緊急性が高いものの「やり方はいまいち分からない」のが、医療保険の給付金・保険金請求です。
いざ!というとき、スムーズに申請・受け取りができるようにこの記事で「医療保険の請求方法」を覚えておきましょう。
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医療保険の給付金・保険金請求時に必要な書類
保険金を受け取るためには、必要書類を提出し、手続きを進める必要があります。
必要書類
- 診断書
- 給付金や保険金の請求書
- 事故状況報告書(事故による怪我の場合)
- 本人確認書類
一般的には、上記の書類が必要です。実際の必要書類については保険会社ごとに決められているため、公式HPを見てきちんと確認しましょう。
医療保険の請求で必要な診断書はいつ書いてもらうべき?
必要書類のうち、特に気をつけるべきなのは「診断書」です。
入院や手術が決まったら、医師に相談し、治療が終わったらなるべく早く診断書を書いてもらうようにしましょう。
保険会社に請求する際に必要な診断書は、病院側が作成する通常のものではなく、保険会社がフォーマットを指定していることが多いです。
保険会社から診断書のフォーマットが送られてきたら、医療機関に持っていきましょう。予め相談しておく事でスムーズに記入してもらえる可能性が高まります。
医療保険の給付金・保険金を請求するタイミングはいつ?
ここまで、請求手続きに必要な書類についてお伝えしてきました。では、請求するタイミングはいつがベストなのでしょうか?
結論、入院や手術が終わった時点からなるべく早く申請するのがおすすめです。
契約している保険商品によって異なるが「入院・手術が終わったタイミング」で行う
保険金や給付金の請求手続きは、医師が病名や治療内容についての診断をし、治療が終わったタイミングからのスタートとなります。そのため、事前に医療機関に相談し、フォーマットを渡しておけばスムーズに手続きを開始できる可能性が上がるのでおすすめです。
医療保険の請求は、保険会社への連絡や書類のやり取りなど、意外と手間がかかります。入院や手術がスタートしてしまったら、保険会社とのやり取りができなくなり、申請を進めるのが遅くなることで、給付金や保険金の受け取りが遅れてしまうことも。
したがって、なるべく早い段階から保険会社に請求書類を取り寄せるなど、手続きを進めておくと安心です。
商品や保障の内容によっては、特定の病名を診断された時点で給付金を受け取れる場合もあるので、保険会社に確認が必要です。
医療保険で給付金・保険金請求する際の流れ
では、医療保険における給付金・保険金の請求手続きはどのように進めるのでしょうか?
おおまかな流れは以下のようになります。
- 契約内容の確認と加入している保険会社への連絡
- 請求に必要な書類の準備と提出
- 保険会社による支払いの判断を受ける
- 保険金・給付金の受け取り内容・金額の明細確認をして終了
契約内容の確認と加入している保険会社への連絡
「請求したのに、保険金や給付金が受け取れない…!」
そんなトラブルを未然に防ぐために、まずは自身の契約内容を確認しましょう。保障の対象となっているか、どれぐらいの保障を受けられるのか、チェックしておくことでよりスムーズに手続きを進められます。
※不明点がある場合は、保険会社に聞いてしまっても問題ありません。証券番号が記載されている書類を手元に用意しましょう。
その後、保険会社に連絡し、保険金や給付金を受け取りたい旨を伝えます。保険会社の公式サイトや保険証券に記載されている電話番号、もしくはウェブ上の専用フォームから連絡することが可能です。
請求に必要な書類の準備と提出
連絡後、保険会社から必要書類が送られてきます。必要事項を入力し、保険会社に提出しましょう。最近では、郵送ではなく、ウェブサイトの専用フォームに記入することで提出可能な保険会社も増えてきています。
書類に不備があった場合、再度送られてくる書類を再提出する手間が発生してしまいます。大きなタイムロスとなってしまうので、なるべくミスの無いよう記入しましょう。
保険会社による支払いの判断を受ける
必要書類の提出が無事完了したら、保険会社による確認が行われます。書類の内容に不備がなく、保障の対象であると判断されると、指定した口座に保険金や給付金が振り込まれます。
保険金・給付金の受け取り内容・金額の明細確認をして終了
保険会社から保険金や給付金が振り込まれたら、実際に口座の明細を確認しましょう。
- 指定した口座にきちんと振り込まれているか
- 金額は正しいか
上記について早めにチェックしておきましょう。
医療保険の給付金・保険金請求はいつまでにしなくてはいけない?
