「独身なのに医療保険に入る必要はあるの?」
「独身だけどどうやって医療保険を選べばいいかわからない」
独身の人の中には、医療保険について迷っている方も多いでしょう。すべての人に医療保険が必要な訳ではないものの、加入しておくことで避けられるリスクが存在するのも事実です。
今回は、
- 独身でも医療保険に入るべきか
- 医療保険はどうやって選ぶべきか
- どんなリスクに備えられるか
について、わかりやすく解説していきます。
医療保険に加入すべき独身の人は?
独身の人が医療保険に加入すべきかについては「人による」が結論となります。医療費に自力で備えられるか、公的医療保険で十分だと感じるかなど、個人のリスク観によって医療保険の必要性が変わるため、一概に結論を述べるのは難しいです。
だからこそ、医療保険に加入すべきか考える際は、きちんと情報を集めたうえで自分なりの結論を出す必要があります。
医療保険への加入を検討する際は、以下のような情報が必要です。
- 医療保険で備えられるリスク
- 公的医療保険でカバーできる範囲
上記に関して詳しく理解したうえで、公的医療保険や自力の収入・貯蓄でなんとかなりそうな人にとっては、医療保険の必要性は低いでしょう。
一方、そのようなトピックを理解したうえで経済的に不安が残る方は、医療保険の活用を検討してみましょう。
自分にとってどんなリスクに備える必要があるのか、公的医療保険だけで大丈夫なのか。そういった点について考えたうえで、医療保険に入るかどうか判断しましょう。
独身の人に医療保険は必要?備えるべきリスク
まずは、医療保険でどのような備えができるかを確認してみましょう。
医療保険に入らなかった場合、長期の入院や手術が必要な際にどんな負担が発生してしまうのか、具体的に解説していきます。
病気やケガで働けなくないと収入は減少してしまう
独身の場合、病気やケガで働けなくなると、収入が大きく減ってしまう可能性があります。
本来受け取れるはずだったのに、入院によって失うことになった収入のことを「逸失収入」といいます。「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査《速報版》」によると、1日あたりの逸失収入の平均は21,000円です。
出典:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査《速報版》
入院が長引けば、そのぶん逸失収入も膨らんでしまい、経済的にも大きなダメージとなってしまうでしょう。
治療内容によっては医療費がかさんでしまうことも
病気やケガの治療費も、場合によっては高額になってしまいます。
このあと詳しく解説しますが、公的医療保険だけではすべての費用をカバーすることはできません。公的医療保険が適用されない費用に関しては自己負担となるため、治療方法や治療環境によっては医療費が一気に高くなってしまいます。
また公的医療保険によって自己負担額が減ったとしても、治療回数や治療期間が大きくなれば決して無視できない金額になってしまうでしょう。
長期の入院やさまざまな治療に備えるためには、一定のお金を準備しておく必要がありそうですね。
公的医療保険だけでは不十分?
