この記事では「医療保険への加入を考えているけど、健康診断の結果って必ず提出しないといけないのかな?」という疑問にわかりやすく回答していきます。
「健康診断結果がなかったら?」
「健康診断で再検査になっていても大丈夫なのか」
など、気になるポイントも余すところなく解説しているので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
医療保険の加入に健康診断の結果は必要?
医療保険の加入に健康診断の結果が必要かどうかは、保険商品やプランによって異なります。
【健康診断の結果の提出が必要なケース】
- 加入条件に「健康状態の告知」があり、その告知項目に健康診断の結果が含まれる場合
- 保険料を割安にするために、健康診断の結果を提出する必要がある場合
一般的に、医療保険の加入条件には「健康状態の告知」があり、その告知項目に健康診断の結果が含まれる場合は、健康診断の結果の提出が必要となります。
健康診断の結果の提出が必要な場合、健康診断の結果の写しを保険会社に提出する必要があるため、健康保険組合や会社などから発行された健康診断の結果を手元に用意しておくとスムーズに申込みできます。
また、注意点として健康診断の結果の提出が不要な場合でも、加入時には告知義務があります。
告知義務とは、加入時に現在の健康状態や過去の傷病歴などを保険会社に正確に告知する義務のことです。告知内容に虚偽や不備があった場合、給付金が支払われません。
したがって、医療保険に加入する際には、健康診断の結果の提出が必要かどうかを保険会社に確認するとともに、告知義務をしっかりと理解しておくことが大切です。
健康診断の結果はいつ提出する?
では、自分が入りたい医療保険が「健康診断の結果が必要」だった場合、どのタイミングで提出するのか、いつまでに用意しておかなければいけないのでしょうか。
医療保険の申込の流れは以下の通りです。以下の「告知」のタイミングで提出することになります。
必要な場合はいつの健康診断の結果を提出すれば良いの?
医療保険に加入する場合、健康診断の結果の提出が必要な場合は、一般的に「12ヶ月から14ヶ月以内」の健康診断の結果を提出する必要があります。
これは、健康状態は短期間で大きく変化することはないため、この期間以内に受けた健康診断の結果であれば、現在の健康状態を把握するのに十分であると考えられるためです。
ただし、保険会社によっては、この期間よりも短い期間内の健康診断の結果を求めるケースや、長い期間内の健康診断の結果を求めるケースもあります。また、健康診断で異常があった場合は、過去2年間の健康診断の結果を遡って調査される場合もあります。
したがって、医療保険に加入する際には、健康診断の結果の提出が必要な期間を保険会社に確認しておくことが大切です。
具体的には、保険会社から送付される「告知書」に記載されている「健康診断結果の提出期間」を確認してください。また、保険会社に直接問い合わせることも可能です。
提出する健康診断結果は年齢や加入する商品によって異なる!
加入する保険商品によって必要になる健康診断結果が異なります。
具体的には、年齢が高かったり、保険金の額が高額になるとより検査項目の多い健康診断結果を求められることがあります。
検査項目の例
申し込み時点の年齢が39歳以下のお客さまの必須項目
- 受診者名
- 総合判定
- 健康診断実施日
- 健康診断実施医療機関名
- 身長・体重
- 血圧
- 尿検査(蛋白、糖)
- 胸部X線
検査項目の例
申し込み時点の年齢が40歳以上のお客さまの必須項目
- 受診者名
- 総合判定
- 健康診断実施日
- 健康診断実施医療機関名
- 身長・体重
- 血圧
- 尿検査(蛋白、糖)
- 胸部X線
- 心電図
- 血色素量(Hb、ヘモグロビン)
- 赤血球
- GOT(AST)
- GPT(ALT)
- γ-GTP
- 総コレステロール(TC、T-cho)またはLDLコレステロール(LDL-C)
- HDLコレステロール(HDL-C)
- 中性脂肪(TG、トリグリセライド)
- 空腹時血糖(FBS)またはHbA1c
基本的に、勤め先等で指定された検査を行えば必要な項目は検査されていると思いますので「追加で健診を受けなければいけないのかな」と不安になる必要はありません。
健康診断の提出なしで入れる医療保険もある
医療保険のなかには、健康診断の提出なしで入れるものもあります。詳しくは「健康診断結果の提出なしで加入できる医療保険の種類」で解説しているので、気になる方は先にチェックしてみましょう。
医療保険の加入時に健康診断はどんな基準で判断される?
医療保険の加入時に健康診断の結果が判断される基準は、保険会社によって異なります。
一般的には、以下の項目が判断基準として用いられます。
- 身長・体重・BMI
- 血圧
- 血液検査(コレステロール、血糖、HbA1cなど)
- 尿検査
- 胸部レントゲン検査
- 心電図検査
- 内科・外科・眼科・耳鼻咽喉科・婦人科などの検査結果
これらの検査結果から、加入者の現在の健康状態を総合的に判断し、保険加入の可否や保険料を決定します。
具体的には、以下の判断基準が用いられることがあります。
- 健康診断結果に異常がなければ、通常通り保険加入が認められる。
- 健康診断結果に軽度の異常がある場合、保険加入が認められるが、保険料が上乗せされる。
- 健康診断結果に重度の異常がある場合、保険加入が認められない場合がある。
また、保険会社によっては、健康診断の結果だけでなく、告知内容や本人の健康状態などを総合的に判断して、保険加入の可否や保険料を決定することもあります。
したがって、医療保険に加入する際には、健康診断の結果だけでなく、告知内容や本人の健康状態などもしっかりと確認しておくことが大切です。
健康診断の結果が要再検査・要経過観察だと医療保険に入れない?
