医療保険の女性特約。乳がんや子宮がんなど、女性特有の病気の備えとして気になる方も多いのではないでしょうか。
しかし、
など、わからないことも多いでしょう。
そんな疑問や不安を抱えている方のために、今回は医療保険における女性特約の必要性について解説します。この記事を読めば、女性特約をつけるべきかについて、最適なタイミングでベストな判断ができるようになるはずです。
医療保険の女性特約は必要なの?
最初に結論をお伝えすると、医療保険の女性特約を付帯させるべきかは人によって異なります。個人のライフステージや収入状況、不安の強さに応じて必要性が異なるため、万人に共通する明確な基準をお伝えするのは難しいです。
そのため、本当に医療保険の女性特約が必要なのかについては、最終的に契約者本人が決めなければなりません。しかしそう言われても、どんな情報をもとに判断すればいいかわからないですよね。
女性特約が必要か判断するために知るべき情報
女性特約が自分に必要かどうかを判断するためには、以下の情報を押さえておく必要があります。
女性特約とはなにか
女性特約の保障範囲
女性特約をつけるメリット・デメリット
女性特約が特に必要な人やタイミング
これから記事の中で、上記の情報を順を追って詳しく解説していきます。最後には、これらの内容を踏まえて女性特約の必要性を自分で判断するための方法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
医療保険の女性特約とは?
ではそもそも、医療保険の女性特約とは一体どのようなものなのでしょうか?聞いたことはあっても、具体的にどのような保障が受けられるのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
まずは、女性特約の基本的な仕組みについて解説します。
女性特有の病気で入院・手術した際に給付金が上乗せされる
一般的な医療保険では、病気やケガで入院・手術をした場合に、給付金を受け取ることができます。女性特約は、この基本的な保障内容に上乗せする形で、女性特有の病気をカバーするための特約です。
具体的には、女性特約の対象となる女性特有の病気(乳がんや子宮筋腫など)で入院や手術をした場合、通常の医療保険の給付金に加えて、上乗せで給付金を受け取れるようになります。
女性特約をセットすれば、女性特有の病気による医療費負担をさらに軽減することが可能です。
医療保険における女性特約の保障範囲
女性特有の病気と一言で言っても、その範囲は意外と広いもの。女性特約の必要性を検討する上で、保障範囲に関する情報は欠かせません。
ここからは、女性特約で一般的にカバーされている病気や治療について詳しく見ていきましょう。
女性特約の対象となる病気
女性特約の保障対象となる主な病気は以下の通りです。
乳がん、子宮頸がん、子宮体がんなどの悪性新生物
乳房や子宮の上皮内新生物
子宮筋腫やチョコレートのう胞
帝王切開などの異常分娩 ※正常分娩は対象外
不妊治療
乳がんや子宮がんといった悪性新生物はもちろん、上皮内新生物や、子宮筋腫などの病気も女性特約の対象となります。
また、帝王切開などの異常分娩や不妊治療も、保障対象に含まれているケースがあります。
女性特約の対象となる治療内容は入院や手術が一般的
女性特約の保障対象となった場合、入院や手術に対して給付金が支払われるのが一般的です。しかし、女性特約では通院は一般的に保障対象とならないため注意しましょう。
例えば乳がんの治療では、手術後に放射線治療や抗がん剤治療のために通院することがありますが、そのような通院は女性特約の保障対象外となるケースが多いです。通院も保障してほしいという方は、女性特約に加えて通院特約のついた医療保険も検討してみるとよいでしょう。
医療保険における女性特約のメリット
女性特約をつけることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。女性特有の病気やライフイベントに対する備えとして、女性特約が大きな力を発揮してくれることもあります。
女性特約のメリットとして挙げられるのは以下のとおりです。
女性特有の病気の保障が充実する
妊娠・出産リスクに備えられる
女性特有の病気の保障が充実する
女性特約最大のメリットは、乳がんや子宮がんなどの女性特有の病気の保障が充実することです。
国立がん研究センターの統計によると、乳がんや子宮がんは30〜40代の比較的若い世代から罹患率が上昇します。特に乳がんは女性のがんの中で最も発症率が高く、11人に1人が乳がんを経験するとも言われています。
若いうちから女性特約で手厚い保障を用意しておけば、万が一の際の治療費や入院費の負担を軽減できます。経済的な備えを整えておくことで、お金の心配をすることなく治療に専念できるでしょう。
妊娠・出産リスクに備えられる
女性特約のもう一つの大きなメリットが、妊娠・出産に伴うリスクに備えられることです。
帝王切開などの異常分娩は、正常分娩に比べて入院期間が長期化しやすく医療費負担も大きくなりがちです。ほかにも妊娠高血圧症候群など、妊娠中のトラブルで入院が必要になるケースも少なくありません。
出産時には、自治体から出産一時金を受け取ることができます。しかし異常分娩や入院が必要になった場合、費用をすべて出産一時金で賄うのは難しいです。
女性向け特約に加入していれば、これらの妊娠・出産に伴う医療費を給付金で賄うことができるので、経済的な不安を解消し、安心して出産に臨むことができます。
医療保険における女性特約のデメリット
女性特約には多くのメリットがある一方で、デメリットについてもしっかり理解しておく必要があります。せっかく加入した特約も、デメリットを知らずに不本意な思いをするのは避けたいですよね。
女性特約のデメリットについては、以下のものが考えられます。