ここまで、病気やケガに備えるうえで考えるべきリスクを見てきましたが、「日本には手厚い公的医療保険制度があるのに、なぜわざわざ民間の医療保険が必要なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
事実、日本の公的医療保険制度は世界トップクラスの充実ぶりを誇ります。 しかし、公的医療保険だけでは保障しきれないケースがあるのも事実です。
入院が長期化すると経済的な負担が大きくなる
公的医療保険が充実しているとはいえ、入院にはある程度のお金が必要になります。
生命保険文化センターの調査によれば、入院時における1日あたりの自己負担費用は平均25,800円(逸失収入も含む)。入院が長期化するほど、家計にも大きなダメージが残ってしまいます。
そのため、長期入院のリスクに十分に備える上で、公的医療保険だけでは心もとなく感じる方もいらっしゃるでしょう。
治療を充実させようとすると自己負担額が大きくなる
また治療環境や治療方法を充実させる場合、自己負担費用がさらに必要になります。具体例としては、差額ベッド代や先進医療にかかる技術料が挙げられます。
費用の名称 | 内容 | 費用の目安 |
---|---|---|
差額ベッド代 | 大人数での入院ではなく、プライバシーを重視した個室での入院を希望する際にかかる費用 | 1日あたり平均6,613円(※1) |
先進医療の技術料 | 厚生労働省が認めた高度な医療技術にかかる費用 | 数十万円〜数百万円(※2) |
※1引用:厚生労働省「主な選定療養に係る報告状況」
※2引用:公益財団法人 生命保険文化センター「先進医療とは?どれくらい費用がかかる?」
より良い治療を受けたい、快適な入院生活を送りたい場合は、追加でさらに多くの費用を準備しておく必要がありますね。
関連記事:先進医療とは?費用の目安や種類、利用可能な医療保険について分かりやすく解説
独身の人が医療保険を選ぶ際のポイント
もしものときのためにどんな費用を準備すべきかわかったところで、医療保険が必要だと考える方向けに、医療保険を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
独身の人が医療保険を選ぶ際は、次の2つを意識して考えましょう。
- 保険料と保障のバランスを大切に
- 必要な保障内容を見極める
保険料と保障のバランスを大切に
医療保険に加入する上で、保険料は負担になりすぎない金額に収めるのが大切です。
保障内容を充実させることも重要ですが、医療保険の目的はお金の不安を減らすこと。そのため、保険料で家計が苦しくなってしまうのは本来の目的とずれてしまいます。
毎月の保険料が無理なく支払える範囲内であるかどうかを確認しましょう。
年代や収入に合わせた無理のない保険料の範囲内で
特に若いうちは収入が比較的低めであることが多いため、保障内容を重視しすぎず、無理なく支払える保険料の範囲内で医療保険を選ぶことが賢明です。
ただし、加入年齢が若いほど毎月の保険料は安くなる傾向があります。そのため、保険料を抑えつつ万が一のために備えたいのであれば、早めに医療保険に加入するのもおすすめです。
30代男性の終身医療保険を比較
30代女性の終身医療保険を比較
定期型か終身型のどちらを選ぶべきか
医療保険には、定期型と終身型があります。どちらを選ぶかによって保険料が変わるため、しっかり考えて選びましょう。
定期保険は保障期間が短く、保険料が比較的安いのが特徴です。保険料を安く抑えつつ、特定の保障をスポット的に追加したい場合は、定期型を選びましょう。
一方、老後までの保障を確保したい方には終身型がおすすめ。定期型は一定の年齢を超えると保障対象から外れてしまいますが、終身型であれば亡くなるまで保障が続きます。
加入期間にもよりますが、保険料の総額は終身型のほうが高くなりやすいです。ただし加入タイミングが早ければ終身型であっても毎月の保険料は安く抑えられるため、加入前にそれぞれの保険料をチェックしておきましょう。
必要な保障内容を見極める
医療保険には様々な種類があります。そのため、どの保障を選べば良いか迷ってしまう方も多いでしょう。
保険料と同じくらい、自分に必要な保障は何かを見極めることが大切です。
医療保険で特にメジャーな保障は、次の2つが挙げられます。
- 入院・手術保障
- 先進医療保障
入院・手術保障
