医療保険

医療保険の被保険者が死亡した場合、給付金はどうなる?相続税の計算方法や請求方法を解説

著者:みんかぶ編集室

監修:

杉本 大輔

2級ファイナンシャル・プランニング技能士 / シニア・ライフ・コンサルタント / フィナンシャル・エージェンシー所属

2024年04月25日 掲載

日本においては、死亡する直前まで入院している方が多いでしょう。もし亡くなってしまった方が医療保険に加入している場合、本来であれば入院日数に応じて「入院給付金」が支払われます。

でも、被保険者が亡くなってしまったら、給付金は請求できなくなるの?
もし受け取れるとしても、誰なら受け取れるのかがわからない…
そういえば、給付金って相続税がかかるのかな?

そんな疑問を持つ方もいるでしょう。

この記事では、医療保険の被保険者が死亡した場合の給付金について、受け取る人や相続税の有無、請求方法をご紹介します。

医療保険の被保険者が死亡した場合でも給付金はもらえる

被保険者が亡くなるまで入院していた場合、死亡するまでの入院日数分の給付金を請求できます。

例えば、被保険者が30日間」入院した後に亡くなった場合、30日分」の入院給付金を受け取ることが可能です。

医療保険は、病気やケガによる入院や手術の際に、保険会社から一定額の給付金を受け取れる保険商品です。入院給付金は入院日数に応じて支払われるため、入院中に死亡した場合でも保険会社は給付金を支払います。

ただし被保険者本人が亡くなっている場合、給付金は本人以外の誰かが代わりに受け取る必要があります。

医療保険の被保険者が死亡した場合の受取人は?

医療保険の被保険者が死亡した場合の受取人は?

では被保険者が死亡した場合、医療保険の「入院給付金」は一体誰が受け取ることができるのでしょうか?

実は、受取人は保険契約時に指定することができます。また指定がない場合は、法定相続人が受け取ることになります。

それぞれのケースについて、さらに詳しく解説します。

受取人は指定できる

医療保険では、被保険者が入院給付金の受取人を指定することができます。受取人には配偶者や子ども、親など、被保険者と関係の深い人やお金を残してあげたい人を選ぶのが一般的です。

例えば、被保険者が配偶者を受取人に指定した場合、被保険者が亡くなった後の入院給付金は、配偶者が受け取ることになります。子どもや親を受取人に指定することも可能です。

受取人が決められている場合は、受取人が給付金を請求する必要があります。

受取人が指定されていない場合は法定相続人が受け取る

一方、受取人が指定されていない場合は、法定相続人が入院給付金を受け取ることになります。

法定相続人とは、民法で定められた相続の順位に基づく相続人のことです。具体的には、配偶者や子供、父母、兄弟姉妹などの2親等以内の血族が該当します。

法定相続人は被保険者との関係性に応じて順位が決められており、その順位に従って入院給付金を受け取る権利を持っています。医療保険の給付金も遺産扱いとなるため、保険会社によっては、受取人に複数名を指定できたり、割合を決めることでもできます。

受取人が誰なのかは保険証券に記載されている

入院給付金の受取人は、保険証券を見ればわかります。保険証券とは、保険契約の内容を記載した書類のことです。

保険証券には、保険契約者や被保険者、受取人の氏名、保険金額、保険期間など保険に関するさまざまな情報が記載されています。もし受取人が指定されている場合、受取人の欄に名前が載っています。

そのため、被保険者が亡くなり給付金を請求する場合、まずは保険証券をチェックしましょう。

被保険者が死亡した場合は給付金に相続税がかかる?

被保険者が死亡した場合は給付金に相続税がかかる?

医療保険の被保険者が死亡した場合、被保険者以外の人が入院給付金を受け取ることができます。しかし、受け取り方によっては相続税の対象となります。

相続税の有無が決まるパターンは以下のとおりです。

  • 被保険者本人が受取人である場合は「相続税がかかる」

  • 受取人が被保険者以外の場合は「相続税はかからない」

被保険者本人が受取人である場合は相続税がかかる

医療保険の受取人が指定されておらず、本来であれば被保険者本人が入院給付金を受け取る予定だった場合、その給付金は被保険者の相続財産として扱われ、相続税が課せられます。

つまり「受取人が決まっていないから相続人が受け取る」というケースにおいては、相続税がかかるということです。

相続税は、法定相続分に応じて計算されます。相続税の税率は遺産の金額によって異なりますが、10%〜55%の累進課税が適用されます。入院給付金で設定されている金額や遺産の合計額によっては税率が変化するため注意しましょう。

準確定申告が必要になる

また、医療保険の給付金を受取人ではなく相続人として受け取った場合、準確定申告が必要です。

準確定申告において、医療保険の給付金は所得税の対象にはなりません。ただし準確定申告時に「医療費控除」を利用する場合は要注意。

医療費控除を受けたい場合は、確定申告書に控除額を記入する必要があります。しかしその際、受け取った給付金を控除金額から差し引く必要があります。

医療保険の給付金は「医療費をカバーするための費用」とみなされます。そのため、1年間に支払った医療費から、相続した給付金額を差し引かなければなりません。

医療費控除額の計算方法

受取人が被保険者以外の場合は相続税はかからない

一方、被保険者の配偶者や子どもなど、被保険者以外の人が入院給付金の受取人としてあらかじめ指定されている場合は、相続税はかかりません。

受取人が指定されている場合、入院給付金は最初から被保険者とは別の人のものとして指定されているとみなされます。被保険者の相続財産には含まれないので、相続税の対象外です。

