医療保険の審査とは?審査にかかる日数や落ちる理由など気になるポイントをわかりやすく解説

著者:みんかぶ編集室

2024年04月26日 掲載

医療保険への加入には審査があります。この審査が通るか不安に思っている方もすくなからずいるのではないでしょうか。

この記事では、医療保険の審査に不安を感じている方向けに、審査内容や基準について解説します

前提として、医療保険の審査に100%落ちる/通る方法はありませんので、そのことを念頭に置いて読み進めていただければ幸いです。

医療保険の加入審査とは?

医療保険の加入審査とは、保険会社が加入希望者のリスクを評価し、保険契約を引き受けるかどうかを判断する目的で行われます。

医療保険は、病気やケガによる入院や手術の際に、医療費を保障する保険です。

保険会社は、加入希望者が入院や手術する可能性が高いと判断した場合、保険金支払いのリスクが高くなります。そのため、加入審査を行うことで、保険会社はリスクを管理し、保険料を適切に設定できるようにしています。(保険の公平性の原則)

医療保険の主な審査内容と審査基準

医療保険の主な審査内容は以下の3つに分けられます。

  • 健康状態
  • 職業
  • 道徳上の危険(リスク)

では、具体的にどのような基準で各項目を審査されるのでしょうか。わかりやすいように表にまとめましたのでご参考にしていただければと思います。

審査内容 具体的な基準
健康状態
  • 過去5年以内の入院・手術歴はあるか

  • 現在治療中の病気はあるか

  • 持病はあるか

  • 健康診断の結果

職業
  • 危険を伴う職業かどうか

  • 年収額

道徳上の危険(リスク)
  • 保険金詐取などの疑いはないか

  • 過去に保険金請求トラブルを起こしたことがあるかどうか

危険を伴う職業というのは、スタントマンやテストドライバー、潜水士などケガや病気のリスクが高い職業を指します。

また、審査に通るために「虚偽申告」をすることは絶対にやめましょう。虚偽申告は保険契約が無効になるだけでなく、詐欺罪等の罪に問われる可能性もあります。

関連記事:医療保険に入れない人の特徴は?入れない病気や対処法について解説

医療保険の審査に健康診断結果の提出は必須?

医療保険の審査に健康診断結果の提出は必須?

医療保険の審査に健康診断結果は必ずしも必要ではありません。なかには健康診断結果ではなく、健康状態を告知すればOKという商品もあります

ただ、医療保険への加入を考えているのであれば、健康診断結果は手元にあったほうが安心です。

直近(12~14ヶ月以内)で受けた健康診断結果を用意しておいたほうが、スムーズに医療保険の審査・加入ができますよ。

関連記事:医療保険の加入に健康診断の結果は必要?いつの結果が必要なのか受けてない場合はどうすればよいのか解説

医療保険の審査の日数は大体何日かかる?

医療保険の審査の日数は、一般的には1~2週間程度です。しかし、以下のような場合には、さらに日数がかかることがあります。

  • 告知内容に不明確な箇所がある:追加書類の提出が必要になる可能性があります。
  • 特定の病気や身体の一部を保障の対象外とするなどの条件付きでお引受けする場合:契約内容の確認に時間がかかる場合があります。
  • 繁忙期:年末年始など、保険加入申し込みが集中する時期や、長期の連休など審査に時間がかかる場合があります。

【審査日数を短縮するためにできること】

  • 告知書に正確な情報を記入する:不明確な箇所があると、審査に時間がかかってしまいます。
  • 必要書類を揃えておく:必要書類が揃っていないと、審査が開始できません。
  • インターネットで申し込みをする:インターネットでの申し込みは、書類の郵送にかかる時間を短縮できます。

【審査状況の確認方法】

  • 保険会社のホームページ:多くの保険会社は、ホームページで審査状況を確認できるサービスを提供しています。
  • 電話:保険会社に電話で問い合わせて、審査状況を確認することができます。

審査にかかる時間の目安を知っていれば、気持ちに余裕を持つことができますよね。なかなか審査結果が届かない・通達されない場合は保険会社に問い合わせてみましょう。

医療保険の審査に落ちてしまう理由は何が考えられる?

医療保険の審査に落ちてしまう理由は何が考えられる?

では、医療保険の審査に落ちてしまう理由は何が考えられるのでしょうか。主な審査落ち理由は以下の3点です。

言い換えれば、3つの主な審査内容のうちいずれかがひっかかってしまうと、医療保険へ加入できなかったり、保険料が高くなってしまう可能性があるということです。

  • 身体上の危険があると判断されたから
  • 職業上の危険があると判断されたから
  • 不正加入等を疑われてしまったから

身体上の危険があると判断されたから

持病や既往歴があったり、健康診断の結果「病気になるリスクが高い」と判断されている場合だと、医療保険の審査に通らない可能性があります。

【身体上の危険があると判断される可能性がある例】

  • 3カ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがある
  • 過去1年以内に、病気やケガで入院をしたこと、または手術を受けたことがある
  • 5年以内に、保険会社の指定する病気以外の疾病で、通算7日以上に渡る入院や手術、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがある
  • 健康診断結果が再検査・要治療である
  • BMIが標準値よりもかなり高い