最も一般的な医療保険の保障内容は、入院・手術保障です。病気やケガで入院や手術が必要になった場合に、保険金を受け取ることができます。
先述したように、長期の入院や大掛かりな手術にはお金が必要。医療保険の入院給付金や手術一時金で、そのような費用を準備できます。
先進医療保障
先進医療の技術料をカバーする保障も存在します。最新鋭の治療を受ける際の費用負担を軽減できるため、より良い治療を気軽に受けやすくなりますね。
先進医療にかかる費用の大部分や全額を受け取れる場合があり、特約として基本保障にプラスできるケースが一般的です。
必要に応じてほかの保険も活用する
病気やケガに備えられるのは医療保険だけではありません。医療保険のほかにも、次の2つのように長期の入院や大がかりな治療をカバーするための保険があります。
- がん保険
- 就業不能保障・所得補償保険
もちろん追加で加入する分、保険料はかかってしまいますが、より手厚い保障を求める方は加入を検討してみましょう。
がん保険
医療保険は幅広い病気・ケガが対象ですが、中にはがんに特化したがん保険もあります。がんと診断された場合や、がんの治療のために入院・手術が必要になった場合に、給付金を受け取れます。
請求回数に制限がない、通院費用も保障対象など、保障内容が充実しているタイプも多いです。
就業不能保障・所得補償保険
病気やケガで働けなくなった場合に、毎月一定の給付金を受け取れる就業不能保障や所得補償保険もあります。
独身の人にとって、収入が途絶えるリスクへの備えは特に重要と言えるでしょう。自分が働けなくなっても、ほかに収入面でサポートしてくれる人がいない場合、就業不能保障や所得補償保険があれば心強いですね。
【年代別】独身の人におすすめな医療保険
ここまで医療保険を選ぶポイントや主な保障内容について解説してきました。しかし自分に合った医療保険を選ぶためには、年代ごとに必要な保障について理解するのも重要です。
ここからは、年代別に独身の人におすすめの医療保険について見ていきましょう。
20代・30代におすすめな医療保険
20代・30代の独身の人は、将来に向けて貯蓄や投資を始める時期でもあり、毎月の保険料負担はできるだけ抑えたいと考える人が多いのではないでしょうか。そのため、医療保険に加入すべきか、どこまで保障をつけるべきか迷いがちですよね。
そのため、20代や30代の方は以下のポイントに気をつけて保険を選んでみてください。
- 保険料を抑えつつ必要な保障を確保
- 将来のライフプランを見据えた保障内容
20歳男性の終身医療保険の保険料を比較・シミュレーション
30歳男性の終身医療保険の保険料を比較・シミュレーション
保険料を抑えつつ必要な保障を確保
20代・30代は平均収入が比較的低い一方で、保険料も比較的安い傾向にあります。医療保険に早く加入するほど月ごとの保険料は安く済むため、20代や30代のうちに終身型の医療保険等に加入しておけば、安いままの保険料で継続できます。
そのため、無理のない範囲で保険料を設定しつつ、必要な保障を確保することがポイントです。「今後収入が上がるかもしれないし……」と無理をせず、現実的に無理なく支払える金額の保険料を見定めましょう。
将来のライフプランを見据えた保障内容
将来的に結婚や出産を考えている人は、そのようなライフイベントも見据えた保障内容を選ぶのが賢明です。例えば将来結婚し、子どもが欲しいと考えているのであれば、出産やマイホーム購入などのライフプランに合わせて保障を手厚くすれば安心ですね。
ライフステージに応じた保障を最初からすべてひとつの保険に盛り込もうとすると、保険料が高くなってしまいます。各年代で必要な最低限の保障をはじめに確保しつつ、必要に応じて定期型保険で保障を増やしていくのがおすすめです。
40代以上におすすめな医療保険
40代以上になると、がんや生活習慣病のリスクが高まってきます。また、経済的にも余裕が出てくる時期でもあるため、より手厚い保障内容の医療保険を選びやすくなるでしょう。
自分の年齢に合った保険は以下のページで簡単に探すことができます。
40歳男性の終身医療保険の保険料を比較・シミュレーション
40歳女性の終身医療保険の保険料を比較・シミュレーション
がん保障や先進医療保障を充実させる
40代以上は、がんの発症率が上がっていく年代です。医療保険にプラスして、がん保険の活用も検討してみましょう。
また先進医療保障を追加すれば、治療の選択肢を広げることも可能です。お金のせいで受けたい治療を諦めなければならない事態は、やはり避けたいですよね。