受取人の指定は、保険会社に申し出ることで変更可能です。被保険者の意向に沿って、適切な受取人を選ぶことが大切ですね。

医療保険の被保険者が死亡した場合の請求手続き

医療保険の被保険者が死亡した場合の請求手続き

では被保険者が亡くなった場合、医療保険の給付金はどのような手続きをすれば受け取れるのでしょうか?

具体的なステップは保険会社ごとに決められていますが、一般的には以下のような手順が必要です。

  • 保険会社に連絡

  • 必要書類を揃える

  • 保険会社による審査結果を待つ

保険会社に連絡

給付金の請求手続きを始めるために、まずは加入している保険会社に連絡を入れましょう。電話や専用サイトから連絡し、亡くなった日付と被保険者名、保険証券番号などを保険会社に伝えます。

死亡前に入院していた場合は、入院期間や病名なども併せて伝えておくと手続きがスムーズです。その後保険会社から、保険金・給付金の請求方法や必要書類について案内されます。

必要書類を揃える

保険会社から書類が届いたら、必要事項を記入し提出します。

必要書類の具体例

  • 死亡を証明する書類(死亡診断書または死亡証明書)

  • 入院を証明する書類(入院証明書や診断書)

  • 保険証券

  • 請求書(保険会社所定のもの)

  • 保険金・給付金受取人の戸籍謄本と印鑑証明書

  • 保険金・給付金受取人名義の振込先口座が分かるもの

請求に必要な書類は、保険会社や商品によって異なります。詳しくは保険会社に確認しましょう。

保険会社による審査結果を待つ

必要書類が保険会社に到着後、給付金の支払条件を満たしているか、必要書類が揃っているかなど、保険会社で支払可否の審査が行われます。

審査の結果、給付金の支払事由に該当すると判断されれば、指定の口座に給付金が振り込まれます。書類の到着から1週間前後で給付金が支払われるケースが多いです。

提出書類の記入漏れや不備があると、再提出が必要になり手続きに時間がかかってしまいます。

ミスしないよう、書類の準備は丁寧に進めましょう。

給付金の請求はなるべく早めに

医療保険の給付金請求について、気をつけるべき点がひとつあります。それは「医療保険の給付金請求はなるべく早めに始めるべき」ということです。

保険会社によって、請求できる期間は決まっています。期限を過ぎると給付金がもらえないため、請求期限を確認しつつ、なるべく早めに手続きを行うのがよいでしょう。

また給付金保請求の手続きを行う場合は、公的書類の有効期限にも注意が必要です。例えば被保険者の死亡診断書や受取人の戸籍抄本は、発行から3ヶ月程度で有効期限切れとなるケースが多いです。

医療保険の給付金と死亡保険金を混同しないよう注意

医療保険の給付金と死亡保険金と混同しないように注意

もし医療保険の被保険者が生命保険にも加入している場合、医療保険の給付金だけでなく死亡保険金も受け取れます。

医療保険と生命保険はどちらも民間の保険ですが、給付金の種類や税金の有無・計算方法が異なります。被保険者が亡くなった場合の保険金について、医療保険と生命保険の違いを理解しておきましょう。

死亡保険金には非課税枠がある

医療保険の給付金は、受け取り方によって税金の種類が異なります。一方、生命保険の死亡保険金は、相続税の対象です。

ただし医療保険とは異なり、死亡保険金には500万円×法定相続人の数までは非課税となる「相続税の非課税枠」が適用されます。

同じようなお金でも、税金の計算方法が異なります。しっかりと理解し、相続税を正しく計算しましょう。

まとめ

医療保険の入院給付金は、受取人の指定の有無によって相続税の有無が変わります。

  • 受取人が被保険者本人の場合は、相続財産として相続税の対象となる。

  • 受取人が被保険者以外の第三者の場合は、相続税の対象外となる。

もしお金を残したい人が決まっているのであれば、あらかじめ受取人を決めておけばより多くのお金が残せます。また相続発生後の手続きもスムーズになるでしょう。

もし医療保険や生命保険のお金についてわからないことがあれば、保険のプロに相談してみるのもおすすめです。みんかぶ保険では保険に関する困りごとについて、専門のスタッフに無料で相談できます。

回数制限やしつこい営業がないため、どなたでも自由に利用できます。医療保険や生命保険のお金についてきちんと理解できれば、大きな相続トラブルも回避可能。わからないことがあれば、まずは気軽に利用してみましょう。

この記事に関連するタグ

みんかぶ編集室

資産形成メディア「みんかぶ」を中心に、金融商品の記事の執筆を行っています。資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。

本コンテンツは 株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド が独自に制作しています。詳しくは コンテンツポリシー をご覧ください。