医療保険は契約して終わりではなく、定期的に見直すのが大切です。しかし、
「医療保険って、いつ見直すべき?」
「医療保険を見直したいけど……損しない方法はあるのかな」
「そもそも、何に気をつけて見直せばいいんだろう」
など、気になる点も多いでしょう。
医療保険の見直しにおいては、いくつかのポイントに気をつけないと、保険料が高額になったり必要な保障が受けられなくなったりします。
この記事では、医療保険の見直しにおける重要ポイントや注意点についてわかりやすく解説していきます。見直し方の具体例もご紹介しているため、どのように見直すべきか迷っている方は必見です!
医療保険の見直しとは?
医療保険の見直しにおけるポイントについて解説する前に、そもそも「医療保険の見直しとはどういう意味か」について解説していきます。
医療保険の見直しとは
- 保障内容をニーズに合わせる
- 保険料と保障内容のバランスを調整する
保障内容をニーズに合わせる
人生の様々な段階で、健康状態や家族構成などの変化は避けられません。例えば、結婚、子どもの誕生、退職などのライフイベントが発生すると、備えておくべきリスクも変化します。
そのため、契約後の生活に応じて、保障内容が自身のニーズにマッチしているか定期的に見直すのが大切です。自身の状況にあわせたプランに変更することで、不要な保険料の支払いを避け、もしもの時でも心強い保障を受けられるようになります。
自分にとって最も適した保険を選び直し、安心感と経済的なメリットを得るのが「医療保険の見直し」です。
保険料と保障内容のバランスを調整する
保障内容を充実させるだけでなく、保険料と保障内容のバランスを見直すのも大切です。
もし収入の減少や大きな出費が発生した場合、保険料による経済的負担が大きくなる可能性があります。その場合、保障内容を調整し、保険料を抑える必要があるでしょう。
不要な保障を削り保険料を抑える、よりコストパフォーマンスの高いプランに乗り換えるなど、適切なバランスになるよう調整しましょう。
医療保険の見直しは主に3種類
医療保険を見直す3つの方法
- 契約中の保険を解約し、新たな保険に加入する
- 契約中の保険に特約を追加する/外す
- 契約中の保険を解約することなく、新たな保険を追加で契約する
どのように医療保険を変更するかによって、保障の充実度や保険料の高さが異なります。欲しい保障はなにか、どれだけの保険料を支払えるかに応じて選ぶ必要があります。
医療保険の見直しが必要な3つの理由
医療保険の見直しに関してはいくつか考慮すべきポイントがあります。しかしそれ以前に、そもそも医療保険の見直しが必要なのか疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。
医療保険の見直しが必要な3つの理由
- 医療技術の進歩
- 年齢やライフステージの変化
- 社会情勢や経済の変化
医療技術の進歩
医療保険の見直しが必要な理由のひとつ目は、医療技術の進歩です。
技術の発展に伴い、治療法が改善され、入院日数が短縮されてきています。厚生労働省によって発表されたデータによると、入院日数の平均は約20年前と比較して半分近くまで減っています。
出典:厚生労働省「患者調査」
そのため、契約してから時間が経っている場合、
- 保障内容が「短期入院」に対応していないため保険金が貰えない
- 入院給付金の設定日数が長すぎるため、不要な保険料を支払っている
といった「ニーズと保障のズレ」が発生している可能性が高いです。
年齢やライフステージの変化
年齢の増加やライフステージの変化に伴い、必要な医療保険も変わります。
若い時期には最低限の保障だけで十分であっても、年を重ねて病気リスクが高まるにつれてより手厚い保障が必要になるでしょう。
また結婚や子どもの誕生といったライフステージが変わったときも、医療保険の見直しが必要。自分ひとりだけでなく、家族や老後のことまで考えなければなりません。そのため、保険の対象者や保険金額など、さまざまな項目において必要な保障が変化します。
社会情勢や経済の変化
社会情勢や経済状況の変化も、医療保険の見直しが必要な理由のひとつです。
契約時よりも物価が大きく変わった場合、必要な保険金額も変化します。もし大きなインフレが発生したら、契約時の保険金額だけでは不足してしまうかもしれません。
また公的医療保険制度が変化すれば、必要な保障も変わります。もし公的医療保険制度が手厚くなった場合、その分医療保険の保障内容を削った方がお得になりますね。
社会・経済の変化に合わせて医療保険を見直していくことで、必要な保障をコスパよくキープできます。
医療保険の見直しが必要なタイミング4選
医療保険の見直しが必要な理由についてお伝えしてきましたが、では医療保険はいつ見直すのがベストでしょうか?