健康診断で再検査・要経過観察だと医療保険に入ることはできないのか。結論、必ず加入できないわけではありません。
「要経過観察」の場合は、「部位不担保」になったり、「要再検査」のまま申込みをすると、審査で不利になることがあります。加入を断られる可能性も0ではないため、検査を受けてから申込みすることをおすすめします。
虚偽の結果を送ることは告知義務違反にあたるため絶対NG
「検査結果があまり良くないから少しくらい数値を誤魔化していいかな?」という考えは絶対にやめましょう。
虚偽の検査結果や申告を行うことは「告知義務違反」にあたります。
告知義務違反とは、保険契約の際に、保険会社が告知を求めた事項について、故意または重大な過失によって、事実を告知しなかったり、事実と異なることを告知したりすることです。
告知義務違反があった場合、保険会社は保険契約を解除することができます。また、保険契約が解除された場合、保険金や給付金は支払われません。
告知義務違反となる具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 病気や傷害の告知漏れ
- 病気や傷害の程度の軽視
- 病気や傷害の治療歴の隠蔽
- 喫煙歴の隠蔽
- 薬の服用歴の隠蔽
告知義務違反とならないためには、保険会社が告知を求めた事項について、正確に、かつ、漏れなく告知することが大切です。
告知義務違反を避けるために、以下の点に注意しましょう。
- 告知書の記載内容をしっかりと確認する
- わからないことや不安なことは、保険会社に問い合わせる
- 告知書の記載内容に誤りや漏れがあった場合は、速やかに保険会社に連絡する
また、告知義務違反に該当するかどうかを判断するのは難しい場合もあります。そのような場合は、保険会社に相談することをおすすめします。
健康診断を受けていない・診断結果をなくしてしまった場合はどうすれば良い?
医療保険への加入を考えたタイミングではまだ健康診断を受けていない、診断結果を無くしてしまった場合はどうすれば良いのか。
健康診断を受けていない場合は、なるべく早く検査を受ければ問題ありません。しかし「健康診断結果をなくしてしまった場合」は対応が必要です。
保険商品によっては健康状態の質問に答えるだけでOKの場合もある
前提として、保険商品によって「健康状態を答えれば健康診断の結果提出は不要」な場合もあります。
- 保険金が比較的少額の商品
- 被保険者の年齢が39歳以下の場合
上記のようなケースでは、健康診断の結果を送らなくとも加入できるものも多いです。詳しくは加入を検討している商品の申込条件を確認してみましょう。
健康診断を受診した機関や勤め先の人事に問い合わせる
肝心の「健康診断結果をなくしてしまった場合」の対処法に移りましょう。
健康診断結果をなくしてしまった場合には、受診機関や勤め先の人事に再発行ができないか確認しましょう。
再発行手数料がかかる場合もありますが、再発行できる場合には手続きをしてもらいましょう。
健康診断結果の提出なしで加入できる医療保険の種類
医療保険の中には、健康診断結果の提出なしで加入できるものもあります。健康診断結果の提出なしで加入できる医療保険は、大きく分けて以下の3種類に分けられます。
- 引受基準緩和型医療保険
- 無選択型保険
- 特定疾病・特定部位不担保
健康診断結果の提出なしで加入できる医療保険には、以下のメリットとデメリットがあります。
メリット
- 健康診断を受けていない人でも加入できる
- 健康診断を受けに行く手間や時間が省ける
- 保険料が安くなる可能性がある
デメリット
- 通常の医療保険よりも保険料が高くなる可能性がある
- 保障内容が一部制限されている可能性がある
引受基準緩和型医療保険
引受基準緩和型医療保険とは、健康状態の告知項目を限定することで、健康状態に不安のある人でも加入しやすい保険です。
一般的には、以下の項目が告知項目から外されます。
- 現病歴
- 既往症
- 持病
- 健康診断の結果
そのため、健康診断を受けていなくても、健康状態の告知のみで加入することができます。
ただし、引受基準緩和型医療保険は、通常の医療保険よりも保険料が高くなる傾向にあります。また、保障内容が一部制限されている場合もあります。
無選択型保険
無選択型保険とは、健康状態にかかわらず、誰でも加入できる保険です。
引受基準緩和型医療保険と同じく、健康診断を受けていなくても、健康状態の告知や医師の診査なしで加入することができます。
ただし、無選択型保険は、通常の医療保険よりも保険料が高くなる傾向にあります。また、保障内容が一部制限されている場合もあるので保障内容の確認は入念に行いましょう。
特定疾病・特定部位不担保
特定疾病・特定部位不担保とは、特定の疾病や特定の部位の保障を除外することで、通常の保険に加入することができます。
ただし、特定疾病・特定部位不担保は、特定の疾病や特定の部位の保障が受けられないため、注意が必要です。
医療保険への加入に不安を感じている人は、ひとりで悩まず保険のプロに一度相談してみましょう。
まとめ
今回は、医療保険の健康診断結果は加入時に必要なのかどうかを解説しました。
健康診断の結果にかぎらず、医療保険の加入時にはさまざまなことがわからなかったり、保障内容で迷うこともあると思います。
そんなときは一人で悩むのではなく、信頼できる保険のプロに相談してみてはいかがでしょうか?