生活習慣病にも備えを
40代は、高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクも高まる年代です。健康維持のための生活習慣の見直しは大切ですが、万が一の治療に備えて医療保険に加入しておくことも重要でしょう。
生活習慣病は治療が長引くことも多いため、手厚い保障内容の医療保険を選ぶのがおすすめです。入院給付金や手術給付金といった基本保障を充実させるほかにも、生活習慣病に特化した特約を付与するという手もあります。
【男女別】独身の人におすすめな医療保険
年代だけでなく、性別ごとに備えるべきリスクを考慮することも大切です。男女で必要な保険ががらりと異なるわけではありませんが、性別特有の疾患や発症リスクの違いを理解した上で、優先的に備えるべきポイントを押さえておきましょう。
女性特有の疾患に備える医療保険
女性の場合、乳がんや子宮頸がんといった女性特有の病気を発症するリスクがあります。そのような疾患に対する保障を選ぶことで、より効果的に備えられるでしょう。
また、将来的な出産も見据えて、出産に伴う入院・手術保障を備えた医療保険を選ぶのもおすすめです。
がんや生活習慣病に備える医療保険
男性の場合、40代以降のがんや生活習慣病の発症リスクが女性よりも高い傾向にあります。
実際、国立がん研究センターのデータによると、60代以降におけるがんの疾患率は男性の方が高いと報告されています。
また、生活習慣病のひとつである「糖尿病(Ⅱ型)」に関しても、男性の方が多くの年代において罹患率が高いです。
(厚生労働省「令和2年 患者調査」をもとにグラフを作成)
もちろん、男性が女性と違って確実にがんや生活習慣病になる、というわけではありません。また女性であってもがんや生活習慣病のリスクにはきちんと備える必要があるでしょう。
とはいえ、男性の方が罹患率が高かったというデータが残っているのも事実です。生活習慣を見直すだけでなく、追加でがん保険に加入したり生活習慣病に特化した特約を追加したりと、早めに準備しておきましょう。
医療保険は定期的な見直しも重要
医療保険に加入することで、万が一の病気やケガに備えることができます。しかし、加入時に選んだ保障内容が、その後のライフスタイルの変化に合わなくなることもあります。
効果的に医療保険を活用するためには、定期的な見直しが重要です。
ライフスタイルの変化に合わせて保障内容を見直す
独身の人でも、年齢や収入、健康状態などによって、必要な保障内容は異なります。また、時間の経過とともに、ライフスタイルや対策すべきリスクも変化していきます。
そのため、定期的に以下の2点を確認し、保障内容を見直すことが大切です。
- 無理なく保険料が支払える範囲内か
- 想定されるリスクに対して、十分な保障が用意されているか
保険料の支払いが負担になりすぎているか、必要な保障が不足していないかを定期的にチェックしましょう。必要に応じて保障内容を調整することで、効果的に医療保険を活用できます。
まとめ:独身の人も医療保険の活用を
医療保険に加入すべきかどうかは、状況によって異なります。自分にどのようなリスクがあるのか、そして自力でどの程度備えられるのかを意識して考えることが大切です。
独身の人にとって、医療保険は万が一の病気やケガに備える重要な手段です。特に、独身の場合は家族のサポートが得られにくい方もいらっしゃるため、自分自身で備えておく必要性が高いと言えるでしょう。
ただし、保険料の負担と保障内容のバランスを考え、無理のない範囲で加入することが賢明です。
難しい保険選びはプロに相談
とはいえ、医療保険の選び方は難しいと感じる人も多いでしょう。保障内容や保険料、各社の商品の違いなど、考慮すべき点は多岐にわたります。
さらにキャンペーン情報や独自の保証など、保険会社ごとの特色も加味して決めたいところ。なかなかそこまで情報を集めるのも難しいですよね。
そんな時は、保険選びのプロに相談してみるのもひとつの方法です。「みんかぶ保険」なら、保険の知識を豊富に持つプロに無料で相談できます。しつこい営業もなく、何度でも利用可能なので、じっくりと自分に合った医療保険を選ぶことができるでしょう。
独身の人も、万が一に備えて医療保険の活用を検討してみてはいかがでしょうか。保険選びが難しいと感じた時は、ぜひプロに相談してみてください。