など、将来の支出を見据えて保険料の支払い時期を決められます。まとまった出費が発生する前に保険料を支払い終えることもできますし、保険料による毎月の費用負担を抑えるために、支払い時期を長めに設定することも可能です。
老後の心配をせずにすむ
短期払いであれば、定年退職する前に保険料の支払いを終えることもできます。退職後の経済的な負担が減るため、保険料による老後への影響を心配する必要はなくなります。
老後には収入が減ることが多いため、短期払いのほうが退職後におけるお金の不安も軽減できそうですね。
短期払いのデメリット
一方で、短期払いのデメリットとしては次のようなものがあります。
- 毎月の保険料は終身払いよりも高め
- 保険の乗り換えがしづらい
- 終身払いよりも保険料の総額が高くなることも
毎月の保険料は終身払いよりも高め
短期払いは払込期間が短い分、月々の保険料が終身払いよりも高めになってしまいます。
早めに支払いを終えることはできますが、それまでは毎月の経済的負担が終身払いよりも大きくなるため、注意が必要です。
保険を乗り換えがしづらい
短期払いを選択した場合、終身払いよりも医療保険の乗り換えに対するハードルが高くなりやすいです。
ある程度の保険料を支払った、あるいは支払い終えた状態で他の医療保険に乗り換えようとしても、支払った保険料がすべて返還されるわけではありません。返ってこない分の保険料はそのまま掛け捨てとなります。
短期払いの場合、時間が経っても保障内容は契約時のまま。そのため、「時代に合わない保障内容だけど、乗り換える場合は追加の保険料が必要」という判断が難しいケースも考えられます。
払込期間は変更できる?
ここまで2種類の払込期間について詳しく解説してきました。それでも、まだどちらにすべきか判断が難しい方も多いでしょう。
では、どちらかの払込期間を選択したあとで、もう一方に変更することは可能なのでしょうか?
保険商品によっては変更も可能
払込期間が変更できるかどうかは、保険会社やプラン内容によって異なります。そのため、心配な方はあらかじめプラン内容をしっかり確認しておきましょう。
また短期払いにおいては、支払い期間を変更できる場合もあります。例えば、もともと10年で支払いを終える契約をしていても、その後20年に変更可能なケースもあります。こちらも保険会社や契約内容によって異なるため、きちんとチェックしておきましょう。
ただし、変更するタイミングや内容によっては保険料が想定以上に高くなってしまうかもしれません。なるべく変更することのないよう、契約する時点で慎重に決めるのがおすすめです。
払込期間を決めるための3つのポイント
迷ってしまいがちな払込期間。この先どうなるか分からない中、どのように決めたらいいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
払込期間について決める際は、次の3つのポイントについて考えてみるのがおすすめです。
- ライフプラン
- 保険料の支払い能力
- 医療保険を定期的に見直すかどうか
ライフプラン
払込期間は、ライフプランに合わせて決めることが重要です。例えば、
- 子どもの教育費や住宅ローンの支払いなど、将来の支出が想定される
- 退職後の収入が大きく減少する
といったことがわかっている場合、短期払いで契約して早めに支払いを終えておくのがベターかもしれません。
一方で、
- 毎月の保険料は抑えておきたい
- あまり長生きすることを前提に考えていない
という方であれば、終身払いのほうが適しているでしょう。
保険料の支払い能力
保険料の支払い能力も、払込期間を決める際には重要な要素です。毎月の保険料が家計を圧迫するような払込期間を選ぶと、保険料を滞納してしまうリスクが高まります。
特に出費がかさむ時期と契約日が近い場合は、無理して短期払いにすると想像以上に負担が大きくなってしまうことも。
一般的に、払込期間が短いほど保険料は高くなります。そのため、保険料の支払い能力を踏まえて、無理のない払込期間を選ぶことが大切です。
医療保険を定期的に見直すかどうか
医療保険は、時代の変化やライフスタイルの変化に合わせて見直すことも大切。そのため、将来的に医療保険を見直す可能性がある場合は、他の保険に乗り換えやすい終身払いを選ぶとよいでしょう。
とくに医療保険を保障内容の充実度で選びたい方は、保険を乗り換える可能性も考慮して払込期間を決めるのがおすすめです
一方、将来的に保険を見直す予定がない場合や、同じ保障をずっと継続させたい場合は、短期払いでも問題なさそうですね。
医療保険の払込期間について迷ったら保険のプロに相談
ここまでお伝えしてきたように、保障内容だけでなく払込期間も判断が難しいポイントになります。自分にあった選択ができるのか、他の人はどうしているのか、気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
さらに最新の動向やキャンペーン情報など、目を通さなければならない情報もたくさん。医療保険を選ぶのは、なかなか骨が折れる作業ですよね。
みんかぶ保険では、保険の専門知識を持ったプロに無料で相談することができます。あなたのお悩みについて相談しながら、最適な医療保険を簡単に見つけられるでしょう。
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まとめ
2種類の払込期間の内容やそれぞれのメリットやデメリット、決め方のポイントについて解説してきました。
どちらが適しているかは、契約者の事情や状況、考え方によって異なります。今回お伝えしたポイントを参考に、後悔のないような選択をしましょう。