個々人の状況によって異なるものではありますが、ここからは特におすすめな4つのタイミングをご紹介します。
医療保険の見直したい4つのタイミング
- ライフステージが変化したとき
- 保険料が負担に感じたとき
- 加入してから数年経ったとき
- 定期保険を更新するとき
ライフステージが変化したとき
ライフステージの変化は、医療保険を見直すべき重要なタイミングです。
- 就職
- 転職や起業
- 結婚
- 出産
- 住宅の購入
- 子供の独立
- 定年退職
上記のようなライフイベントによって、必要な保障は大きく変わります。ライフステージごとに用意すべき費用や、もしもの時のリスクを考え、必要な保障を検討していくのがおすすめです。
保険料が負担に感じたとき
収入や物価などの変化によって保険料が負担に感じられるようになった場合も、見直しが必要なタイミングです。
もしもの時に備えるために、毎月無理をしながら保険料を支払うのは本末転倒です。無理のない保険料となるよう、保障内容と保険料の最適なバランスをキープしましょう。
加入してから数年経ったとき
加入してから数年経過すると、医療保険のトレンドや社会情勢が変わるため、保険を見直すのがおすすめです。
新しい保険商品や保障・特約の登場により、より良い条件の保険に変更できる可能性があります。また物価変動や政策など、さまざまな変化に応じて必要な医療保険も変わります。
定期的な見直しによって、常に最適な保険を維持できれば、もしもの時でも安心ですね。
定期保険を更新するとき
定期保険の更新は、医療保険の見直しに最適なタイミングのひとつです。
定期型の医療保険を契約している場合、数年ごとに保険を更新する必要があります。そのため「更新のタイミングで医療保険を見直す」と決めていれば、忘れずに保険をチェックできますね。
数年おきに保険を見直すことで、医療保険のコスパも高められます。保険の見直しが面倒だと感じる方にもおすすめなタイミングだと言えるでしょう。
医療保険において見直すべき4つのポイント
医療保険を見直す4つのポイント
- どんな保障や特約が追加で必要かを考える
- 保障の手厚さと保険料のバランスを整える
- 保険期間を決める
- 給付金の受取人を確認する
それぞれの項目において、なぜ重要なのか、どのように決めるべきかについてわかりやすく解説していきます。
どんな保障や特約が追加で必要かを考える
まずは自身のライフステージや健康状態から、どんな保障や特約が必要か考えてみましょう。
中でも医療保険を見直す際に注目すべき保障・特約は以下のとおりです。
- 短期入院への対応
- 入院給付金の日額
- 手術給付金の金額
- 先進医療特約の有無
- 生活習慣病への備え
ご自身の年齢や生活スタイル、不安度にあわせて、付帯しておきたい保障をリストアップしておきましょう。
保障の手厚さと保険料のバランスを整える
保障の充実度だけでなく、保険料の高さも大切です。
医療保険においては、保障を手厚くするほど保険料は高くなります。毎月の負担が大きくなりすぎるのも、もしもの時に必要な保障が受けられないのも避けたいですよね。
まずは「つけておきたい保障・特約」をリストアップした上で、保険料が無理なく支払える金額かどうかチェックするのがおすすめです。もし保険料が高すぎるなと感じたら、優先度の低い保障を削っていきましょう。
実際の保険料は、保険会社に問い合わせて見積もりを依頼することで確認できます。
保険期間を決める
いつまで保障が必要かどうかも、医療保険を見直す上で重要な項目です。医療保険における保険期間には、定期型と終身型のふたつがあります。
定期型とは、特定の期間(5年、10年など)のみ保障されるもので、毎月の保険料は一般的に終身型よりも安価です。そのため、若いうちや子育て中など、一時的に手厚い保障が必要な場合に向いています。
一方、終身型は生涯にわたって保障が続くタイプの保険です。定期型と比べ保険料が高くなりますが、何歳になっても保障が受けられる安心感が特徴です。