持病や既往症は致し方ない部分がありますが、健康診断の結果等は「放置しないこと」で改善ができますので、日頃から健康を心がけて生活したいですね。

医療保険に入りづらい主な病気・既往症一覧【参考】

  • がん(悪性腫瘍)
  • 糖尿病
  • 脳卒中や脳梗塞
  • 心不全や心筋梗塞
  • 動脈硬化症
  • 高血圧症(投薬でコントロールしていない場合)
  • 脂質異常症(投薬でコントロールしていない場合)
  • 不整脈
  • 肝硬変
  • 貧血(鉄欠乏性ではない重度と判断されるもの)
  • 鬱病(うつ病)

職業上の危険があると判断されたから

高所作業や地下作業、林業など、ケガや病気のリスクが高い職業は、医療保険加入の審査に通らない可能性があります

具体的には、以下の職種が審査落ちのリスクが高い例です。

  • 高所作業者
  • 地下作業者
  • 林業作業者
  • 重機オペレーター
  • 産業廃棄物処理者
  • 高圧電気取扱者

これらの職業は、常に危険と隣り合わせであり、一般的な職業よりもケガや病気の発生率が高いと考えられています。そのため、保険会社はリスクを慎重に判断し、加入を制限する場合があります。

ただし、保険会社によって判断基準は異なるため一概に「この職業は審査に通らない」というわけではありません。

もし、職業面での不安がある場合は、保険のプロに一度相談してから医療保険選びをしてみましょう

不正加入等を疑われてしまったから

  • 保険金目当てを疑われてしまった
  • 告知事項に虚偽があった/矛盾する点がある
  • 契約者や被保険者が反社会的勢力と関わりがある
  • 年収と保険料のバランスが著しく悪い

上記のようなケースでは、医療保険の審査に落ちてしまうことがあります。特に「虚偽報告」や「年収と保険料のバランス」の2点には注意しましょう。

補償を手厚くしすぎて、今の生活が苦しくなってしまったら元も子もありませんからね。

医療保険の審査に落ちてしまった場合はどうすればよい?

医療保険の審査に落ちてしまったらどうしたらいい?

自分が加入しようと思った医療保険の審査に落ちてしまった場合、考えられる対処方法は3つあります。

  • 他の保険会社の医療保険に申し込む
  • 加入条件が緩和された医療保険に申し込む
  • 医療保険の保障内容(特約)を変更する

それぞれの対処方法について詳しくみていきましょう。

他の保険会社の医療保険に申し込む

医療保険の審査に落ちてしまうと、不安な気持ちでいっぱいになると思います。しかし、諦める必要はありません。他の保険会社の医療保険に申し込むことで、加入できる可能性があります。

他の保険会社を選ぶ際には以下のポイントをチェックしましょう。

  • 加入条件
  • 保障内容
  • 保険料
  • 口コミや評判

医療保険の選び方や商品概要がわからない人は以下の記事を参考にしていただければ幸いです。

関連記事:医療保険の選び方・人気おすすめランキング

加入条件が緩和された医療保険に申し込む

医療保険には、加入条件が緩和されたものもあります。主な加入条件が緩和されている保険は以下の3種です。

保険の種類 特徴
引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険とは、通常の医療保険よりも加入条件が緩和されている医療保険です。持病や過去に入院・手術をしたことがある方でも、加入しやすいのが特徴です。


【加入条件が緩和されている理由】

引受基準緩和型保険は、通常の医療保険よりも保険料が高く設定されています。そのため、保険会社はリスクをある程度受け入れる代わりに、加入条件を緩和しているのです。


無選択型保険

無選択型保険とは、告知や医師の診査が不要で加入できる医療保険です。年齢や性別、健康状態に関わらず、誰でも加入することができます。


【加入条件が緩和されている理由】

無選択型保険は、告知や医師の診査が不要なため、保険会社にとって加入者の健康状態を把握することが困難です。そのため、保険会社は、加入者の健康状態にかかわらず、一定の保険料を設定することで、リスクをカバーしています。


少額短期保険

少額短期保険とは、病気による死亡・重度障害は300万円、病気・ケガによる入院給付金などは80万円など、保険期間は生命保険と医療保険では1年間と、少額の保険金額を短い保険期間のみで引受を行う保険の事です。


【加入条件が緩和されている理由】

保険期間が短期に設定されており、期間内にケガや病気になる可能性が抑えられているためです。

それぞれ、メリットもデメリットもありますので「自分はどの緩和型保険なら許容できるか、安心できるか」をしっかりと考えたうえで、加入を検討しましょう。

医療保険の保障内容を変更する

医療保険の保障に以下の特約を追加することで加入が認められるケースもあります。

特約 特徴 メリット デメリット
特定疾病・特定部位不担保法
特定の疾病や部位を保障対象外とする
保険料が安くなる、保険に加入しやすくなる
特定の疾病や部位の保障がない
特別保険料徴収法
保険金請求リスクに応じて保険料を増額する
保険に加入しやすくなる
保険料が高くなるため家計負担が大きくなる

それぞれ、加入しやすくなる反面「リスク」も負うことになるため、しっかりと考えたうえで付帯させるかどうか判断しましょう。

医療保険に入れるか不安な方は一度保険のプロにご相談を

医療保険に入れるか不安な方は一度保険のプロにご相談を

医療保険の審査に通るかどうか不安な人は、一度ご自身の状況、不安要素を保険のプロに相談してみましょう

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