保険料が高くなる
保障範囲が限定的
保険料が高くなる
女性特約の最大のデメリットは、保険料が割高になることです。
女性特有の病気の保障を手厚くする分、どうしても保険料は高くなります。特約をつけることで、月々数百円程度の保険料アップになるのが一般的です。
一見すると大した金額ではないと感じるかもしれませんが、年間に直すと数千円の出費。10年、20年と積み重なれば、その差は無視できない金額になります。
保障範囲が限定的
もうひとつの女性特約のデメリットは、保障の対象となる病気が限定的なことです。
多くの女性特約では、乳がんや子宮がんなどの女性特有の病気を保障対象としていますが、それ以外のがんや病気は保障されません。
また、保険商品によって保障範囲が異なるため、加入前に必ず確認が必要です。例えば異常分娩や不妊治療まで保障されている商品もあれば、対象外の商品もあります。
ただし女性特約でカバーされていなくても、医療保険の一般的な保障の対象になるケースがほとんど。そのため、女性特約の保障範囲についてシビアに考える必要性は、そこまで高くないかも知れませんね。
自分が求める保障内容と、特約の保障内容がマッチしているかどうかを見極めることが重要と言えるでしょう。
医療保険の女性特約が必要か考えるべきタイミング
女性特約への加入を検討するベストなタイミングはいつなのでしょうか。女性特有の病気のリスクや、ライフステージの変化を考慮に入れると、意外と早めのタイミングで検討しておく必要があります。
ここからは、女性特約が必要か考えるべきタイミングについて詳しく見ていきましょう。
女性特有の病気リスクが高まる前
女性特約への加入を検討すべきタイミングのひとつ目は、女性特有の病気のリスクが高まる前。具体的には「30代以前」です。
前述の通り、乳がんや子宮がんなどの女性特有のがんは、30代から罹患率が上昇し始めます。また30代は、子宮筋腫や子宮内膜症といった「がん以外の女性特有の病気」にかかる人も増え始める年代です。
そのため、女性特有の病気のリスクが高まる前の20代のうちに、女性特約について考えておくのがおすすめです。病気のリスクが低いうちに備えておけば、保険料も抑えられる上に、万が一の際の保障もしっかり充実させられます。
ライフステージが変わるタイミング
女性特約への加入を検討すべきもうひとつのタイミングは、ライフステージが変化するときです。
結婚や出産、子どもの入学など、ライフステージの変化にはお金が必要です。中でも出産は、家族にとって特に大きなイベント。出産時には母体にトラブルが起きやすく、帝王切開などの異常分娩になるリスクもあります。
そのため、結婚や出産などを控えている場合は、そのタイミングに合わせて女性特約への加入を検討しましょう。万が一の際の医療費負担を軽減できれば、安心して出産や育児に専念できますね。
医療保険の女性特約が必要か判断するポイント
女性特約が必要かどうかは人それぞれ異なります。画一的に「必要」「不要」と言えるものではなく、一人一人の状況に合わせて判断する必要があります。
これまでお伝えしてきた内容を踏まえつつ、女性特約の必要性を判断する際のポイントを詳しく見ていきましょう。
保障内容と保険料のバランスを考える
女性特約の必要性を判断する際は、保障内容と保険料のバランスを考えるのが重要です。
まず、自分が無理なく支払える保険料がいくらなのかを把握しておきましょう。その上で、その範囲内でどれだけ保障を充実させられるかを考えます。
女性特約を付帯させて乳がんや子宮がんなど、女性特有の病気に対する保障を手厚くすれば、そのぶん保険料は高くなります。反対に保険料を抑えたい場合は、ある程度保障内容を絞り込まなければなりません。
入院環境や治療の選択肢を充実させたいか考える
女性特約への加入を検討する際は、入院環境や治療の選択肢をどれだけ充実させたいかも重要なポイントです。
万が一入院することになった際、プライバシーを重視して個室への入院を希望する人もいるでしょう。しかし、個室入院には差額ベッド代がかかります。差額ベッド代は公的医療保険の対象外であるため、全額自己負担です。
また、先進医療のように公的医療保険の対象外となる治療法を選択した場合、多額の治療費が発生します。
そのため「より良い入院環境で過ごしたい」「可能な限り高度な治療を受けたい」といった希望がある場合は、女性特約で保障を充実させておくのがおすすめです。保険金が上乗せされるため、そのぶん差額ベッド代や先進医療の技術料に充てられます。
迷ったら保険のプロに相談してみよう
ただし、結局将来どのようなことが起こるかわかりません。さまざまな病気にかかるリスクや保険会社ごとの保険料、同年代の一般的な加入率など、最適な医療保険を見つけるためにはたくさんの情報が必要です。
そのため、なかなか自分で決められないという方も多いはず。そのような方には、保険のプロに相談してみるのがおすすめです。
みんかぶ保険では、保険に関する専門知識を豊富に持つプロに無料で相談できます。保険選びに関するアドバイスや保険会社ごとの見積もりを依頼できるため、保険選びの精度も効率性も一気に高くなるでしょう。
しつこい営業もないため、安心してご利用いただけます。女性特約をはじめとした「保障内容をどれだけ充実させるか」に関してお悩みの方も、ぜひ一度ご利用ください。
まとめ
医療保険に女性向け特約を付帯させることで、乳がんや子宮がんといった女性特有の病気や、妊娠・出産に伴うリスクに対して手厚く備えることができます。
しかし、その分保険料は高くなるというデメリットもあるため、加入の際は保障内容と保険料のバランスをよく見極める必要があります。
また、女性特有の病気のリスクが高まるのは30代以降。将来のライフステージの変化なども考慮に入れ、リスクが低い20代のうちに加入を検討してみましょう。