定期型と終身型の医療保険の特徴を理解し、それぞれのメリットとデメリットを比較しながら、最適な保険期間を選びましょう。
定期医療保険 | 終身医療保険 | |
---|---|---|
保険期間 | 一定期間 | 生涯続く |
保険料 | 更新時に変更される | 一定金額のまま |
保険料を支払う期間 | 保険期間と同じ | 保険期間と同じ、自分で設定可能な場合もある |
更新の有無 | あり | なし |
関連記事医療保険は定期型と終身型どっちにすべき?違いや選び方をわかりやすく解説
保険金の受取人を確認する
医療保険に「死亡保障」を特約として付帯している場合、受取人の指定が重要になります。
入院や手術の給付金を受け取るのは契約者本人です。ただし死亡保障に関しては、残された人に保険金が支払われることになります。
そのため、誰にお金を残したいかを考え、保険金の受取人を指定する必要があります。
たとえば、結婚によって新たに家族ができた場合、配偶者や子どもを受取人に指定することが一般的です。一方で、離婚した場合は受取人を変更するケースが多いでしょう。
関連記事医療保険の受取人は誰にするべき?受取人による税制面の違いも詳しく解説
医療保険を見直す際の注意点
医療保険を見直す際の注意点
- 健康状態や年齢によっては再加入できない可能性も
- 年齢を重ねるほど保険料も高くなる
- 途中解約すると解約返戻金が小さくなる
- 解約するタイミングは新しい保険に加入してから
注意すべき点について知っておかないと、場合によっては大きく損してしまうことも。きちんと理解した上で、医療保険の見直しにのぞみましょう。
健康状態や年齢によっては再加入できない可能性も
健康状態があまり良くない人や、一定の年齢を超えている人は、医療保険に再加入できない可能性があります。
年齢や疾病歴は、医療保険に加入する際の審査に影響します。そのため、希望する医療保険に再度加入しようとしても、書類審査で断られてしまうことも。
また、気をつけなければならないのは「定期保険の更新」。通常であれば、保険期間が終了するごとに更新することで契約を続行できます。しかし一定の年齢を超えたら、更新自体ができなくなるケースがあります。
そのため、保険の見直しは早い段階から定期的に行う必要があります。
持病がある方でも入りやすい引受基準緩和型保険の選び方・人気おすすめランキング
年齢を重ねるほど保険料も高くなる
年齢が上がると、保険料も高くなっていきます。なぜなら、年齢が上がるにつれて高まる「病気やケガのリスク」を保険会社がカバーするからです。
特に定期型保険では、契約更新時に保険料が高くなっていくのが一般的です。また保険の見直しによって新たな医療保険に加入する際も、年齢によっては一気に保険料が高額になる可能性があります。
そのため、定年退職により収入が減少する高齢者にとっては大きな負担となりやすいです。保険の見直しや乗り換えは、なるべく早いうちから進めておきましょう。
途中解約すると解約返戻金が小さくなる
医療保険を見直した結果、契約中の保険を解約し乗り換えたいと考える方も多いでしょう。しかし終身型の医療保険を途中で解約する場合、解約返戻金の額が減少してしまう点に注意が必要です。
解約返戻金とは、貯蓄型の医療保険を解約する際にもらえるお金のことです。解約返戻金は、加入期間が長いほど高額になります。そのため早めに解約すると、解約しない場合と比較して解約返戻金は少額になります。
新しい保険に乗り換える前に、解約返戻金の金額を調べておくことが重要です。貯蓄性のある保険を利用してお金を貯めたいと考えている方は、特に慎重に判断しましょう。
関連記事生命保険の解約返戻金とは?いくらもらえるか計算する方法もあわせて解説
解約するタイミングは新しい保険に加入してから
