病気やケガで手術を受けることになった場合、通常の治療と比べて多くの費用が発生することもしばしば。
そんな多額の出費が発生してしまったときは、医療保険の「手術給付金」が大きな力を発揮してくれます。
では、医療保険に加入している場合、手術給付金はどれぐらい受け取ることができるのでしょうか?なんと手術をしても給付金がもらえないケースもあるため、事前に保障内容についてしっかりと知っておくことが重要です。
今回は、手術給付金の内容やもらえる金額、対象となる手術など、事前に身につけておくべきポイントを分かりやすく解説します。
手術給付金とは?
手術給付金とは、医療保険に加入している人が病気や怪我の治療のための手術を受けたときに、保険会社からお金を受け取ることができる保障です。
手術は一般的な治療と比較しても高額になりがち。公的医療保険が適用される手術でも、自己負担額が高くなる場合があります。そのような負担をカバーするための保障が手術給付金です。
保険商品ごとに、金額や対象となる手術、給付金を受け取るための条件などが定められています。どんな手術を受けたときにいくらもらえるのか、より具体的に確認してみましょう。
手術給付金がもらえる(対象)手術
手術給付金の対象になるのは、主に「公的医療保険に連動している約1,000種類の手術」または「保険会社が指定している88種類の手術」の2種類があります。どちらに該当するかは保険商品ごとに異なります。保険商品ごとにどの手術が対象になるかは、契約した保険の約款に記載されています。
また、日帰り手術が対象かどうかも保険商品によって異なります。求める保障の手厚さに応じて、保険商品を選ぶ必要がありますね。
手術給付金がもらえない(対象外)手術
逆に給付金がもらえないのは、公的医療保険の適用外となる手術や、治療を目的としていない手術になります。例えば、
- 美容整形手術
- 視力矯正にともなう手術(レーシック)
- 正常分娩による手術
上記のような手術は給付金の対象外となります。
手術給付金はいくらもらえる?
対象となる手術を受けた際に、手術給付金はどれぐらい受け取ることができるのか、気になる方も多いでしょう。
手術給付金の金額がどう決まるかは、大きく分けて2種類あります。
- 手術内容に関係なく金額が一律の場合
- 手術内容によって金額が変動する場合
手術内容に関係なく金額が一律の場合
手術内容に関係なく、「手術を受けるごとに〇〇万円」「入院給付金日額の◯倍」など所定の金額を受け取ることができるケースです。
一度に受け取れる金額は保険会社や保険商品ごとに定められています。また、入院を伴う手術と日帰りで完了する手術とで異なる金額が定められることもあります。
手術内容によって金額が変動する場合
一方で、手術内容に応じて給付金額が変わる保険商品も存在します。どのような手術を受けるのかに応じて、入院給付金日額に給付倍率(10倍、20倍、40倍など)を乗じた金額を受け取ることができるものです。
比較的軽度な手術では低めの倍率が設定されますが、胃切除手術のように大掛かりなものになるとより高い倍率で手術給付金額が決定します。
手術給付金でチェックすべきポイントとは?
これから医療保険に加入しようと考えている人の中には、「どんなことに気をつけてプランを選ぶべきなの?」と迷ってしまう方もいらっしゃるはず。
ここまでの内容を踏まえつつ、これから医療保険に加入する方向けに、手術給付金に関する注目ポイントについて解説していきます。
手術給付金の給付倍率の高さ
手術の保障をより手厚くしたい方は、手術給付金の給付金額が高く設定されている保険商品がおすすめ。高額な治療が必要となったときのために、しっかりとした給付金額の保障があることは安心感につながりますね。
しかし、保障の手厚さと保険料の高さはトレードオフ。保障を手厚くする分、保険料も高くなってしまいます。自身の健康状態やリスク観を考慮しつつ無理のない範囲で保障内容を考えてみましょう。
手術給付金が給付される際の条件
また、手術給付金が給付される際の条件についても確認が必要です。保険商品によっては、治療内容や手術の頻度に制限が設けられている場合があります。
- 60日に1回を限度とする
- 1日に複数の手術を受けた場合は1回分のみ給付する
- 放射線治療は60日に1回を限度とする
上記のような制限が設定されている保険商品もあるため、契約前に把握しておくことが重要です。見落としがちな部分でもあるので、しっかりチェックしましょう。
手術給付金に上乗せ可能な保障があるか
さらに、がんや女性特有の手術など、上乗せ可能な保障が用意されているかどうかもチェックポイントとなります。
治療に比較的お金や時間がかかってしまう病気・ケガに関して、通常の手術給付金よりもさらに手厚い保障が用意されている場合があります。よりしっかりと備えておきたい方は、追加の保障があるのかについてもチェックしましょう。
手術給付金の請求手続きと必要書類
対象になる手術を受けることで、給付金を受け取ることができる手術給付金。ですが、手術を受けたからといって、自動的にお金が送られてくるわけではありません。
手術を受けてから、給付金を受け取るまでに必要な手続きや書類について解説していきます。
保険会社に連絡する
まずは手術を受けること、そして手術給付金を受け取りたいことを保険会社に伝えましょう。電話もしくはオンラインでの申請が一般的です。
必要書類を準備する
手術給付金についての連絡を入れたのち、保険会社から手続きに必要な書類が送られてきます。一部手続きにおいては、郵送ではなくオンラインで進めることができる保険会社も増えてきています。
治療を受ける医療機関に診断書の作成を依頼する
保険会社から送られてきた診断書を医療機関に提出し、医師に診断書を書いてもらいましょう。
給付金の申請をする場合は、指定のフォーマットでの診断書が必要になります。違う形式での診断書を提出しても手続きが進められない場合もあります。そのため、保険会社ごとに用意された形式の診断書を活用しましょう。
書類を保険会社に提出する
必要書類の記入や準備が整ったら、保険会社に書類を送付します。給付金がいつもらえるかについては、不備のない書類が保険会社に到着してから5営業日以内という規定が一般的です。
手術給付金についてよくある質問
手術給付金の対象となる手術を保険会社ごとに確認することはできますか?
手術給付金がもらえる手術については、保険の約款に詳しく記載されています。また、対象となる手術の例を公式サイトに掲載していることも多いため、気になる方は調べてみましょう。
手術給付金と入院給付金を両方受け取ることは可能ですか?
細かな条件は会社や保険商品ごとに異なりますが、一般的には両方受け取ることができます。給付の条件に当てはまっている場合は、保険会社に申請しましょう。
手術給付金はいらないって本当ですか?
手術給付金が必要かどうかについては、不安の強さや貯蓄状況、家庭環境によって異なります。そのため、手術給付金の必要性については一概に結論をお伝えすることは難しいです。
医療保険や手術給付金について、契約するかどうか迷っている方はこちらの記事もご覧ください。
参考記事:
医療保険はいらない?それとも必要なのか?入っていない割合や後悔するパターンを解説
手術給付金は何回まで受け取ることができますか?
手術給付金は、原則何回でも受け取ることができます。ただ、保険商品によっては
- 複数の手術を同時に受ける場合は1回分の給付金のみ
- 一度手術してから次の手術まで一定の期間が必要
などの制限がかけられている場合もあります。詳しくは、保険商品の約款や契約内容について確認してみてください。