給付金や保険金の請求には、期限が設けられています。一般的には「支払事由が生じた日の翌日から3年以内」という期限が設けられていますが、細かな規定は保険会社によって異なります。
そのため、加入している医療保険の約款や契約内容を必ず確認しておきましょう。
給付金や保険金はいつ受け取ることができる?
書類が保険会社に到着してから1週間以内に受け取れるケースが多いです。しかし保険会社への問い合わせ数などの状況によって、振込が遅くなってしまうこともあります。
受け取り時期の目安についても、保険会社ごとに約款やウェブサイトに明記されていることが多いので、気になる方はチェックしてみてください。
給付金や保険金が支払われないケースは?対処法と合わせて確認
ここまで、申請に必要な書類や手続きの流れについて解説してきました。しかし、手続きを進めたからといって必ず給付金や保険金が支払われるとは限りません。
給付金や保険金の支払いについては、一定の条件が設けられています。その条件を満たしていない場合、手続きをしても受け取ることができません。
支払いがされないケース【具体例】
保険金や給付金が支払われないケースについて、具体例とともに解説していきます。ご紹介する事例に当てはまっている場合は給付金や保険金を受け取れない可能性が高いため、要注意です。
ここでは、いくつかの例をご紹介します。
給付金や保険金が支払われないケースの具体例
- 医療保険に加入する前の入院や手術を申請した
- 入院日数が「入院給付金の限度日数」を超えている
- 犯罪行為や泥酔状態によるケガの治療
- 地震や噴火といった自然災害が原因
- 申請書類に嘘の内容を記載した
- 詐欺や犯罪目的で給付金や保険金を受け取ろうとした
1.医療保険に加入する前の入院や手術を申請した
もし申請した入院や手術が支払いの対象となるような治療であったとしても、それが医療保険に加入する前に発生したものであれば、支払いの対象外となります。
保険会社が保障するのは、あくまで加入後の入院や手術です。加入前に治療が開始されたものについては、たとえ申請期限内であったとしても対象外となります。
2.入院日数が「入院給付金の限度日数」を超えている
入院が長引いてしまい、入院給付金の限度日数を上回った場合、注意が必要です。
入院給付金とは、1日あたりの金額を入院日数に応じて受け取ることができる保障です。ですが、入院給付金の支払い日数には限度が設けられます。
実際の日数が限度を超えてしまった場合、オーバーした日数分の給付金は受け取れません。
3.犯罪行為や泥酔状態によるケガの治療
犯罪行為や泥酔状態が原因でケガをしてしまったとしても、そのようなケガの治療は保障の対象外です。
ケガの原因については審査の対象となるので、注意が必要です。
4.地震や噴火といった自然災害が原因
地震や噴火など、自然災害が原因で生じたケガについても、一般的に保障の対象外となります。
ですが、保険会社によっては災害や不慮の事故で入院することになっても保障が適用される「保障」が用意されていることもあります。
5.申請書類に嘘の内容を記載した
申請書類に嘘の内容を記入していることが発覚した場合、「虚偽の申請」となり保険金や給付金は支払われません。
嘘の記載をしてもバレないだろう、と考える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実は保険金や給付金の請求時には、
- 医療機関への問い合わせ
- 健康診断結果の確認
- 公的医療保険の利用履歴
など、幅広い情報を利用して確認が行われます。
したがって、書類を準備する際には虚偽情報を記入しないよう注意しましょう。
6.詐欺や犯罪目的で給付金や保険金を受け取ろうとした
詐欺や犯罪のために保険金や給付金を受け取ろうとした場合は、もちろん支給の対象外です。支給されないだけでなく、刑法第246条に規定されている「詐欺罪」に該当するため、10年以下の懲役刑を受けることになります。
給付金・保険金を受け取れるようにするには「支払いの条件」と「必要書類の準備」を確認しよう
せっかく手続きを開始したのに、なかなか進まなかったり、そもそも支払いの対象外だったと判明したりするのはなるべく避けたいですよね。
スムーズに手続きを進めるためには、以下の2点をあらかじめ確認しておくことがおすすめです。
- 支払いの条件をクリアできているか
- 必要書類が正しく準備できているか
あらかじめこの2つに気をつけていれば、問題なく手続きを進めることができるでしょう。
まとめ
今回は、医療保険の保険金・給付金の請求に必要な書類や、手続きの流れについて解説してきました。
請求のための手続きは、ある程度の時間がかかってしまいます。なるべく早い段階から、スムーズに手続きを進めていくために、今回ご紹介した内容を参考に準備を進めましょう。