既存の医療保険を解約し、新しい保険に加入する場合、解約するタイミングが非常に重要です。理想的な解約タイミングは、新しいの申込み手続きが完了し、保障が開始してからです。
ここまでご紹介してきたように、保険を乗り換えてから「こんなはずじゃなかった…」となるケースも十分考えられます。場合によっては、新たな保険に加入できず、以前契約していた保険にも戻れない「無保険状態」となってしまうことも。
保険料を一時的に多く支払う必要はあるものの、保険を乗り換える際は新しい保険の契約が完了して保障が開始されてからにしましょう。
【年代別】医療保険の見直し具体例
ここまで医療保険の見直しに関するポイントについてお伝えしてきましたが、まだ「どのように見直すべきか」についてピンとこない方も多いでしょう。
気をつけるべき項目について理解したとしても、具体的に何をどう変更すればいいか、参考例があったほうが理解しやすいですよね。
ここからは、年代別にどのように保険を見直すべきか、具体例をご紹介していきます。ただし、あくまで具体例に過ぎないため、実際にどのように医療保険を変更すべきかについては個人により異なります。
20代〜30代:結婚や出産に合わせて見直しを
20〜30代といった若年層においては、結婚や出産などの大きなライフイベントにあわせて医療保険を見直すのがおすすめ。家族が増えるタイミングで、新たに必要となる保障を検討しましょう。
「家族が増えたから、保険の対象者を自分だけでなく家族も追加しよう」
「教育資金にお金を使いたいから、入院時の出費を抑えるために入院給付金を増やそう」
「今はまだ貯蓄が少ないから、保障を絞って保険料を安くしたほうがいいかもしれない」
上記のように、家族や預貯金額に合わせて考えてみましょう。
40代:家族のライフステージと老後資金を考える
40代においては、家族のライフステージに加え老後資金の準備も考えていきましょう。
子どもの進学にあわせた教育費や老後の医療費に備えるために、病気やケガが起こったとしてもどれだけの金額を受け取れるようにするか考える必要があります。子供の独立、マイホームのローン残高も考慮し、保障内容や保険料を決めましょう。
老後資金についても、長期に渡って保障が受けられる「終身型」を活用することで、効率よく備えられます。保険を乗り換えたい場合は、なるべく早めに新規加入を済ませておくのがおすすめです。
50代:病気リスクに対する備えをより手厚く
50代になると、自身の病気や健康問題のリスクが高まります。そのため、高額な医療費に備えて保障範囲を広げる、特定の病気に特化した特約を追加するなどの見直しが考えられます。
また、老後の生活費にも影響するため、退職後における保険料の負担を考慮したプラン選びが重要です。定年退職したあとの収入額や貯貯金額がいくらになるか計算しておくと、見通しが立てやすくなります。
老後の保険料を抑えておきたい方は、定期型から終身型に早めに切り替えを考えましょう。
まとめ:医療保険を見直すと損する?
「医療保険を見直したら、保険料が高くなるんじゃない?」
「保険料が安くなっても保障が足りなくて後悔しそう」
といったように、医療保険を見直すことで損してしまうのではないかと不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
結論、医療保険を見直して損することは基本的にありません。しかし「絶対に損をしない」とも言い切れないのが現実です。
その理由は、見直すべきポイントや注意点について理解する必要があるから。逆に言えば、今回ご紹介した内容を理解した上で見直しをすれば、医療保険で損をする可能性は低いでしょう。
しかし、自分で医療保険の見直しをするのが不安に感じる方もいらっしゃるはず。そのような方におすすめしたいのが「保険の知識を豊富に持つプロに相談すること」です。
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